10年ぶりにプロフィール写真を変えた
これまで使っていたモノクロのプロフィール写真は、まだフリーになって間もない2011年に徳島のフォトスタジオで撮影していただいた1枚だった。とても気に入っていたので10年そのまま使わせてもらった。
確か「ビジネスというより著者近影みたいな写真にしてください」とお願いして撮ってもらい、後年本当に著者近影として使わせていただいた。良い写真をありがとうございました。
さすがに年を経て印象もずいぶん変わってきたので、そろそろ写真を変えなければなあと思って幾年月。やっとその機会を得て撮っていただいた。
自分の見た目を気にしなすぎ
9月下旬、以前受講していた「上阪徹のブックライター塾」の2期卒塾生として、塾の公式サイトにインタビューと写真を載せてもらえることになった。いつもは聞く側だけれど今回は聞かれる側。オンラインで取材を受け、写真は別日で撮っていただくことに。
撮られること自体も数年に1回のレアケースなので、当日はどう装ったり振る舞ったりすればいいのか分からない。今回は本当にご厚意で撮ってもらって、たぶん表現力のあるモデルさんのような人だったら撮る人も苦労しないよなあ、申し訳ないなあ、と思いながら撮影が終わった。
そういえば最近は「見られる自分」を意識しなすぎじゃないか。
仕事にまったく関わらない要素とはいえ、やっぱり会う人や画面上で会話する人は私の外見を見ている。プロフィール写真はとても気に入っているけれど、さすがに10年違うとなるとそろそろ変え時だろう。
FBでは時折「プロフィール写真を撮りました」とサービスやカメラマンさんを紹介する投稿が出る。それらをちまちまクリックしつつ、他でもアンテナを張って、どこにどう頼むか考える。
少し引っかかるのは、バリバリのビジネスユースのプロフィール写真を自分が求めていない点だった。おそらく専門のところでお願いすれば多少の演出も含めてきれいに撮ってくれるけれど。
いやあ、今回はそういうのではないなあ。
そもそも撮られたくなったのは「自分の今の様子が客観的にどう見えているのか」を知りたいと思ったから。撮った写真があまりにも現状に正直すぎて自分では「プロフィール写真にするにはちょっとな」と思ったとしても、それはそれでいい。仕方ない、それが今の自分だとしたら他の人からもそう見えているのだから。
「撮られるぞ」と思って撮られたら一体どうなるのだろう。お金と時間をかけるのは、プロに頼む以上は大前提。結果はもう撮影する人の感性に任せる。そう思ったとき、たまたま読んだのがnoteの記事だった。
きっかけはnoteから
たぶん自分もnoteでカメラや写真についての記事をアップしていたので、その関連で「おすすめ」になったのだと思う。読んだのはフォロー外からのこちらの記事だった。
ああ、このカメラマンさんは「こう撮りたいんです」というのがなくても自分流に撮ってくれる人なんだな。そのときは記事を読んで「こういう考え方もあるんだなあ」と思って通り過ぎた。
数日経ってまだ撮影サービスを探しているとき、このnoteを思い出してもう一度読みに行った。他の投稿も読んでみる。
サトウさんは「人に興味がない」という。でも人を撮る仕事をしている。
私もどこか感覚が似ている。インタビューをするし、人と会うし、話を聞く仕事をしているけれど、それはたぶん元々苦手な分野に「えいやー!」と気合いを入れて取り組んだ先で、偶然たどり着いたという気がしている。
勝手に「この人は似ている人だ」と考えて、サイトを見に行き、料金とポリシーを確かめた。そこからまた数日ウンウン考えて「どのみち撮るんだから頼むならサトウさんだろう」と申し込んだ。たぶん「人」を見られるし、「人」を見てくれる、気がする。
パッと会ってパッと撮るまでの準備
撮影日までは1週間以上あり、サトウさんとは会う前に何回かメールでやり取りをした。振込案内のほか、今の自分の様子が分かる自撮りか何かが必要ということで、せっかくなら動いているほうがいいと思ってYouTubeチャンネルをお伝えする。
それ以外でも私のnoteやいろんなアウトプットを見てくださって、撮影の2日前に「丘村さんはこんな方だと思うので、こんなふうに撮りたいのですがどうでしょう」という提案メールをいただく。
個人的には歯を見せるほどの笑顔は苦手なので、サトウさんの撮影案をそのままお願いする。というか、それくらいお任せしたかったのでかえって安心した。
