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適応障害で休職→復職訓練中。 本、音楽、ドラマの話もするかもしれません。

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適応障害で休職→復職訓練中。 本、音楽、ドラマの話もするかもしれません。

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    2024年初から休職に入っていたときに考えていたことややってみたこと。 休職期間中にすることがなくて暇だという方に、一つの過ごし方のご提案。不定期更新。

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固定された記事

復職訓練開始

 今年の初めあたりからおよそ5ヶ月にわたって休職に入っていた。その日は職場の椅子についた瞬間から涙があふれそうになり、昼休みに入ると吐き気を催してしまったので早…

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12日前
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高2の夏に読んだ三島由紀夫の感触

高2の夏に三島由紀夫を読み漁っていたことをふと思い出した。内容なんてよくわかっちゃいなかった。ただ、生きることが不安で、存在していることが不安で、三島の作品はそ…

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13時間前
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書けば書くほど増す文筆家への敬意

 曲がりなりにもNoteを書き始めて数週間。  誰かに読んでもらう価値のある文章を生み出すことの難しさを、少しずつ覚えていく。書くことが増えるごとに、書いた文字数を…

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1日前
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「自分の言葉」を使った仕事をしたいという思い

 背景画像は、どこぞの黒板に書いた自筆です。  「自分の言葉」については、上記Noteでも言及しています。  大学までは、いい職に就ければ、安定した収入さえあれば人…

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2日前
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復職してから異動になったときの挨拶ってどうすんの

 復職訓練について前回書いたもの↓  復職訓練開始から2週間が経過した。  プログラムも順調にこなしており、職場の滞在時間も午後まで延ばしている。ひどい症状が出る…

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2日前
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社会人って、なに?〜最果タヒ『きみの言い訳は最高の芸術』収録「いい人とは日記」を読んで〜

「詩人」は詩を紡ぐ人。詩を介して感情を映し出す人。 では、「社会人」ってなに?働いていようが働いていまいが、すべての人は何らかの形で社会に包摂されているはずだ…

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2日前
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肉乃小路ニクヨさんの言葉「ピンチはチェンジ」

 表題の言葉は、肉乃小路ニクヨさんの言葉の中で最も感銘を受けた言葉。  肉乃小路ニクヨさんの公式紹介は下記。  ニクヨさんもXでこの言葉について言及している。  …

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3日前
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「幸せ」について〜最果タヒ『もぐ∞(もぐのむげんだいじょう)』収録「パフェは自給自足のロマンチック」を読んで〜

 「幸せになりたい」という言葉が口をつくことがある。この「幸せ」とは何なのか、そして、幸せに「なる」とはどういった状態なのかを、因数分解してみても面白いかもしれ…

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4日前
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ドラマ・映画鑑賞リスト【休職期間中の活動④】

 前回↓  休職期間中、とくに後半にはよくドラマを見ていた。2010年代前半はよくドラマを見てたけど、2010年代後半からは忙しさにかまけてドラマが好きだったことを忘れ…

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5日前
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最果タヒ『十代に共感する奴はみんな嘘つき』を読んで

 最果タヒさんのお名前は聞いたことはあったが、作品を手に取ったのは初めてだった。  「である・だ」調と「です・ます」調が混在する文体。読み手がどこで息をつけばい…

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6日前
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思い出せない話は所詮その程度の大事さ

「あれ何だったっけ、何か話そうと思ってたんだけど」というセリフが出てくる時点で、そんなに大事な話ではない。本当に大切なことは、メモをしなくても心の戸棚のよく見え…

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7日前
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ドラマ『いちばんすきな花』2周目第1話

 特に好きな作品だったので2周目も視聴してみた。  伏線の張り方が巧みすぎる。1周目では気づかなかった伏線が網の目のように巡らされている。セリフの端々、情景描写の…

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8日前
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復職訓練開始から一週間

 復職訓練開始に至る経緯は下記。  復職訓練の第一段階、午前中だけ出勤するプログラムをこなして早一週間。休職前のように職場にいても苦しくなることもないし、しっか…

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9日前
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人生を横の比較でなく縦の比較で見つめてみようという話

 今日のお隣さんや有名人との比較(=横の比較)でなく、昨日の自分、数年前の自分との比較(=縦の比較)で今日を生きていけば気が楽になるよねという話。たしかに隣の芝…

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9日前
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『Mother』第一話を見て〜小道具の移り変わり〜

 TVerで配信され始めたので、『Mother』第一話を見た。坂元裕二脚本。『最高の離婚』を見てから坂元裕二作品に注目するようになったので、この作品は未視聴。リンクは下記…

