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超常現象に関する本のレビュー集

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超能力、UFO、幽霊などの心霊現象、未確認動物(UMA)、超古代文明、魔術など、オカルト的なことに関する本のレビューを集めてあります。
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2023年1月の記事一覧

異界談義 (知恵の森文庫 t つ 2-1)

異界談義 (知恵の森文庫 t つ 2-1)

異界談義 (知恵の森文庫 t つ 2-1)

 異界、つまり、この世とは違う世界について、さまざまな切り口からとらえた本です。
 死後の世界、妖怪、イタコ、風水、都市伝説などに興味がある方に、お勧めします。

 本書は、二〇〇一年に、国立歴史民俗博物館で開催された「異界万華鏡―あの世・妖怪・占い―」という展覧会に付随して作られました。
 この展覧会に際して、「異界万華鏡を語る」というフォーラ

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ソモフの妖怪物語 (ロシア名作ライブラリー)

ソモフの妖怪物語 (ロシア名作ライブラリー)

ソモフの妖怪物語 (ロシア名作ライブラリー)

 群像社の『ロシア名作ライブラリー』の一冊ですが、著者は、ウクライナ人です。
 ウクライナの民話を基にした、小説の短編集です。原版は、なんと十九世紀の前半に出ました。

 著者のオレスト・ミハイロヴィチ・ソモフは、ほとんど忘れられた作家でした。日本で彼の作品の翻訳が出たのは、これが初めてだそうです。

 本書は、十九世紀前半の、ロマン主義時代の雰

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とうほく妖怪図鑑(んだんだブックス)

とうほく妖怪図鑑(んだんだブックス)

 題名のとおり、東北地方の妖怪を集めて、解説した本です。

 日本の中でも、東北地方は、伝承の宝庫といわれます。
 そのわりに、東北地方に伝承される妖怪を集めた本は、ほとんどありませんでした。本書は、貴重な例外です。

 イラストや写真が多いのが、良いですね。何よりも、読みやすいです。
 挙げられているすべての妖怪について、伝承地の写真が付いています

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呪われたナターシャ―現代ロシアにおける呪術の民族誌

呪われたナターシャ―現代ロシアにおける呪術の民族誌

呪われたナターシャ―現代ロシアにおける呪術の民族誌

 副題にあるとおり、現代のロシアの呪術について、書かれた本です。

 呪術なんて、おどろおどろしいものが、現代のロシアで行なわれているのでしょうか?
 この本を読めば、その答えがわかります。

 とはいえ、その答えは、一口に「イエス」とか「ノー」とかいうものではありません。
 ある人にとっては、答えは「イエス」です。でも、別の人にとって

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ヘンな校則

ヘンな校則

ヘンな校則

 題名どおり、「変な校則」を集めた本です。とにかく笑えます。「本当に実在するの?」と疑いたくなる校則のオンパレードです。

 「よその学校のことを笑うのは、失礼だ」と感じる人にとっては、この本は、不快でしょう。
 しかし、私は、このくらい許されていいと思います。このくらいのことを許容しない社会は、息苦しすぎます。

 この本の中から、いくつかの校則を挙げてみますね。

・不要

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心霊写真―メディアとスピリチュアル

心霊写真―メディアとスピリチュアル

心霊写真―メディアとスピリチュアル

 心霊写真を、美術史の視点から、分析した本です。
 心霊写真の本は、世にあまたあります。が、本書の視点は、他に類を見ませんね。非常に斬新だと感じました。

 心霊写真という題名からして、書店では、サブカルチャーの棚に置かれることが多いです。
 けれども、本書を分類するならば、サブカルチャーではなく、「美術・美学」の棚に置くべきでしょう。

 本書には、

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日本怪談集妖怪篇〈上〉

日本怪談集妖怪篇〈上〉

日本怪談集妖怪篇〈上〉

 日本の妖怪が好きなら、本書を読み逃してはいけません。
 日本の妖怪について、コンパクトに、わかりやすく、解説した本です。

 原著は、昭和五十六年(一九八一年)に出たものです。
 それが、平成の世、二〇〇四年に、出版社を変えて、再版されました。

 原著の刊行当時は、「口裂け女」の流行が、記憶に新しい頃でした。
 しかし、本書では、そのような現代妖怪は、ほとん

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