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個人的な栞(しおり)として皆さまの作品をピン留めしております。ヒマなときに見てもらうと、ひょっとしておもしろいかも。
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2021年9月の記事一覧

村上春樹、山崎豊子、小川洋子…。多くの文豪が愛した西宮、芦屋を歩く

村上春樹、山崎豊子、小川洋子…。多くの文豪が愛した西宮、芦屋を歩く

   こんちにちはド・ローカルです。
   すっかり秋めいてきました。文学の秋。ノーベルの秋です。今回は「文学」を切り口に、多くの文豪たちが愛し、居住してきた西宮、芦屋の街を紹介したいと思います。
   この時期、毎年のようにノーベル文学賞候補に名前が挙がる村上春樹のデビュー作の舞台は芦屋でした。「細雪」の谷崎潤一郎、「砂の城」の遠藤周作、「火垂(ほたる)の墓」の野坂昭如のほか、山崎豊子、小川洋子

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13 雑然の命│随想詩

13 雑然の命│随想詩

ぼくの命は雑然としている。

何もかもが中途半端であり、とっ散らかっている。

おそらく一生このままだろう。

と思ったが、そう思うのはやめる。

この野放図にばらけていくぼくの関心が、ある日、美しく白き雪の結晶へと向けて、空気中の微塵の埃のひと粒から、軽々と成長を始めないとも限らないからな。

けれど一生このままでもいいのだ。この現状肯定こそがすべての基礎なのだ。今ここでの現実を認識しないことに

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フクシマからの報告 2021年夏    俳人・中里夏彦さんが語る原発事故・下 頭では帰れないとわかっていても    心は帰りたいと願い続ける       奪われたふるさとの記憶

フクシマからの報告 2021年夏    俳人・中里夏彦さんが語る原発事故・下 頭では帰れないとわかっていても    心は帰りたいと願い続ける       奪われたふるさとの記憶

前回の本欄で、福島県・双葉町出身の俳人・中里夏彦さん(64)のお盆のお墓参りに同行した報告を書いた。

中里さんが生まれ育った家は、福島第一原発から西に5キロ(道路沿い。直線距離で3キロ)にある。噴き出した放射性物質の雲(プルーム)の直撃を浴び、10年後の現在も立ち入りが禁止されている。いやそれどころか、双葉町全体が人口ゼロの無人地帯である。

 2021年8月13日に撮影した冒頭の写真でもわかる

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よの木地蔵尊のエノキ

よの木地蔵尊のエノキ



和歌山県田辺市に流れる左会津川の堤防沿いにエノキの巨木があります。この木の隣には祠が祀られており、こう書かれています。

「よの木地蔵尊

御詠歌
ありがたやすぎやよのきの
ぢどうそん
りやくうけにと
まいるひとびと
よのなかえみちびきたまえ
ぢどうそん
げんぜあんのん
ごしようごくらく」

この地蔵尊はご利益を授けてくれると大切にされているようです。毎日掃除されており、お参りに来る人も絶えま

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努力する才能がない私が業務で使えるレベルの英語力を手に入れるためにやったこと

少ない学習時間で大きく英語力を伸ばすことができましたので、そのやり方をできる限り簡潔にまとめてみました。(4000字強)
全部読む必要はないです。
目次を見て、気になったところだけ読んでいただければ。

話にならないほど英語力がダメダメだったもう20年くらい英語を勉強していませんでした。
文法も単熟語もだいぶ忘れちゃってました。
あ、すいません、見栄を張って嘘をつきました。
正直に言うと、忘れたの

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原子力と〈幻視力=想像力〉

原子力と〈幻視力=想像力〉

書評:戸谷洋志『原子力の哲学』(集英社新書)

本書で語られる「原子力」とは、一般に「負の原子力」の象徴である「原子爆弾」などの原子力兵器であると同時に、「正の原子力」と考えられてきた「原子力発電」という両極を含む、全体としての「原子力」のことである。このような両極性をもって見られる「原子力」の本質とはいかなるものなのか。それを思考したのが「原子力の哲学」というわけだ。

本書では、ハイデガー、ヤ

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