前日、撮影の手がかりとして着ていく服を写真に撮って送付する。どんな服がいいのか自分では分からなくなって、旦那さんを巻き込んだ一大ファッションショーを行って選りすぐりの上下を決める。
当日、待ち合わせ場所で「はじめまして」と挨拶して、撮影場所へ向かう。9月下旬に撮ってもらったときに撮られやすいと感じた桜木町駅〜みなとみらい地区で、今回もお願いすることにした。
サトウさんは気さくにお話ししてくれて、場所に向かうまで撮影裏話をいろいろ教えてもらう(ウェディング撮影はマシンガン並みに連写機能を使いますとか、持っている機材のこととか)。
あのnoteから依頼する人がいるのは驚いた、とも言われる。でも自分のニーズにはぴったりハマる文章だった。投稿が10日早かったり10日遅かったりしたら出合わなかったかもと思うと、これもテクノロジーによるご縁なのだなと感じる。
サトウさんの言葉の端々から「約束の時間前にすでにこの辺を歩いて、光の当たり方や背景をチェック済み」だと分かる。そうかあ、光が大切だものなあ。
全部お任せで撮ってもらう
写真が苦手でもこちらが指示するので大丈夫です、という事前のお話の通り、本当に何もかもお任せして撮ってもらった。
立つ位置を決めるときは、顔の上にどのくらい光を当ててどの角度で光らせるかを考えているのだと分かる。かなり厳密に見ていて、これがプロの光の作り方なんだなあと思う。目線も「あの黄色い花を見ていてください」とか「あの○○という看板を見てください」と明確なので全然迷わない。
カメラマンだからビジュアルの人だけれど、サトウさんは言葉の人だとも思う。これまでいろんな現場でいろんなタイプの人を撮影してきた経験から、その人に一番届きやすい言葉を選んでいるんじゃないだろうか。瞬発力がすごい。
面白いなあと思ったのは「笑ってください」とは言わずに「口をこういう形にして息を吸ってみてください」と指示されたことだった。なるほどなあ、これなら変な意識しなくていいや。
アゴや手の置き方など、細かいのだけれど「良い感じにするために必要なんだろう」とすでに納得している。言われたままに動くのがベストだと思ってやってみた。
撮影は1時間弱。秋の午後は日差しが傾くのが早く、どんどん空気の色が変わっていく。ああ、でも秋でよかったかも。夏だと日なたは死にそうになる。冬だと厚着すぎて大変だったかもしれない。
撮影データが届いて、プロフィール写真を変える
数日後、メールから連絡が来て撮影データを送っていただく。現場で聞いたときは200回くらいシャッターを切ったという。そのうち72枚が届いた。
今までの自分の写真ではあまり見かけない、光を味方にしたようなショットがたくさんあって新鮮だった。苦手だった真正面顔もきれいにまとめてもらっている。全体的に安心した表情をしているのはサトウさんが安心できる人だったからだと思う。
写真を見て「こういうことだったのかー!」と答え合わせをするのも楽しい。ああ、この影が欲しいから私はこっちへ動いたのだなとか、あのとき作った表情は画像になるとこうなるのか、とか。
写真を撮るときの覚悟と計算が、自分の数十倍違う。プロなのだから比べたら失礼なのだけど、でもやっぱり場数と技術のある人は見るポイントが全然違う。趣味で撮る自分でも参考になる。
せっかくだからと真正面顔から1枚選んで、モノクロだったtwitterとFacebookのプロフィール写真を変えた。
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昔、初めて自分の顔をプロフィール写真に設定したとき「バカなことは書けないな」と思った。汚い言葉も使えない。この顔の横に置いた言葉が自分の印象を作ると思うと、下手なことは書けない。
逆も然りで、いつも上機嫌な自分の写真が目に入るとそれに合う自分でいようと無意識に考える。1日に何度も見る写真なので効果は高い。今回も今の自分のベストショットを選べたので、あと何年かは上機嫌でいられそう。
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サトウヒロコさんのサイトはこちら。今回どうもありがとうございました!
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