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ビニール袋の中の世界
自分は今、平坦な地獄にいる。
自分は少し前まで、この世はロアナプラよりも地獄だと思っていた。目処の立たない人生の無意味さに腹を立て、幸福と辛酸の総量を勘案して、改善の兆しが無ければ数年のうちに事業終息しようと思っていた。当時の自分は会社の隣の建屋で死んだ先輩と己の間にはほんの薄膜しかないと感じていたし、たとえば玄関で躓いたとか、ワイヤレスマウスの電池が切れたとか、お気に入りの0.3ミリのボー
優しい君は幸せになれない
合コンにくり出した同期の同僚たちがひどく気落ちした様子で帰ってきた。
「相手は保育士のお姉さんたちだったが、全然優しくなかったし話もあまり盛り上がらなかった」とのことだった。
悲劇だ。私は頭を抱えた。
もし彼女たちに「保育士」という職業から連想される包容力・優しさを求めるのであれば、同僚たちがするべきだったのは西宮の飲み屋街で杯を呷りセクハラまがいの言動を繰り出すことではなく、園児スモッ
「さもありなん」って使いたい
「さもありなん」って使いたい。日常会話で使いたい。
だって「さもありなん」って可愛すぎない?
まず「さも」が可愛い。「さもさも」とか書いてあったらなんかのオノマトペかと思う。多分めっちゃ可愛い場面の擬音語か擬態語。ウサギが干し草を食べる音とかそんな感じ。
次に「あり」が可愛い。ごめん、そこまで可愛くないかもしれない。でも可愛くなくはない。モハメドアリも伝説だし。うん。
でもやっぱり「
存在しないイデオロギー
誰しも一度は『イデオロギー』という言葉にを聞いたことがあると思う。小学館デジタル大辞泉いわく、
イデオロギー(〈ドイツ〉Ideologie)
1 政治・道徳・宗教・哲学・芸術などにおける、歴史的、社会的立場に制約された考え方。観念形態。
2 一般に、思想傾向。特に、政治・社会思想。
だそうだ。
つまるところ、何らかの中核に対して一方向を向いた思考の傾向と言える。
例えば国粋主義という