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SF - Sumo Fiction

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狂気に満ちた相撲SFの世界(手動収集)
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2018年11月の記事一覧

相撲ハーレクイン

きゃあ!バシャーン!「オホホホ!いいきみだわ晴子!これに懲りたら二度とそんな少女漫画小説読むんじゃないわよ!」オーホホホと耳障りな高笑いを上げ去っていく女とその取り巻きたちふん!なんだって言うのよ!このハーレクインのよさがわからないなんてスッとこどっこい!漫画やアニメはいつしか廃れ相撲が絶対的なブームが訪れて私みたいなハーレクイン好きの女の子はああいう女にばかにされるの
でも私負けないわ!いつかき

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力紅茶

力紅茶

 「優勝決定戦!優勝決定戦です!今年の春もとんでもない嵐が巻き起こりました!」
 アナウンサーが叫ぶ。観客も叫ぶ。なぜか解説も叫んでいる。

 春場所千秋楽。大阪府立体育会館は熱狂の坩堝にあった。
 14日目まで全勝の東の横綱【有紅麗】が、星1つの差で追う西の横綱
【霧万邪炉】のジャンピングエルボースマッシュに膝を着いたのである。

 ――時間は2分前に遡る。
 優勝のかかる結びの一番を前にしてな

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#国技館ロイヤルランブル 【製作ノート】

#国技館ロイヤルランブル 【製作ノート】

(ネタバレ要素が多いので後日有料化するかも。また、追加の質問などがあれば追記の形で回答します)

「国技館ロイヤルランブル」のライナーノーツです。

本編についてはこちらをご覧ください。【製作ノート】おつかれさまでした。
本作は一気に書いたのでほとんど創作メモは残っていないんですが、要素を思い出しながら書き残しておこうと思います。

2018年4月にパイロット版が誕生本作の執筆は2018年4月に急

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【つの版】非実在力士名鑑

【つの版】非実在力士名鑑

ドーモ、三宅つのです。Twitter海には「国技館ロイヤルランブル」というハッシュタグが存在し、ニンジャ名鑑か妖怪図鑑、SCPめいた奇怪な力士たちの名鑑が日々生まれています。それらはここにまとめられていますが、つのの投下した名鑑もせっかくなのでここにまとめます。つのはなんか思いついたらストックして、定期的に投下しています。二次創作系力士も含めて、あなたはこれらをマテリアルとして自由に使用できます。

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「アポカリキシ・クエイク」#4

「アポカリキシ・クエイク」#4

【承前】「DOSSOI!!」

谷松の猛烈なぶちかまし! 目の覚めるような一撃だった。敵は血反吐を噴いて真後ろに吹き飛び、壁に人型の穴を開けた。敷金が!

「かはァッ!」

敵は壁を突き破って、隣の部屋に。埃がもうもうと煙を上げる。人が入ってなくてよかった。

「や……やった! でも」
「ここは捨てろ。やつらに捕捉された。次々来るぞ」
「え、え」

谷松が『ドヒョウ・フィールド』を解き、もとの小柄

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「アポカリキシ・クエイク」#2

「アポカリキシ・クエイク」#2

【承前】その時の地震は、そう大きなものではなかった。震度4、ぐらい。けれど、ぼくが感じた心的衝撃は……。

「雷電、ですか。『雷電為右衛門』。江戸時代の、史上最強の力士……!」

アパートの一室。谷松老人の力場のためもあってか、ものが倒れたりはしなかった。ぼくには……谷松の言葉が、もはや狂人の戯言とは思えなかった。あれを見た。体験してしまった。世界のほうが狂いだした。いや、ぼくの常識が、異常な世界

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「アポカリキシ・クエイク」名鑑01

「アポカリキシ・クエイク」名鑑01

☆葦の海 渡(あしのうみ・わたる)

主人公。28歳、独身。相撲取りであったが怪我で引退し、今は小さなちゃんこ屋を営む男。アパート住まい。店が休みの日の午後、谷松老人に突然訪問された。

☆谷松 昭(たにまつ・あきら)

