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連載コラム『光と影』

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リーダーとしての器をひろげるために。”人間理解”をテーマにしたコラムをお届けします。
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#光と影

ピュア・エッジ 連載コラム『光と影』、はじめます。

ピュア・エッジ 連載コラム『光と影』、はじめます。

「こんなに頑張っているのに報われない」。そう感じているリーダーのあなたへ。

「理由のない孤独感と、いら立ち」

あなたがもし、組織のリーダー的なポジションにいるとするなら、こうした感情を少なからず感じたことがあるのではないでしょうか?

・一人で限界まで頑張っている気がする。
・主体的に動いてくれる部下が育たない。
・何度言っても相手に伝わっていない。変わってくれない。
・部下のためを思って行動

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対立はチャンス

対立はチャンス

今回から、光と影についての具体的な話に入っていきますね。

まず、わかりやすい事例で考えてみましょう。
ある会社での会議中のできごと。社として、ある事業へ投資するかどうかを議論しているとします。

部長A「いまここで投資をすべきだ」
部長B「いや、まだ早い」

意見は真っ向から対立。部長Aは投資するとこんなに良いことがある、今の機会を逃せば将来大きなチャンスロスを生むと主張し、部長Bは拙速な投資が

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リーダーが直面する「民主主義」と「全体主義」

リーダーが直面する「民主主義」と「全体主義」

「メンバーの主体性に任せて、活躍の場を提供したい。私が何も言わなくても、みんなでどんどん進めて、成果を出してほしい。それが素晴しい組織だ。」

そんな理想を抱きながらも、現実的には、

こうやれば上手くいくことが分かっている、だからその通りに動いてほしい。

と期待して、

…でも、それを口に出してしまうと部下の主体性が育たない。

だから、ぐっと我慢。
かといって、任せてみていると、仕事の進みが

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「明るい北朝鮮」と呼ばれて

「明るい北朝鮮」と呼ばれて

光と影の間でぎっこん、ばったんを繰り返していた私の、苦い経験をお話します。

私は幼いころから、いつの間にかリーダーになってしまうタイプでした。小学校ではクラスや学年の行事などで、学生時代は部活動などで、先生や仲間からの推薦をいただきました。全く知らない人達同士で何かを始めるときにも、その場でしばらく沈黙の探り合いがあった後、何となくみんなの視線が私に集まって、「じゃあ、私が……」となります。

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ウルトラマンの着ぐるみの中で

ウルトラマンの着ぐるみの中で

前回、私が「明るい北朝鮮」と呼ばれていたというお話をしました。
ただ、私も最初から「明るい北朝鮮」だったわけではありません。管理職になり、部下をマネジメントする責任を負うようになったことで、「明るく頼れる上司」を演じ続けなければならなくなったのです。

そこに至るまでには、痛みを伴うステップがありました。
外資系広告代理店の営業部門にいた私は、32歳でマネージャーに抜擢されました。平均より7,8年

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本当は逃げたかった…理想のリーダー(ウルトラマン)を演じた私が迎えた限界とは?!

本当は逃げたかった…理想のリーダー(ウルトラマン)を演じた私が迎えた限界とは?!

前回の記事では、自分が描いた理想のリーダー像を演じきるために、ウルトラマンの着ぐるみを装着したセルフイメージを作り上げたお話を書かせていただきました。

今回はその結果として、引き起こされた予想だにしなかった事柄に触れていきます。

ウルトラマンの「光」を演じ続ける一方で、着ぐるみの中の心身は気がつけば限界に…
ウルトラマンという光を演じ続けていた私の身体は、着ぐるみのなかで悲鳴を上げるようになっ

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ダイバーシティ時代。リーダーに不可欠な「光と影」への深い理解

ダイバーシティ時代。リーダーに不可欠な「光と影」への深い理解

これまで色々なエピソードとともにお話してきた「光と影」について、今回は、その概念を論理的にわかりやすくおさらいしていきます。ダイバーシティ環境のリーダーが、どうして自分の光と影を統合する必要があるのか、ご理解いただけると幸いです。

価値観が生み出す「光と影」人には個々人が大切にしている価値観(「こうあるべき」・「こうあってはならない」などの思い)がありますよね。「価値観」はあなたが自分を見たり、

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組織も自分も豊かに成功するために、リーダーが受け入れるべき「影」とは?