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10日前
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書き続けること

 駄文でも、書き続けること。他者の品評の目に臆せず、より多くの人の目に触れる場所に己の文章を提示すること。そうすることで、文章のスキルは必ず上がる。誰かの琴線に…

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10日前
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復職訓練開始

復職訓練開始

 今年の初めあたりからおよそ5ヶ月にわたって休職に入っていた。その日は職場の椅子についた瞬間から涙があふれそうになり、昼休みに入ると吐き気を催してしまったので早退し、前々から疑わしいと思っていたので心療内科に行った。職場環境や症状をつぶさに担当医に報告したところ、「適応障害」との診断を受けた。 
 休職期間にあれこれ始めたり、自分の人生を見つめ直すことが多々あったので、また気が向いたら書くことにし

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高2の夏に読んだ三島由紀夫の感触

高2の夏に三島由紀夫を読み漁っていたことをふと思い出した。内容なんてよくわかっちゃいなかった。ただ、生きることが不安で、存在していることが不安で、三島の作品はその不安を紛らわしてくれるような感覚があった。自分程度の頭では追いつかないような発想を三島は描いていた。今でも、内容はよく覚えてはいない。ただ、汗ばむ季節に三島由紀夫の小説のページを繰っていた感覚だけが、この手に残っている。

書けば書くほど増す文筆家への敬意

書けば書くほど増す文筆家への敬意

 曲がりなりにもNoteを書き始めて数週間。
 誰かに読んでもらう価値のある文章を生み出すことの難しさを、少しずつ覚えていく。書くことが増えるごとに、書いた文字数を重ねていくごとに、その重みを感じていく。

 文筆家の人たちってすごいなあ。自分が書いた文章でお金をもらうというのは、相当な覚悟のいることだ。自分の文章を誰かに読んでもらう、自分のために時間を割いてもらう。ましてや、商業化したならば自分

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「自分の言葉」を使った仕事をしたいという思い

「自分の言葉」を使った仕事をしたいという思い

 背景画像は、どこぞの黒板に書いた自筆です。

 「自分の言葉」については、上記Noteでも言及しています。

 大学までは、いい職に就ければ、安定した収入さえあれば人生はそれでいいと考えてきた。それを掴むことだけに躍起になっていて、自分のやりたいことがどうだとか、自分が何を愛しているだとか、自分が何をしていきたいだとかは深く考えてこなかった。心の奥底では思っていたとしても、蓋をしてきて、レールの

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復職してから異動になったときの挨拶ってどうすんの

 復職訓練について前回書いたもの↓

 復職訓練開始から2週間が経過した。
 プログラムも順調にこなしており、職場の滞在時間も午後まで延ばしている。ひどい症状が出ることもないし、眠気なども襲ってこないので、このまま順調にフルタイムまで戻ることができるとは思う。

 最近の懸案事項は、フルタイムに戻って異動になったときの挨拶メール。
 休職に至ったのは前いた部署の人たちとの反りが合わなかった面もある

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社会人って、なに?〜最果タヒ『きみの言い訳は最高の芸術』収録「いい人とは日記」を読んで〜

「詩人」は詩を紡ぐ人。詩を介して感情を映し出す人。
では、「社会人」ってなに?働いていようが働いていまいが、すべての人は何らかの形で社会に包摂されているはずだ。「社会人」という言葉には、働く人の、もしくは働くことが当たり前だと思っている人の、傲慢さが表れている。

肉乃小路ニクヨさんの言葉「ピンチはチェンジ」

 表題の言葉は、肉乃小路ニクヨさんの言葉の中で最も感銘を受けた言葉。
 肉乃小路ニクヨさんの公式紹介は下記。

 ニクヨさんもXでこの言葉について言及している。

 今年の春頃、ラジオを流し聞きしていたらニクヨさんがゲストで登場し、この言葉についてお話しされていた。
 「ピンチのときには、何かを変えなければいけないというサインが出ている。それでも『ピンチはチャンス』と思っていると、かえって緊張しす

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「幸せ」について〜最果タヒ『もぐ∞(もぐのむげんだいじょう)』収録「パフェは自給自足のロマンチック」を読んで〜

「幸せ」について〜最果タヒ『もぐ∞(もぐのむげんだいじょう)』収録「パフェは自給自足のロマンチック」を読んで〜

 「幸せになりたい」という言葉が口をつくことがある。この「幸せ」とは何なのか、そして、幸せに「なる」とはどういった状態なのかを、因数分解してみても面白いかもしれない。

