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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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2023年9月の記事一覧

この世を生き切る醍醐味 (樹木 希林)

この世を生き切る醍醐味 (樹木 希林)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 樹木希林さんにまつわる本は数多く出版されています。図書館での予約も大変な待ち行列です。

 まずその1冊目として手に取った本書ですが、内容は、樹木希林さんと娘の内田也哉子さんへのインタビューを書き起こしたものです。

 樹木さん、確かにとてもユニークですが、本当に魅力的な方ですね

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未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (河合 雅司)

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (河合 雅司)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 “少子化”“高齢化” に向かう日本の未来の姿と課題を「年表」形式で解説したパートがメインで、後半は、著者が考える「諸課題解決の対策」を列挙しています。

 参考になるのは主として前半の「年表」部分ですね。
 「事実」→「推論」→「評価」と考え方の構成としては分かりやすく工夫されて

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遠野物語 (柳田 国男)

遠野物語 (柳田 国男)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 この本も文庫本すら広げられない通勤電車用の電子書籍です。

 民俗学にもちょっとだけ関心があったのですが、その割には「今頃読んでるの?」と言われますね。

 文語体+方言で書かれているので、すべて読み取れたとは言えませんが、確かに興味は尽きない本だと思います。

 これだけ豊かな

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坂の上の坂 (藤原 和博)

坂の上の坂 (藤原 和博)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 “定年を前に準備しておきたいこと”、ここ数ヶ月、意識してこういったテーマの本をいくつか手にとっています。
 ただ、それは正直なところ、「先達の書物からアドバイスを得たい」と“真面目”に思ってというのではなく、「いわゆる“功成り名遂げた”方々は、どんなアドバイスをするのだろう」とい

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リターンマッチ (後藤 正治)

リターンマッチ (後藤 正治)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 先に柳田邦男さんの本を読んだ際、激賞されていたので手に取ってみました。後藤さんの著作はちょっと前にも「スカウト」という作品を読んだところでした。

 さて、本書、舞台が「定時制高校のボクシング部」ということなので、材料となるエピソードには事欠かないことは想像に難くないのですが、後

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ガンジス河でバタフライ (たかの てるこ)

ガンジス河でバタフライ (たかの てるこ)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 通勤途上、podcastのバックナンバーを聞いているのですが、その中の番組のひとつでたかのてるこさんが出演され、ご自身の“旅の話”をされていたのがとても面白く、その印象がきっかけで彼女の旅のエッセイの第一作目の本書を読んでみたというわけです。

 旅は「三現主義(“現場”“現物”

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風立ちぬ (堀 辰雄)

風立ちぬ (堀 辰雄)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 たまたま通勤電車の中で読める文庫本サイズの本が途切れたので、以前ダウンロードしておいた電子書籍から取り出して読んでみました。

 こういったテイストの作品を読むのも久しぶりです。はるか昔、学生時代には、川端康成とか石坂洋次郎とかを読んだころもありましたが・・・。

 穏やかな物語

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短篇小説講義 増補版 (筒井 康隆)

短篇小説講義 増補版 (筒井 康隆)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 私が中学生のころ、最初に手にした「短編小説」といえば「星新一」さんか「筒井康隆」さんの文庫本でした。ともかく、その “発想の奇抜さ” に驚いたものでした。
 その後しばらくして、お二人の作品はほとんど手に取らなくなってしまいましたが・・・。

 この本は、図書館の新着本のコーナー

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ショーケン 最終章 (萩原 健一)

ショーケン 最終章 (萩原 健一)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 いつも行っている図書館の新着書の棚で目についたので、手にとってみました。

 ご本人へのインタビューを元に編集された“自伝”です。

 こういった「本人の手による自伝」を読む場合には、紹介されている内容についてはちょっと抑えめに受け止めるといった「読み手側の調整」を要することが多

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佐賀のがばいばあちゃん (島田 洋七)

佐賀のがばいばあちゃん (島田 洋七)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 Podcastの番組のバックナンバーを辿っていた際、島田洋七さんがゲストで登場している回があって、この本に書かれているいくつかのエピソードを紹介していました。

 その話がとても面白かったので、今頃ではありますが読んでみました。
 ともかく、圧倒的な存在感をもったとても魅力的なお

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人間の本性 (丹羽 宇一郎)

人間の本性 (丹羽 宇一郎)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 丹羽宇一郎さんの著作は、ちょっと前に「仕事と心の流儀」という本を読んでみて「ちょっと合わないな」と感じたのですが、それにも懲りず、またもう一冊手にとってみました。

 が、やはり駄目でしたね。
 もちろんご自身の長く多彩なビジネスマン経験に基づく有益なアドバイスも多々記されていま

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東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください! (西成 活裕)

東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください! (西成 活裕)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 私も文系ですが、高校では数学・化学・生物は大好きでした。ただ、数学は当時の言い方で「数ⅡB」までですが・・・。

 さて、本書の著者は西成活裕さん。以前、彼の代表的な著作である「渋滞学」は読んだことがあって、素人に対して分かりやすい説明ができるユニークな方だなとの印象を抱きました

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 帰郷 (浅田 次郎)

帰郷 (浅田 次郎)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 浅田次郎さん原作の映画は、「鉄道員」「壬生義士伝」等々いくつか見たことはあるのですが、ひょっとすると小説を読むのは初めてかもしれません。
 そもそも最近は、「小説」を手に取ること自体が減ってしまいました。

 この本は、たまたま本屋さんの文庫本の平積コーナーで目に止まったものです

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「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない (中川 翔子)

「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない (中川 翔子)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 図書館の新着本のタイトルを眺めていて、ちょっと気になったので読んでみました。

 中川翔子さん自身の実体験を踏まえたもので「本気」の本だと思います。

 苦しみ抜いた末に最後に頼りにした大人が、「見て見ぬふり」にとどまらず「見て知っても敢えて曲解する」現実。被害者にされた人には「

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