シェア
seiji_arita
2023年10月26日 21:49
「晩秋の風」たった五秒の口付け 晩秋の風午後の陽だまり 伏せたまつ毛に沈めた束の間の魔力 林檎が木から落ちる様な当然の引力に近い感覚幸せなのか 幸せそうに見えるだけなのかそんな事を口にする君の横顔綺麗な輪郭を指先でなどった僕は君の永遠に損なわれた感情に触れていた君も其処に触れてくれる人を探し求めていた僕は何も聞かない 君もまた同じだった
2023年10月25日 22:35
「Search & Destroy」逆さ吊りのキリスト 瞼の裏に焼きついた鮮血鎖と鋲とピン 爆音の中の快楽編み上げのブーツで蹴り上げた抑圧糞溜めで見た未来と希望地下室で抱き合う時を止めた楽園光の渦と音の色 降り注ぐ叫び歯止めも無く繰り返される動乱 圧政 歪み堕ちひび割れる社会地図に無い街を探した世間の枠組みの外側でSearch & Destr
2023年10月25日 13:32
「新月」髪に触れ首筋に沈めた視線を彷徨う溺れゆく星ひとつ 唇で君を感じられないのなら震える手で触れた夜の終わり 新月を待つ跡形もない完璧な孤独をください 何も見えない硝子の瞳をくださいそれでも 僕はまだ夢を見たんだ煌めく夢を愛しい人へ この夜に歌う 捧げるものは何もなくても
2023年10月24日 16:13
「黒い華」サヨナラを告げた黒い華の香悪の血を流すピエロお前の欲望に満ちた血をこの皿に垂らしてくれないか胸に抱いた幾千ものナイフに映る孤独背中に立てた爪 儚い恋夢が目に染みる宵溢れる太陽に似たお前の汁と血を塗りつけた熟れた猥褻舞い降りた神が月を満たすお前の中で溺れる夜の果て粘膜で覆い尽くされた闇夜の葬列鏡の中の老婆が嘲笑い手招きをする蒼い孤独と狂
2023年10月22日 21:18
「一片の月」何処にも行き場ない硝子の様な透明に包み込まれていた空虚な海に君の言葉を探し求めて小さな光の微粒子が波打ち際に舞う手を伸ばし掴もうとしたが溢れ落ちるそしてまた 僕は手を伸ばすその光は既に最初の輝きを失っている事に気がついていたそれを認めたくない僕が居た全ては無意味で無価値である そう思いたくなかったからだ時の洗礼は失望を呼び僕の書いた言
2023年10月22日 17:01
「秋桜」最後の月が沈む時 空の向こうを記憶が包む見つけた声ひとつ風に消され彷徨う雲となり 幻影の中 降り頻る雨濡れた大地に小さな蕾がうずくまる儚く綺麗な純愛に似た薄紅の花を数えた夜を胸に抱き 想いは消えぬ秋桜咲けない花なら枯れましょう全てを置き去りにしたままで貴方ひとりを悪者にして
2023年10月21日 15:53
「AC COBRA」チーズと生ハム ガーリックトーストちぎって浮かべたクリームスープ土曜日の太陽が平らな庭を作り出す煌めいた銀色のボディー AC COBRA爆音の中 タイヤが擦れて立ち込める匂いキスをするには最高の午後澄み切った空に彼女の柔らかな声花は夜に咲くらしいキスはおあずけ やるせない仕草空を剥がして月を浮かべ 小さな星を散りばめる静かに無
2023年10月18日 17:26
「回転木馬の夜」白く霞んだ幻の庭溜め息を止めた運命の橋恐れない様に受け入れて傷付けない様に慰めて裏切らない様に愛し続けて円を描く軌道 指先で触れた愛しさの訳惹かれ合い寄り添い合う君を ずっと待っていた抱きしめ合って迷いは解けた想いは廻る回転木馬白馬に跨がり君を抱く君の新しいキスを待っていた星明かりに操られ世界が詩を奏でる想いは廻る回転木馬
2023年10月15日 16:02
「沈黙」孤独の中に属された重い記憶が囁きかける僕等は生き続ける意志を探す語りかけた沈黙 いつか失われて消えていくはずの風だけが吹いてる誰もが皆 静かに死に向かい死が僕等を迎えに来る探していたものは何ですかそれは見つかりましたか性別を超えた優しい光優雅にも感じるその微笑み魂の繋がりと絆 生死を超えた概念答えはきっと僕等の心の中にある僕は ま
2023年10月13日 22:55
「死月」明け方の白い月記憶のドアは空いていた反社会的なロマンス 幕開けと幕引き蒼い月が色を失い白く輝く時季節はとっくに死んでいた僕は欠落した一部を探す為に君を抱き 君もまたそれを望んでいた雲が幾度も通り過ぎ月の明かりをまだらに変えるそして 暁に焼かれて僕等の代わりに月が死ぬ
2023年10月12日 18:59
「銀杏の葉」夜の真ん中 桟橋の影水面 さざなみ揺れる小舟吐息ひとつ風に消え 言葉 言えずに立ち止まる振り向く足音 時間を超えて小さく震えたくるぶし 指先を添え露地の細道 窓の無い部屋 ふたり静かに重ねた唇銀杏並木が色を変えはらはらと散る 涙 花びら 銀杏の葉
2023年10月11日 20:52
「紫瀾の花」貴女の世界が夜明けの駅へと向かう時僕は月光のドアの影に立っている夜の風が星を纏い小さな花を揺らす時文字を失くした言葉たちが空から降り注ぐ淡い紫 衣の裾が静かに貫く 胸の奥底 夢想い心 導くままに 君想う紫瀾の花
2023年10月8日 02:00
君の面影 瞳を閉じて流れる静かに時ゆらら刹那の美貌その横顔 麗しの光 僕を包み込む小さな蕾が風に揺れ僕の血は透き通ってゆく空を映し太陽を映した瞳の色彩優しく輝く星を見た永遠の約束 交わした言葉君の詩が幸せを呼ぶ
2023年10月7日 03:36
「鼓動」下手くそな嘘で笑って誤魔化した余計な事 馬鹿な事分かりきってた事雨に震える街 硝子越しに映る姿君の影だけが揺れていたふたり許し合えた事また来るはずの無い出逢いの季節を探して僕の鼓動は今もまだ嫌いになれたら良かったのに