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seiji_arita
2024年5月24日 21:58
「琥珀のグラス」物事の終わりは いつだってあっけないものだ世界は一定の原理に従い然るべき方向に流れて行く僕は夢の中の彼奴の事を探し求めている夜の闇は当たり前だけど暗いんだ彼の歌う詩は ひとりで聴くには悲しみが強すぎる危うさが勝ち過ぎている琥珀のグラスの中に想い出を留めた僕が大切にしていたものは 彼の記憶だと気が付いた妙にくっきりとした形の月と風の
2024年5月20日 12:12
仰ぎ見た杭の滝 凪潮の息吹が斧音に変わり乱脈を打つ無言の太陽に突き刺さる黒き羽根別れを告げた螺旋雲は戻れない刻の様乱立した黙礼が我に似る一律に同じ形の雨が降り続く其の類型を突き崩す力を有した風を待つ少なくとも雨粒の形など覚えてはいない其の極めて凡庸な色彩と形式を持つ輪郭は記憶に留めるに値しないひび割れた月に触れる指先夜空に綴る言葉は黙り続け
2024年5月16日 15:56
「透明な風」必要な言葉は何故だかいつも遅れて後からやって来るあの日 あの時僕等に欠けているものなんて何ひとつ無いそう君に伝えたかったきっと君は微笑んでくれただろう深い緑と青い空を持つ夏だけが其処にあった僕等はもう二度とこの場所に来る事は無いそして君に逢う事も定められた場所に向かうそれぞれの道を歩み続ける僕は一度だけ振り返る其処には形を持た
2024年3月29日 19:48
「春の風」行き場を失くした憧憬と忘れられない約束夢の中に見た言葉にならない気持ち時間は記憶の中で絡まり合う僕等の心に刻印された時は決して消える事は無い泣きたいのに無理して微笑む君の顔愛とか希望とかそんな言葉より 君に逢いたい心の空にある虹の欠片に触れた春の風 君の匂いがした
2024年3月16日 22:52
「トロイの木馬」特定の目的を持ち意図的に作り上げられた偽装された世界の中で沈黙を維持し続ける真夜中の音は鳴り止まず僕はその音に耳を澄ませている記憶と意識の形を変えて其処に留めた巻き戻せない時を超え 朱く霞む夕陽の残像が風に逆らう汚された光に僅かに残る純粋な粒子永遠に続く掟が終わりなき夢に堕ちてゆくトロイの木馬 血は流されなくてはならない神
2024年3月8日 21:59
「忘却」無意識の領域から浮かび上がる記憶と欲求割れた雲間から見えた幾つかの星遠く忘却の中に消えた彼奴の言葉はまだ僕の中に残っている彼の意志の力は其処に留まり 星を輝かせる 光と影の複合体が創り出す本当の姿其れは美しさの奥に隠された資質表面上に見えるものが美しくある必要も無い例え醜いものであったとしても僕は彼を正確に理解しその輪郭を描く事が出来た
2024年2月27日 04:07
「Stand By Me」其処にある月が全てを綺麗に照らしていた満月に近い巨大な月が夜空に浮かび僕は夜の音に耳を澄ませた真夜中の深い静寂の中 不自然な程明瞭な月明かりが僕に語りかける 僕は始めて自然に呼吸する事の出来る場所を見つけたStand By Me … Stand By Me君の記憶をひとつひとつ呼び起こし断片を繋いだ 世界が夜に属しても月
2024年2月20日 19:25
「海色に沈む」目には見えない雲の切れ端 小さな浮雲ゆっくりと型を変えて空を彷徨う其れは僕の過去 失われた記憶を求めて漂っている 部屋の窓から 遠くに少しだけ見える海巨大な海の切り取られた断片其処には波音も潮の匂いも無い海色の小さな塊僕は記憶の枠の内側に居るのか外側に居るのか何も見えない思い出せない 僕の知らない所で物事は進展し行き場を失くしたの
2024年1月25日 14:37
「残照」深く歪み堕ちていく太陽の残照明け方の空に浮かんだ薄い三日月苛立ちの影が繰り返す不規則な循環淀みを含んだある種の流れを暗部が包み隠す其処にある秘密を知っているのは僕と君だけだった今 記憶や想い出がゆっくりと老いてゆく静かなる一幕の幻影
2024年1月2日 17:35
「冬の月光」逢う事の無い陽の光 こだまし誘われ僕は言葉無く ただ影を踏む瞬く時は夜半の風と名も無き剣疵跡ひとつ残さぬままにあの鐘を鳴らし夜を迎える冬の月光 生き延びた言葉 記憶に留めそして 影を踏む真の慈愛をと叫び また 影を踏む
2023年12月19日 22:12
「Born to Lose」季節は巡る 風の匂いが変わり 夜の闇の色合いが濃く変化して行く誰かから深く愛された記憶を探した見つからなかった わからなかった 見つけられなかった季節だけでは無く 周りの全ての事柄が変わって行く 僕の創り出した醜いクローンが偽善的な詩を詠う糞食らえ 遊びは終わりだJohnny Thundersが歌う俺は生まれながらの
2023年12月16日 19:11
「浅い夢」記憶の中の陽射に揺れる君の面影世界中の時計を巻き戻し夢の中で眠った答えにはいつも形なんて無くて何気ないあの時の1秒に永遠を見ていた僕がもっと強くなる事で君が微笑んでくれるならこの腕に君を…浅い夢 薄れてゆくはずの想いは孤独と自由と柔らかな後悔と君の髪の香り つまらない嘘で誤魔化した強がりふたりを繋いでいた大切なもの確かに僕は君に恋を
2023年10月22日 17:01
「秋桜」最後の月が沈む時 空の向こうを記憶が包む見つけた声ひとつ風に消され彷徨う雲となり 幻影の中 降り頻る雨濡れた大地に小さな蕾がうずくまる儚く綺麗な純愛に似た薄紅の花を数えた夜を胸に抱き 想いは消えぬ秋桜咲けない花なら枯れましょう全てを置き去りにしたままで貴方ひとりを悪者にして
2023年10月15日 16:02
「沈黙」孤独の中に属された重い記憶が囁きかける僕等は生き続ける意志を探す語りかけた沈黙 いつか失われて消えていくはずの風だけが吹いてる誰もが皆 静かに死に向かい死が僕等を迎えに来る探していたものは何ですかそれは見つかりましたか性別を超えた優しい光優雅にも感じるその微笑み魂の繋がりと絆 生死を超えた概念答えはきっと僕等の心の中にある僕は ま