北海道の広大な大地で一時停止違反を取られた話
注意書き
道交法に違反し自業自得で然るべき罰を食らっただけであり、北海道警さんも正しく職務を全うしたに過ぎないと認識しております。
本noteに異議申し立ての意図はなく、もちろん罰金も遅滞なく支払い済みです。
単なる笑い話ですので「バカでやんのw」で済ませて下さい。
上記が理解できない場合、以降の文章はすべてフィクションです。
北海道の広大な大地で捕まりました
北海道警さんに一時停止違反行為の取り締まりを受けました。(2点、7000円)
いざ北海道へ
仕事がマジで”無理”になってしまった僕は、大学のゼミの先輩に誘われるがまま道東旅行に行くことを決意しました。
お盆休みの前週に2日連続の有給休暇を申請し、職場でデカい声を出して上司を威嚇し辛うじて取得に成功。錬成した4連休でLCCに飛び乗りました。
結果、4日間で900kmほどドライブする旅程となりましたが、単身で東京~大阪間500km一般道チャレンジを3回経験(うち1回はMT車)した距離ガバの僕です。そんなものは苦になりません。
また北海道はなまらキモチイイ道ばかり、幸運なことに天気にも恵まれ、最高な旅行になりました。だた1点、道警に捕まったことを除けば。
事の顛末
その日は阿寒湖から知床まで移動する旅路でした。
途中で有名なスポットを拾いつつ移動したので距離はかなり長くなりましたが、道はいわゆる“ザ・北海道!”という感じの、小学生が定規だけで書いたような、前後見渡す限りの一本道ばかり。まあ気持ち良かったです。
そのような道にごくまれに登場する交差点には、信号なんてものは存在しません。当たり前です。数百mから下手したら数kmに1台しか車が居ないなんて状況がザラなんですから。
となれば、交差点には”止まれ”の一時停止表示が存在するわけですが、これも実に形骸化したものです。(ここ犯罪者の言い分)
なんと言ったって道を左右数百mは見渡せるのです。無論、見通しの良い交差点でもコリジョンコース現象等には注意が必要です。
しかしここに限っては周囲数百mを車が走っていないことが一目でわかるのです。
幼少期より遵法精神の塊と名高い僕も、だんだんと”止まれ”で完全停止の意識が甘くなり始めました。
違反の瞬間
とある丁字路に差し掛かりました。そこが彼奴らの狩場だったわけです。
僕は速度を落とし、左右を確認しました。その丁字路は合流される側(僕がこれから走る道)も見通しが良く、周囲数百mを車が走っていないことが一目瞭然でした。
僕は速度を徐行程度(時速10km弱)まで落として丁字路を曲がりました。
(そもそも片側一車線道路から片側一車線道路へ直交するのでバカみたいな速度で入るわけがないのです)
これがすべての終わりでした。
捕・獲
2分後、捕まりました。ものの見事に拿捕されました。
気が付いた時には白と黒のあいつが赤色灯を点けて真後ろにぴったりくっ付いていました。
正直この時はパトカーが唐突に出現したとしか思えませんでしたが、その晩Googleマップで調べたところ、一時停止から200mほど離れた所にあるトウモロコシ畑の間に農道があったようです。そこで罠を張っていたのだと思います。
典型的なネズミ捕りです。
つまり彼奴ら道警は、収穫寸前のすくすく伸びたトウモロコシの間から双眼鏡を覗き込んで、マヌケな旅行者が違反するのを今か今かと待っていたのでしょう。やり方が汚いんじゃ!!!(ここ犯罪者の言い分)
話を戻しましょう。
僕の真後ろに着いたパトカーはサイレンを鳴らしたりスピーカーで声を掛けるでもなく、静かにハザードを焚き始めました。
僕は困惑しながら車を止めました。というのも僕は現在ちょっとだけ治安の悪い関西の某地域に住んでおり、そこでパトカーとは意気揚々と赤色灯サイレンスピーカーを駆使しつつ、深夜の住宅街を時速80kmで爆走するものなのです(軽微な通報でもその速度でやってくる)。
