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seiji_arita
2024年9月29日 03:34
「微風」手放せないものを抱きかかえたまま戻れない時の記憶を胸の奥に閉じ込めた描いていたのは 未来 君の姿輪郭を鮮明に指先でなどれば 不明瞭だった僕の約束が想い出の場所で泣いているのが見えたいつしか許せない事ばかりが増えてゆきそれでも これで良かったんだと 昇る朝日に言い訳をする弱音は歪な線を描き 今日に溶けて消えてゆく伸ばされた君の手すら掴めずに
2024年9月14日 21:21
「反社会的文士」特に希望も無く絶望も無く目の前にある景色を見ていた僕が世界を無視するのと同じ様に世界もまた 僕を無視し続けている何も無いところから架空の物語は生まれる内的な衝動が形像を立ち上げて行く反俗的な理想像破綻と混沌の中で文学を生み出す反社会的文士僕等は意識の足元の深い底にある寡黙な闇に降りて行く誰もが其処に混沌を持つ脈略を欠いた記憶の
2024年7月21日 11:06
「FOREVER」終わらない接吻 夜に踊る可憐なドレス 憂いを潜めた甘い香りと其の仕草記憶の瞳に映る星たち真実へ伸ばす腕が夢の先に導く魂の歌詞と鼓動が共鳴し 其の胸へと抱かれる街には奇跡が溢れ 真白な羽が舞い降りる髪に肌に触れ 言葉途切れに愛を探した明日を照らし出す夜空に輝く小さな星と蒼を湛えた澄み切った空と風に吹かれる君が居る僕の傍
2024年7月4日 23:39
「最後の言葉」沢山の記憶の積み重ねによって僕等の人生は成り立っている僕等は暗い空に浮かぶ雲の周りに希望の縁取りを探し求める頭上の暗雲の中に幾つもの願い事を書き連ねその裏側にあるはずの明るい輝きを放つ太陽を心に描く何処でもいいから遠くの国に行きたい君はそう言ったその言葉は僕の中に眠る僕自身の代弁でもありふたりは胸の中にある それぞれの暗雲と光を抱
2024年5月24日 21:58
「琥珀のグラス」物事の終わりは いつだってあっけないものだ世界は一定の原理に従い然るべき方向に流れて行く僕は夢の中の彼奴の事を探し求めている夜の闇は当たり前だけど暗いんだ彼の歌う詩は ひとりで聴くには悲しみが強すぎる危うさが勝ち過ぎている琥珀のグラスの中に想い出を留めた僕が大切にしていたものは 彼の記憶だと気が付いた妙にくっきりとした形の月と風の
2024年5月20日 12:12
仰ぎ見た杭の滝 凪潮の息吹が斧音に変わり乱脈を打つ無言の太陽に突き刺さる黒き羽根別れを告げた螺旋雲は戻れない刻の様乱立した黙礼が我に似る一律に同じ形の雨が降り続く其の類型を突き崩す力を有した風を待つ少なくとも雨粒の形など覚えてはいない其の極めて凡庸な色彩と形式を持つ輪郭は記憶に留めるに値しないひび割れた月に触れる指先夜空に綴る言葉は黙り続け
2024年5月16日 15:56
「透明な風」必要な言葉は何故だかいつも遅れて後からやって来るあの日 あの時僕等に欠けているものなんて何ひとつ無いそう君に伝えたかったきっと君は微笑んでくれただろう深い緑と青い空を持つ夏だけが其処にあった僕等はもう二度とこの場所に来る事は無いそして君に逢う事も定められた場所に向かうそれぞれの道を歩み続ける僕は一度だけ振り返る其処には形を持た
2024年3月29日 19:48
「春の風」行き場を失くした憧憬と忘れられない約束夢の中に見た言葉にならない気持ち時間は記憶の中で絡まり合う僕等の心に刻印された時は決して消える事は無い泣きたいのに無理して微笑む君の顔愛とか希望とかそんな言葉より 君に逢いたい心の空にある虹の欠片に触れた春の風 君の匂いがした
2024年3月16日 22:52
「トロイの木馬」特定の目的を持ち意図的に作り上げられた偽装された世界の中で沈黙を維持し続ける真夜中の音は鳴り止まず僕はその音に耳を澄ませている記憶と意識の形を変えて其処に留めた巻き戻せない時を超え 朱く霞む夕陽の残像が風に逆らう汚された光に僅かに残る純粋な粒子永遠に続く掟が終わりなき夢に堕ちてゆくトロイの木馬 血は流されなくてはならない神
2024年3月8日 21:59
「忘却」無意識の領域から浮かび上がる記憶と欲求割れた雲間から見えた幾つかの星遠く忘却の中に消えた彼奴の言葉はまだ僕の中に残っている彼の意志の力は其処に留まり 星を輝かせる 光と影の複合体が創り出す本当の姿其れは美しさの奥に隠された資質表面上に見えるものが美しくある必要も無い例え醜いものであったとしても僕は彼を正確に理解しその輪郭を描く事が出来た
2024年2月27日 04:07
「Stand By Me」其処にある月が全てを綺麗に照らしていた満月に近い巨大な月が夜空に浮かび僕は夜の音に耳を澄ませた真夜中の深い静寂の中 不自然な程明瞭な月明かりが僕に語りかける 僕は始めて自然に呼吸する事の出来る場所を見つけたStand By Me … Stand By Me君の記憶をひとつひとつ呼び起こし断片を繋いだ 世界が夜に属しても月
2024年2月20日 19:25
「海色に沈む」目には見えない雲の切れ端 小さな浮雲ゆっくりと型を変えて空を彷徨う其れは僕の過去 失われた記憶を求めて漂っている 部屋の窓から 遠くに少しだけ見える海巨大な海の切り取られた断片其処には波音も潮の匂いも無い海色の小さな塊僕は記憶の枠の内側に居るのか外側に居るのか何も見えない思い出せない 僕の知らない所で物事は進展し行き場を失くしたの
2024年1月25日 14:37
「残照」深く歪み堕ちていく太陽の残照明け方の空に浮かんだ薄い三日月苛立ちの影が繰り返す不規則な循環淀みを含んだある種の流れを暗部が包み隠す其処にある秘密を知っているのは僕と君だけだった今 記憶や想い出がゆっくりと老いてゆく静かなる一幕の幻影
2024年1月2日 17:35
「冬の月光」逢う事の無い陽の光 こだまし誘われ僕は言葉無く ただ影を踏む瞬く時は夜半の風と名も無き剣疵跡ひとつ残さぬままにあの鐘を鳴らし夜を迎える冬の月光 生き延びた言葉 記憶に留めそして 影を踏む真の慈愛をと叫び また 影を踏む