言うほど旅行が好きではないんだなという話

 休職に入ってありったけの時間を与えられても、ろくに旅行はしなかった。簡単に行けるドラマのロケ地を巡ったりはしたが、泊まりでどこかに出かけるということは全くしなかった。学生時代などはそれはいろんなところに出かけたりしていて、鉄道でも車でも船でもさまざまなところに旅行に行った。てっきり旅行が好きな性分だと思っていたが、そうでもないらしい。

 思うに、自分にとっての旅行は、ストレスフルな日常からの逃避だ。家やその近くにいると気が詰まってしまいそうだから、どこか遠くに出かけて自分を俯瞰で見てみる、という営為なのだと思う。日常を忘れるために、非日常を自分で演出して味わいに行く。
 それが、休職期間に入ってからは、「日常」がストレスフルなものになっているわけでもなく、ゆっくりと休むことができた。日常にそこまでストレスを感じなかったがために、旅行にも出かけなかったのだろう。

 もう一度旅行に出たくなった時、それはそれでうれしいのだろうが、日常がストレスフルになった証左とも取れそうで、なんだか悲しくもあるなあ。
 

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