組織も自分も豊かに成功するために、リーダーが受け入れるべき「影」とは?

前回は「光と影」の概念を論理的に理解していただくために、敢えて抽象的な話をさせていただきました。今回は、具体的な体験談をご紹介しつつ、また一歩「光と影」の理解を促進していきたいと思います。

クライアントに影を押しつけていた私
コーチとしてクライアントのお話を聞いているとき、「ここがボトルネックだ」「これが、この人が見ようとしていない影の部分だな」というものがはっきり見えることがあります。

駆け

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あなたの言葉が部下に届かない。その本当の理由は?

あなたの言葉が部下に届かない。その本当の理由は?

光と影の構造。自分が光であり続けることで、周囲に影をつくっているというお話を、前回・前々回とさせていただきました。そして、その構造について、1人で気づくのはとても困難なので、コーチの支援が役にたつと。

一方で、コーチという職業について、クライアントと接しているときにも、自分の言葉が相手に届かない、受け止めていただけないという経験をすることがあります。コーチングセッションの中で起きていることにも、

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組織は、リーダーの在り方を映す鏡~リーダーが気づけば、組織も変わる

組織は、リーダーの在り方を映す鏡~リーダーが気づけば、組織も変わる

「光と影」という概念を軸に、リーダーの内面や在り方が部下にどう影響しているのか、これまでは一対一の関係性という文脈でお話してきました。しかし、リーダーの影響力は一対一ばかりでなく、一対多で広がっています。ここからは、組織リーダーが気づき、自ら変わることで、組織全体がどう変わっていくのかについて、具体例を挙げてお話ししていきますね。

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外資系企業で役員をしていたころ、私は人事

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社長・山崎さんの体験談(前編)「私が在り方を変えると、会社全体が大きく変化」

社長・山崎さんの体験談(前編)「私が在り方を変えると、会社全体が大きく変化」

「部下は、リーダー自身の在り方を映す鏡」。

そのことを痛みをもって深く理解されたクライアントの山崎さん(仮名)について、前回お話しいたしました。その山崎さんが、実際どのようにご自身を、そして組織を良い方向へと変えていったのか。ご本人にインタビューしてお聞きした内容を、今回から2回に分けて紹介させていただきます。

「それまで聞こえていなかった部下たちの声が、聞こえるようになった」

山崎さんのこ

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光と影を抱えたリーダーだからこそ、共に悩み、歩み続けることができる

光と影を抱えたリーダーだからこそ、共に悩み、歩み続けることができる

コーチングによってリーダーの気づきがどのように深まり、そのリーダーの変容によって組織メンバーがどのように成長していくのか。「組織は自分の鏡」のダイナミズムを体現された山崎社長(仮名)の事例を、前回まで紹介させていただきました。

「部下がパフォーマンスを上げられないのは、そういう環境を創っている自分の責任」と捉え、部下の悩み、苦しみを「傾聴と承認」によって受け止めようと努力し続けた山崎さん。その姿

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いま、そしてこれから。ファシリテーション型リーダーシップの時代へ

いま、そしてこれから。ファシリテーション型リーダーシップの時代へ

半年間にわたって連載してまいりました「光と影」。いかがでしたでしょうか?

最終回となる今日は、これまでの振り返りも含めて、「なぜいま、コーチングが必要とされているのか?」について、改めてお話したいと思います。

その理由は、大きく2つあります。

まずひとつ目として、不確実性の時代のなかで課題が複雑化していることが挙げられます。

「不確実性の時代」、そう言われ始めてかなり時間がたち、思いもよら

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