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カメラ・写真の話

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カメラ、写真、インスタ、撮影、フィルムなどに関連した記事。
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千葉市美術館 「「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」 を見に行く

千葉市美術館 「「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」 を見に行く

ちょうど千葉にいる親戚宅に用事ができたので、千葉市美術館の企画展を見てきた。

自分が写真に興味を持ったきっかけは、1940年代に刊行されていた雑誌『FRONT』の誌面を見てからなので、ちょうどこの時期のモノクロ写真となると気になる。

1930年代から時系列で系譜をたどる1930年代の「前衛」写真、それも技巧より、日常の中から前衛的な構成物を見つけて撮るような写真の系譜が分かる。

気になった作

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小さな「〜をしたい」を積み重ねる/カメラの楽しみ方

小さな「〜をしたい」を積み重ねる/カメラの楽しみ方

何か1台、機材としてのカメラを持って行こうとすると準備がいくつかある。デジタルかフィルムか。コンパクトカメラか一眼レフカメラか。モノクロかカラーか。フィルムならどのフィルムを使おうか。

この迷いと選択を面倒だと思う人もいるかもしれない。でも私は毎回この要素の掛け算をしている時間が楽しい。なぜなら、何かを選んだときに必ず私の「〜したい」が含まれるし反映されるからだ。

今回は暗くてもしっかり写し「

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10年ぶりにプロフィール写真を変えた

10年ぶりにプロフィール写真を変えた

これまで使っていたモノクロのプロフィール写真は、まだフリーになって間もない2011年に徳島のフォトスタジオで撮影していただいた1枚だった。とても気に入っていたので10年そのまま使わせてもらった。

確か「ビジネスというより著者近影みたいな写真にしてください」とお願いして撮ってもらい、後年本当に著者近影として使わせていただいた。良い写真をありがとうございました。

さすがに年を経て印象もずいぶん変わ

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なんで写真を撮るんだろう

なんで写真を撮るんだろう

最近、カメラを持ち出して歩くことが増えた。スマホもあるので別にカメラまで持ち出さなくてもいいはずだ。でもカメラで撮りたいと思う。デジタルカメラ、フィルムカメラ、気分に合わせて選んでいる自分がいる。

なぜ私はカメラで写真を撮りたいと思うのだろう。

目とは違う景色を切り取ることができる単なる記録ならスマホでも性能十分。パッと取り出せて難しい設定をしなくてもきれいに残せる。いやいや、それだけじゃない

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今、カメラに何のフィルムが入ってる? カメラとフィルムの管理はNotionを使うと便利【テンプレートあり】

今、カメラに何のフィルムが入ってる? カメラとフィルムの管理はNotionを使うと便利【テンプレートあり】

昔からの家族カメラだったオリンパス PEN-FTをはじめ、家にはいくつかフィルムカメラがある。せっかくなのでちゃんとフィルムを入れて撮って現像に出して楽しむようになった。

そうすると困るのが、カメラとフィルムの組み合わせ管理。

・今このカメラに何のフィルムが入ってる?
・何枚撮りだっけ?
・ISO忘れた! 露出どうするの
・そもそもカラーを入れたのかモノクロを入れたのか

「1台のカメラに1本

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写真展『街と人と / four identities』を見に行く/雨だから行けたかもしれない

写真展『街と人と / four identities』を見に行く/雨だから行けたかもしれない

先週金曜に、新宿四谷のトーテムポールフォトギャラリーで開催されていた写真展へ行ってきた。

4人の写真家さんによる「街と人と」シリーズの第4弾。800枚以上のプリントが空間を埋め尽くす迫力の展示。レギュラーの4名のほかゲスト作品もいくつか展示されていて、実はその中でdaikonflexさんも出展されると聞いてこの写真展に興味を持った。

daikonさんの写真はtwitterで知った。いつもは京都

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OLYMPUS TRIP35のレンズに驚いた【作例】

OLYMPUS TRIP35のレンズに驚いた【作例】

うちは昔から、父親が結婚前に奮発して買った OLYMPUS PEN-FT が家族カメラとして君臨していた。ハーフサイズながら一眼レフ、露出計を内蔵しているので撮り損ないが少ない。今も私が勝手に「借りて」使っている。

先日、実家で「このカメラまだ普通に使っているよ」と見せたところ、父は何食わぬ顔で「ほかにもこんなカメラがあるよ」と棚からジャンジャカいろんなカメラを取り出してきた。

OLYMPUS

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「カメラ」を持って外に出る

「カメラ」を持って外に出る

今のスマホに搭載されるカメラは、ひと昔前のちょっとしたコンパクトデジカメの性能を大きく超えている。実際、出かけたときに気になる景色を撮ったり食事を記録したり、誰かと写ったりするぶんには全く不足がない。

それでもやっぱり「カメラ」は持っていくと楽しい。

違うアンテナが立つこの「カメラ」は、単体で撮る機能を持っている機械であれば何でもいい。がっつり一眼レフでも手軽な写ルンですでも、デジタルでもフィ

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【ASMR】Rollei35 シャッター&巻き上げ音 1/2s〜1/500s

ローライ35・1/2s〜1/500sのシャッター音を自分用に録っておきたくて作った動画です。個人的には1/125が一番好きかも。

最近の5冊:つい開きたくなる写真集

最近の5冊:つい開きたくなる写真集

家には「読み物」としての本と「眺め物」としての本がある。写真集は代表的な後者だ。その中でも好きな5冊を挙げてみようと思う。

コロナ・ブックス『植田正治の世界』(平凡社)手頃な価格でアート・ビジュアル系の作品を楽しめるシリーズの1冊。植田正治は1913年生まれ、2000年に亡くなった写真家。1930年代から報道写真でもポートレートでもない「構図を演出した芸術的な写真」を撮影して「植田調」といわれる

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HOLGA DIGITALとG9X MARKⅡを使い比べての感想

HOLGA DIGITALとG9X MARKⅡを使い比べての感想

この2つは性質もコンセプトも対象も全く違うカメラ。HOLGA DIGITALはいわゆるトイカメラで、細かい設定をせずにどんどん写せるのが魅力。Canonが出しているコンパクトデジカメ G9X MARKⅡ は超小型のボディの中にいろんな機能を詰め込んだ機種。

で、それぞれが面白くて、それぞれがいいなと思った。

撮影までの「早さ」は似ている先日書いたこちらの記事のように、HOLGA DIGITAL

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「いいこと探し」にはカメラが効く

「いいこと探し」にはカメラが効く

もともとが減点主義なので、同じ物事を見てもつい足りないところや不満点ばかり目が行ってしまう。twitterでも気がつくと愚痴がずらずら並んでいる。ネガティブな気持ちで時間を埋めるのは非常に勿体ないので、ネガティブではないことで埋めようと思った。

たぶん、それはポジティブな何かで上書きするしかない。ネガティブはいけないぞ、と言い聞かせている間はネガティブに囚われている。それを避けるには別のポジティ

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