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私生活(エッセイ)

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感じたことをテーマでまとめたエッセイです。
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#うつ

「死ぬときは自分が止まるときですから」

「死」について、人によってはまったく考えないテーマらしい。

今日取材で会った30代男性(接客業)に死ぬのが怖いと話をしてみたら、ぽかんとした顔をされた。同僚にお昼に行こうと誘ったら「今日お弁当を作ってきたので」と断られるくらい軽やかに、「死ぬときは自分が止まるときですから」と普通の表情で答えた。なんでそんなこと聞くんですか?くらいのかんじで。

私は30歳を迎えるのが怖くて怖くてたまらないのに、

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母より、「あなたはあなたのままでいいのよ」

母より、「あなたはあなたのままでいいのよ」

ここ一週間ほどずっと雨が続いている。我らにとっては低気圧ほどつらいものはない。体がだるく、何に対しても気力が起きず、そんな自分に嫌気がさして消えたくなる。太陽が見えるだけでどれだけ心が救われるのだろう。

落ち込んでも自分を救えるのは自分しかいない。その事実を、痛いほどわかっているのに、誰かに助けを求めてしまう。おおよそ、近くにいる彼氏や夫、遠く離れている実母など。「毒親育ち」だと言い放っているの

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”著名人の死から考えたこと”ー私は死ぬのが怖いし、でも「死にたい」ってなっちゃう人の気持ちもわかる。

”著名人の死から考えたこと”ー私は死ぬのが怖いし、でも「死にたい」ってなっちゃう人の気持ちもわかる。

 土日に仕事をしなかった分を取り返そうと早起きしようと思っていたが、起きたのは10時。「決して落胆はしないように」と自分自身に慎重に言い聞かせ、無理やり近くのファミレスに行った。土日に来ていた3通のメールのうち、1通返すのに1時間以上かかった。内2通は未だ返信できていないのに、昼前にはファミレスを後にした。空は秋晴れで美しかった。

 昼食は、夫がチャーハンを作ってくれた。それに甘え、「今日はもう

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いのちの電話がつながらなくても

 先日有名女優がなくなった。すごくきれいな人女性だった。7月に有名俳優が亡くなったときも、今日女性ギタリストが亡くなったときもそうだ。メディアでは自殺の要因の憶測が飛び、そろいもそろっていぶかる。「亡くなったのは◯◯が要因だ」「◯◯に悩んでいたに違いない」などと平気で憶測を言う。母から電話がきたりして「彼らが死を選んだ理由」をあれこれ話してくる。



 「死にたい」という選択肢がない人は、「死

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目の前の人の好きなものを目の前で否定する

目の前の人の好きなものを目の前で否定する

■この前、会って間もない人に「好きなアーティストいる?」と聞かれたので「宮本浩次(エレカシ)が好き」と答えたら「えー!私、あの人きらーい!」と大声で言われてとても驚いた。簡単に人の好きなものを否定するような人と出会うなんて予想していなかった。怒りの前に戸惑いの感情。その人は仕事的にも少々問題のある人なのだけど、人として付き合うのはもうやめようと思った。どんな理由があるにせよ、目の前の人の好きなもの

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孫の髪で筆を作る

孫の髪で筆を作る

先日の昼、祖母からLINEが来た。「じーじ(祖父)が●●(私の本名)の髪の毛で、筆を作るつもりでしたがかないませんでした」。最初は祖母が何言ってるのかよくわからなくて、「髪の毛送るよ? 今ちょうど伸ばしてる!」とノリで意味不明な返信をしてけど、写真が送られてきて意味がわかった。

4歳の私の髪の毛の写真。祖父は、認知症である。妻(祖母)のことも息子(父)のことも孫(私)のこともすべて忘れて、生活も

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