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ロボモフ
2020年9月30日 02:53
「何だ、誰かと思えば雨かすっかり目が覚めちまった雨の目覚まし時計か!ばかやろう、今日は日曜日だいまだはえーな」チャカチャンチャンチャン♪「しっかしよく降るねいや待てよ。そういや久しぶりだね雨ってのは久しぶりじゃねえかいつ以来だ?ちょっと天気予報をっとばかやろう、予報は未来だい」チャカチャンチャンチャン♪「まずいぞ。洗濯物を取り込まないと!いや、洗濯なんかしてねえ
2020年9月29日 02:25
私たちは頭の中だけで駒を動かすことができるし、自分の対局なら棋譜を見なくても難なく再現できるものだ。私たちは死力を尽くしぼろぼろになった後でも、もう一つの対局を怠らない。「感想戦」確かにそれは、叶わなかった夢や幻の構想、負け惜しみのような言葉をつぶやく場でもある。しかし、その本当の目的は自身の棋力向上のためだ。疲れ切った熱い頭をもう一度酷使するのは、誰よりも強くなりたいという一心から。だが、時
2020年9月28日 09:10
人の心は一番よくわからない。 自分が面白いと信じることを全力で演じても、舞台の向こう側には少しも響いて行かないようだ。感性はもう置いていかれたのか。あるいは、最初から僕はズレていたというのだろうか。(こんな時に、何か言ってくれる相方がいてくれればよかったが) この人たちは、何がそんなにつまらないと言うのか。(みんな笑いたくてここまで足を運んだのではなかったか) そして、サクラのように笑って
2020年9月27日 02:27
大繁盛店ということで少しは期待して入ったのだが。他人の味覚ほどあてにならないものはない。麺は輪ゴムを伸ばしたようなものだった。スープの方は泥水に塩を入れたものと変わりなかった。私は思ったことがすぐ口から出るタイプだ。「カップラーメンの方が旨いね」 大将の手が一瞬止まった。「それを言っちゃあおしまいよ」 よかった。心の広い大将のようだ。その人柄に打たれて私は箸を進めた。食えたもんじゃあなか
2020年9月26日 03:50
「今日はどんなのをお探しですか」「できれば四角いのかなと」「それでしたら、こちら一択になります」「えーっ?」チャカチャンチャンチャン♪「こちら超おすすめのリュックになっております」「なかなかのサイズですね」「しっかりと入るようになっております」「はあ」「中にラーメン、チャーハン、他にも寿司やカレー、ハンバーガーなど何でも入れて運ぶことができます」「ラーメン?」チャカチャ
2020年9月23日 03:13
「ラーメンは麺がすべてじゃない」「そりゃそうだ」「麺だけ打っても仕方がないのさ」「そうだそうだ」「スープがすべてでもない」「そりゃそうだ」チャカチャンチャンチャン♪「ラーメンは味噌汁じゃねえ」「そりゃそうだ」「味噌ラーメンと言えども味噌汁じゃねえ」「そうだそうだ」「麺もスープも同じ丼に入らなくちゃ」「そうだそうだ」チャカチャンチャンチャン♪「ラーメンはもやしがす
2020年9月22日 04:05
「お休みの日とか何をされてます?」「休みというのものは、こういう仕事だから、まあそんなには、普通の人が持てるようには、取ることはできない、わけではあるのだけれど、全くないかと言うと、それはそういうことでもなく、休みの日というのは、あることはあります」「お忙しいのですねー」「それで、実際に休みとなれば、映画をみます」「どんな映画がお好きですか」「それは、その日の
2020年9月19日 23:44
おめでとうございます!あなたは「影響力のない100人」の中の一人に選ばれました!チャカチャンチャンチャン♪「あなたすごいじゃないの!」「いや、すごくないよ」「100人の中に入るって!」「いや、ない方だから」チャカチャンチャンチャン♪「他には誰が入ってるの?」「いや、みんな知らない人たちだよ」「知る人ぞ知るのね」「いや、どうかな」チャカチャンチャンチャン♪「世
2020年9月19日 00:59
抑えのエースが肩を作っている間、俺は入念に素振りをする。目に見える勝負は一瞬だ。だが、本当の勝負はずっと長い。目と目が合う遙か前に二人の激しい勝負が始まっている。「みなさまお待ちください」(アップのペースを上げております) エースのアップには時間がかかる。それでも客は誰も文句を言わない。素晴らしい勝負なら、待つ時間さえも楽しみに変わるのだ。 投手がいないマウンドをにらんで俺は鋭くバットを
2020年9月18日 01:43
戦国の世は速度勝負。情報戦に優位に立った者が、覇者になれるのだ。「早馬を走らせよ!」 北の城主に向けて緊急の伝令を送るのだ。「申し上げます。早馬がおりませぬ」「なんと!」 アマゾンのセールとかで早馬がフル稼働していた。これでは速報が届けられない。「殿。速亀ならいるとのこと」「なに? それは真に速いのか?」「報告によれば、他の亀など止まって見えるとか」「それは止まっておるのでは
2020年9月17日 23:23
ファンファーレが鳴ってご飯が炊けたが、誰も「いただきます」を口にすることはできなかった。杓文字がないことがすぐに発覚したからだ。「冗談じゃない!」「どうやって装うと言うの?」 今にもちゃぶ台がひっくり返りそうだった。チャカチャンチャンチャン♪「甲子園に行ってしまったわ」 おふくろが事情を打ち明けた。 10年に1度の甲子園が開かれたのだ。「杓文字でホームランが打てるか!」
2020年9月17日 01:06
「せめてお名前を」「名乗るほどの者じゃござんせんぜ」「いいえ、せめてお名前だけでも」 別に名を売りたくて助けてるわけじゃない。 時に不可解なリクエストが俺の足を引っ張る。「どうせ忘れんだろ」「ええっ」「教えたところで明日には忘れちまう」「そんなことは……」「だったら教え損じゃねえか」「私は忘れません」「忘れないって言う奴ほど忘れんだよ」「絶対に忘れません」「じゃあな」
2020年9月15日 22:15
世界一長い手打ち蕎麦vs世界一息の長い男。 世紀の一戦として生中継されることになった。 蕎麦1本を一息で飲めばアスリートの勝ち。途中で噛み切ったり、音を上げたら蕎麦職人の勝ちとなる。千年続く名店の蕎麦が勝つか、300年のアスリート・キャリアが物を言うか。 今回の蕎麦は今までにない特製で、噂によると並の商店街の端から端よりも長いという。アスリートは日々努力を怠らず、民謡を歌って喉を鍛え、深海
2020年9月13日 23:28
犬の気持ちは人間にはよくわからない。何かを訴えかけているというのがわかる時はあるが、具体的に何を伝えたいのかはわからない。それでは何もわからないのと一緒だ。しかし、世の中にはごく希にではあるが、犬の言葉を完全に理解する人間もいる。「そうねえ。このわんちゃんはとても賢いわんちゃんだわ。飼い主さんに何か伝えたいことがあるみたいね。どれどれ、えー、そうなの。どうやら散歩に行こうと言っているみたいだ