それに比べこの道警パトカーの慎ましさは何でしょうか。いくら爆音を立てても迷惑にならないこの状況で、ハザードで停止を促すとは!!紛らわしいので普通に止めてほしいです。(警察憎けりゃパトカーまで憎い)
僕は慄きながら求めに応じて窓を開けました。
正直、スピード違反で捕まったと思いました。というのもこの時、速度制限をほんのちょっぴりオーバーして巡航していた気がしていたからです。
(速度超過行為を告白するものではありません。制限速度で巡航していたかもしれない)
とは言っても慣れないレンタカー、知らない道である点、野生動物等の飛び出しのリスクも考え(そして制限速度+15km未満で取り締まられるケースは殆ど無いという統計結果から←ここ知能犯)、控えめ速度で走っていた筈です。
一方で周囲の車は80~100km巡航しておりバンバン追い抜かれていました。これで僕だけスピード違反取られたら流石に納得がいきません。
僕は思わず「いや、そんなに超えてなかったと思いますけど!!!」と声を上げたかったのですが、ただの自白になるので口をつぐんでいると、若い警官は
「一時停止があったの気が付きましたか?」 と言いました。
僕 「……はい」
警官「じゃあ何で止まらないんですか笑」
喉まで出かかった「なんでそんなことするんですか??」という言葉を無理くり飲み込みました。(ここ犯罪者)
捕まえた後に煽り口調で譴責するの、警察法とかで禁止して欲しい(ここも犯罪者)
その後、マッポ警官さんが書類作成でパトカーに戻っている間、僕は隣の先輩に
「こんなのは不当です。道交法を守らなかっただけで僕は悪くない」
「ここで政治的なヤジ飛ばしたら不当排除ってことになりませんかね」「道警を排除して美しい北海道を取り戻さねば」
などと訳の分からないことを喚き散らかしましたが「諦めろ」と一蹴されました。はい……。
その後
ガチ凹みしながらも、善良な市民として旅行を続けました。
オレンジ色の回転灯を乗せた農協の軽トラにビビって急ブレーキを踏んだり、警察署を見かけるたびに奇声を上げたりもしましたが、おおむね優良ドライバーだったと思います。
そして予定通り知床に到着、天気が良いうちに五湖ウォークを消化すべく必須の事前レクチャーを受けたのですが内容に若干衝撃を受けました。
その内容は大半がヒグマに関してで、
『ヒグマと戦っても人間が100%負けます』というパワーワードから始まり、
「ヒグマと鉢合わせしない方法」「ヒグマを刺激しない撤退方法」をかなり詳細に教え込まれました。
しかし実際にヒグマがアタックしてきた際の対処については
『この体勢を取ると致命傷を避けられることがあります』
と簡単に紹介されたのみでした。たぶんほぼ打つ手なしなんだと思います。
そして最後に『数時間前に地図のこの辺りで目撃情報があったから気を付けてくださいね』との爆弾発言を残しレクチャーが終了、約3kmのウォークが始まったわけですが、僕は直前に『ジュラシック・ワールド3』を見ていたこともありガチでビビり散らかしていました。
僕は熊鈴代わりになるべくデカい声で喋りながら、
「人類はちょっと文明を身に着けはしたが、自然界での動物としては恐竜の足元を逃げ隠れしていたネズミの頃からそう変わっていないんだな」
と思い至ったのでした。
とどのつまり、何が言いたいのかと言うと
今回の旅で、我々にはどうしたって勝てない相手が存在し、眼をつけられないように立ち回るしかないのだなという、
当たり前だが普段は忘れがちなことを、しみじみと再認識させられました。
はい。もうお分かりですね。
その相手とはヒグマとパトカーです。
だって、しょうがありません。私たちはネズミなんですから。
捕食者とネズミ捕りには、どうしたって勝てないんです。
ちゃんちゃん
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