 「幸せ」を構成する要素は数多くあるし、どの要素で構成されるか、またそれぞれの比重も人それぞれだろう。おいしいご飯をお腹いっぱい食べられたら幸せだろうか。多くの人と関わっている状態が幸せなのか、一人でも幸せになれるのか。
 自分の

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ドラマ・映画鑑賞リスト【休職期間中の活動④】

 前回↓

 休職期間中、とくに後半にはよくドラマを見ていた。2010年代前半はよくドラマを見てたけど、2010年代後半からは忙しさにかまけてドラマが好きだったことを忘れていた。自分の中のドラマ熱を取り戻せて、非常に嬉しく思っている。
 
 作品数が多いので、それぞれの感想はまた。(2回目)ってなってるのはリアタイしてた作品。

 ・大豆田とわ子と三人の元夫 (2周した)
 ・カルテット(2周した

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最果タヒ『十代に共感する奴はみんな嘘つき』を読んで

 最果タヒさんのお名前は聞いたことはあったが、作品を手に取ったのは初めてだった。
 「である・だ」調と「です・ます」調が混在する文体。読み手がどこで息をつけばいいかわからないような句読点の位置。乱文とも取れる文体で綴られる、少女の感情の奔流。
 物事を主観的には捉えきらず、たえずメタ的に捉えようとして、それだからこそ自己嫌悪にも陥ってしまう主人公の内面は、実に現代っ子らしい。ネット空間の発達によっ

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思い出せない話は所詮その程度の大事さ

「あれ何だったっけ、何か話そうと思ってたんだけど」というセリフが出てくる時点で、そんなに大事な話ではない。本当に大切なことは、メモをしなくても心の戸棚のよく見えるところにしまってあるから、探さなくてもすぐに見つかる。そう信じて、思いついたことのメモを取らないときもある。そこそこ大事なことだった気がするけれど、数十分経ったら忘れてしまった。まあ、その程度の大事さだったのだろう。また必要な時が来たら、

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ドラマ『いちばんすきな花』2周目第1話

 特に好きな作品だったので2周目も視聴してみた。
 伏線の張り方が巧みすぎる。1周目では気づかなかった伏線が網の目のように巡らされている。セリフの端々、情景描写の端々からメッセージが肉薄してくる。これだけ秀逸な脚本・演出ができるなんて素晴らしい。
 生方さん脚本の次クール月9『海のはじまり』への期待も高まっている今日この頃。『いちばんすきな花』を見返しながら、思索に耽ろうと思う。

復職訓練開始から一週間

 復職訓練開始に至る経緯は下記。

 復職訓練の第一段階、午前中だけ出勤するプログラムをこなして早一週間。休職前のように職場にいても苦しくなることもないし、しっかりと睡眠を取れている分、頭も冴えている。この良い状態を来週も継続できれば、勤務時間を延ばしていってフルタイムに戻ることもできるだろう。順調に進んでいるからこそ、ここからも慎重に歩みを進めていきたい。
 フルタイムの勤務に戻ることがゴールで

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人生を横の比較でなく縦の比較で見つめてみようという話

 今日のお隣さんや有名人との比較(=横の比較)でなく、昨日の自分、数年前の自分との比較(=縦の比較)で今日を生きていけば気が楽になるよねという話。たしかに隣の芝生は青いし、有名な人と比べればこれまでの自分の道のりが頼りなくて不安になってしまうこともある。そんなときには、過去の自分を顧みることにしている。数年前の自分より数センチでも前に進んでいれば、偉大な進歩と言えるのではないかな。

『Mother』第一話を見て〜小道具の移り変わり〜

 TVerで配信され始めたので、『Mother』第一話を見た。坂元裕二脚本。『最高の離婚』を見てから坂元裕二作品に注目するようになったので、この作品は未視聴。リンクは下記。

 少し前のドラマを見るたびに、小道具やモチーフの移り変わりに目が行ってしまう。ガラケー。寝台特急「北斗星」。時代とともにあまり見られなくなったり、そもそも存在自体がなくなっていたりする。

 今のドラマに出てくる小道具や演出

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書き続けること

 駄文でも、書き続けること。他者の品評の目に臆せず、より多くの人の目に触れる場所に己の文章を提示すること。そうすることで、文章のスキルは必ず上がる。誰かの琴線に触れる表現を磨き続けることができる。どんな文筆家でもこのステップは避けてはこられなかったはずだ。
 書くことの継続。難しいが、大切なこと。