地霊

地霊に選ばれたと思うこと 33

地霊に選ばれたと思うこと 33

3月から何回か草削りや剪定をしていて感じたのは、何故かすごく満たされて幸せな気分になれるということだった。 2021年3月19日に、私はこのように書いている。       ○ 何だろう? 何かが私の空っぽの部分を埋めていく。これは何? ああ、そうだったんだ。 ごめん、地霊。 私を選んでくれたのに、私を信じてくれたのに、私を愛してくれたのに、私の態度は今までとても失礼だったね。 誠実に頑張る。今はそれしか言えないけれども、 相続を引き受けた時、祖母がいた頃のような土地の

地霊に恋する

地霊に恋する

『東京の地霊』というタイトルをきいて、『ムー』系の話だと思った人はいないだろうか。 わたしも思った。 でも著者の鈴木博之さんは工学博士で、東京大学名誉教授だった建築学史家。(2014年に亡くなっている) この本は、東京にある13か所の土地や建物について、その場所とそれを所有していた人々、そこで生活していた人々が江戸期から明治・大正・昭和をとおして経験してきたドラマを掘り下げている。すんごく面白い。 「地霊」というのは、ラテン語の「ゲニウス・ロキ」という語に対して鈴木博

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地霊

地霊

僕はその人の出身地はその人にとってのとても大きな要素であると思っていて 幼少期に過ごした土地柄やまたそこでの幼児体験とかは現在のみんなを構成しているファクターとしてとても重要な経験値になっている気がする 例えば大阪の人が面白いのは週末の昼には吉本新喜劇や漫才がやっていて深夜には探偵ナイトスクープをはじめ他の地域ではやってないめちゃくちゃ面白い深夜番組がたくさんあって東京の人と比べると、小さい頃からそういうものが当たり前のように刷り込まれて育っているからなのかな?とか考えると

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天気の子を見て

天気の子を見て

 「天気の子」を見た。東京を舞台装置としてではなく、その『地霊』そして『普請中』でありつづける性質を描き切った上に、『天気』によって、それすら呑みこんだ点に於いて傑作である。  作品の中で、最初に出て来た『歌舞伎町』が主人公達が疎外された町として描かれ、『池袋』‐更に言えば北口‐が逃走中の主人公たちを受け入れた町として描かれた点は、第一に言及すべきだろう。  かつて新宿は東京の他者を受け入れる部分、言葉を換えれば『優しさ』の象徴として描かれた。『優しさ』とは「無関心」である(

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ジョジョ&鬼太郎感想置き場26

ジョジョ&鬼太郎感想置き場26

ドーモ、三宅つのです。タイトルどおりの空間です。マガジン化してもいます。どちらも面白いので視聴をおすすめします。 前回はここです。 令和元年一発目ですが、今回ジョジョはお休み(総集編)なので鬼太郎だけです。なんか総集編が多い気がしますが、あのクオリティを保つためなのでしょう。終わるまでの時間が長引くと思えば待つことも楽しめます。そして六部以後もいずれはアニメ化するはずです。つのは期待しています。 #ゲゲゲの鬼太郎 6期54話 補足:人回。人間は悪とは言うが、みんな必死

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『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」#4

『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」#4

【前回】 ……風は向こうから吹いてくる。あの、異様な節回しの歌のする方から。風は生臭く、磯臭い。 「ど、ど、どうしましょう」「あっちはヤバい。土の力鬼士どものいる方もヤバい。別の抜け道を探そう」デリックとヴァシリーは踵を返す。暗闇に目が慣れては来たが……いや、妙に明るい。苔やキノコの光じゃない。壁自体が光っている。それは二人を導くように、別の道へ伸びている。 デリックは息を呑む。「……これは、魔法ってやつか……実際に見るとはよ」 魔法。そうとしか言えない。おとぎ話の夢

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『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」#2

『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」#2

【前回】 「力鬼士の棲む洞窟に財宝があるって、噂を聞いて。昨日黙って出ていったんです」 デリックは首を傾げた。表情と沈黙に促され、少女、ソフィアは続けた。 「うちは貧乏です。母は二年前の疫病で死んで……父は仕立て職人なので、二人でなんとか食べてはいけます。けれど、きっと私の将来のことを考えて……」少女は顔を手で覆い、また泣き出した。デリックは彼女を宥めながら、店の奥へ連れて行く。女房が事情を察して店番を代わる。 ソフィアが落ち着くと、デリックは尋ねた。「その噂は、どこ

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【聖杯戦争候補作】God Save The Queen

【聖杯戦争候補作】God Save The Queen

夜。自分の部屋で頭を抱え、その少年は悩んでいた。甚だ悩んでいた。 金髪をオールバックにし、眉毛はなく、カミソリのように鋭い目つき。長ランにボンタン。明らかに不良だ。ケンカをすれば、相手が大人数でない限り負け知らずの彼であったが、今回の事態はそういう次元の話ではない。 聖杯戦争。英霊を使役して殺し合い、何でも願いを叶えてくれる聖杯を獲得するための魔術的闘争である。魔術師でもない彼に降り掛かった突然の理不尽。絶望し、悩み苦しむのも当然だ。その上、彼の悩みはそれだけではなかった

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「アポカリキシ・クエイク」#3

「アポカリキシ・クエイク」#3

【承前】 「『黙力士録(アポカリキシ)』。やつらの活動について、数千年前から未来に到るまでを予言した書だ」 ぼくは……笑わなかった。駄洒落や与太話、偽書の類と笑い飛ばすことも出来たはずだ。ギリシア語のアポカリプシス(啓示、黙示)と力士が混ざるなんて荒唐無稽どころじゃない。けれど。 「地球上のどこかで、常に地震は起きている。通常の地震なら、ここに記されていない。どれほど大きくともだ。ワシは……そうでないもの、地下の力士霊……力神(りきしん)による地震が、全てこの書に記され

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「アポカリキシ・クエイク」#2

「アポカリキシ・クエイク」#2

【承前】 その時の地震は、そう大きなものではなかった。震度4、ぐらい。けれど、ぼくが感じた心的衝撃は……。 「雷電、ですか。『雷電為右衛門』。江戸時代の、史上最強の力士……!」 アパートの一室。谷松老人の力場のためもあってか、ものが倒れたりはしなかった。ぼくには……谷松の言葉が、もはや狂人の戯言とは思えなかった。あれを見た。体験してしまった。世界のほうが狂いだした。いや、ぼくの常識が、異常な世界から目を逸らしていたに過ぎない。世界はもともと、常識で図り知れるようなもので

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