もうひとりの主人公。70歳の独居老人。謎めいた能力と該博な知識を持ち、奇書『黙力士録』の写本を所有する。そこに記された予言により、葦の海のもとを訪れる。

◇【能力名:ドヒョウ・

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どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第1話)

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第1話)

全世界が注目する今年最後のG1レース。

「大相撲ジャパンカップ」両国の街そのものを利用した世界最重量の市街地レースだ。

今年最も活躍した力士たちが集い最強を決めるワンデイレースは、大横綱大銀河ら主力が国際巡業に旅立ったという試練の1年間を支え続けた若手力士の次期エースを占う大切なレースになるだろう。

パドックに連なり、すり足を続ける力士達。予想のために肌つやを確認する観客や世話をする力士養成

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「アポカリキシ・クエイク」序章・ライナーノーツ

「アポカリキシ・クエイク」序章・ライナーノーツ

おれだ。アニーDに引き続き、アポカリキシ・クエイク…長いので略称は「AQ」のライナーノーツだ。ADとAQ。なんか繋がりがありそうで、まったくない。アメリカ西海岸と日本列島で、太平洋の反対側だ。強いて言えばADで日本系のギャングがくたばり、AQでロサンゼルスが地震で壊滅したというぐらいのものだ。どうも物騒だな。

一話一話の解説はめんどいのでしない。本編は合計4500字ぐらいだが、名鑑を加えれば50

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【つの版】非実在力士名鑑02

【つの版】非実在力士名鑑02

ドーモ、三宅つのです。ここが何なのかは前回をご覧ください。実は「国技館ロイヤルランブル」以外にも様々な非実在力士系ハッシュタグは存在しており、【非実在力士名鑑】だけをつければいいようです。詳しくはここをご確認ください。めんどいのでつののはそのままにし、たまにハッシュタグを付け加えます。文量は減りますがまあいいでしょう。

◆清め塩◆

013 金字塔(ぴらみっど):数千年の眠りから目覚めた古代力士

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どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第2話)

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第2話)

(第一コーナーのおさらい)

全世界が注目する今年最後のG1レース。

「ジャパンカップ」両国の街そのものを利用した世界最重量の市街地レースだ。

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どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)第2話「バックストレート」

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出走力士01. 泥土竜
02. 酸鼻
03. 穴昆蛇(あなこんだ)
04. 潮測(しおはかり)
05. 聴海(ちょうかい)

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酸鼻関半公式設定集

https://note.mu/ubmzh/n/n29273542c601

皆さん、もう読んでいますね?相撲と陸上、更に競馬がフュージョンライズした脅威の力士パルプ「どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)」。ここに私の挙げた残虐力士酸鼻関が参加しております。私としても大層驚いています。正直予想を超える出番に酸鼻関生みの親として嬉しい限りです。

折角なので彼の経歴をちょっと考えておきました

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#土俵惨歌 荒神奉事七番勝負

#土俵惨歌 荒神奉事七番勝負

第1話 呼び出しの時は来たれり

10月10日。

小結の破鍋関は、神妙な面持ちで土俵を睨んでいた。
普段の取り組みとは、あまりにも事情が違う。勝つための取り組みではなく、「奉ずる」為の取り組み。円形ではなく、片道二車線国道と同一規格の異常土俵。使い慣れたまわしではなく、「奉事」のために蓄えられた専用まわし。
そして、相手は西の横綱断舎里関。この「奉事」の主役である。

事は七日前に遡る。

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コスモ力士☆星丸!

コスモ力士☆星丸!

西:リニア力士、新十両 星丸。(筑波部屋)
東:機工力士、前頭 牛頭駆。(磐梯部屋)

星丸は球体のボディの周囲をリニアまわしが回転している。その姿はまるで土星だ。
牛頭駆はモノアイ眼球のクールさが人気のベテラン前頭。首が存在せず喉輪を無効化する。

二名のコスモ力士は顔を見合わせた。
そして、なんらかの思念波が交わされ、二名は土俵の中央で激突した!!

キーーーーーーン……

甲高い澄んだ衝突音

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