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【エンタメマーケティング】ヒット作品のストーリーの共通点とは何か?

実は、ヒットするコンテンツのストーリーには法則がある。ベネッセの進研ゼミのDM開封率が圧倒的に高かった理由は、かの有名な漫画のストーリーの存在にあったのだった。
人間が無意識的に好むストーリーとは?
進研ゼミのマーケティングを例に挙げ、解説していく。


突然ですが、ベネッセの進研ゼミのダイレクトメールの漫画を覚えているでしょうか?

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(これです)

毎回同じパターンの話なのに、なぜか読んでしまう。。。
そんな経験をしたことはなかっただろうか?

その理由は進研ゼミの漫画の骨組みが

ヒーローズジャーニーの法則

に則って作られていたからだった。

ちなみにドラゴンボールやワンピース、スターウォーズなど大ヒット作品もこの法則に基づいて制作されており、人気のあるアニメ、映画、漫画の構成のほとんどコレが使われているといっても過言ではない。

つまり、人間が好むストーリーはすでにパターン化してしまっているのだ。

では一体、その法則とはどんなものなのだろうか?

ヒーローズジャーニーの法則とは

ヒーローズジャーニーとは、人々の心を魅了し納得させるために
物語の下敷きに神話のストーリー性を盛り込む、という手法だ。
ヒットするストーリーにはがあって、人間が好むストーリーには法則が存在する。
以下が、物語のヒットを創出するフレームワークである。

①天命
 人との出会いなどをきっかけに、旅のミッションを見つける。
②旅の始まり
 新しい世界への一歩へ。
③境界線
 最初の試練に遭遇。
④メンター
 サポーターに出会い、学びながら成長する。
⑤悪魔
 最大の敵、ライバルなど試練に遭遇
⑥変容
 ⑤の敵に打ち勝ち、成長した主人公は英雄へと変容。
⑦課題完了 
 旅の振り返り(学び・体験)を通して、物語の中で最も伝えたいメッセージを発信。
⑧帰郷
 旅を終えて元の世界へ戻る。

この法則は、マーケターやコピーライター、映画やアニメなどのコンテンツを生み出す人間にとっては必須事項になっているんだとか。

では、ここで本題。ベネッセが用いたマーケティングを解説していく。

圧倒的に開封率を高めるDMマーケティングとは

教育系事業のダイレクトメールにはじめて漫画を使用した進研ゼミ。
ベネッセが全国の小中高を対象に学習教材「進研ゼミ」の入会案内として使用している漫画が、DM開封率を圧倒的に高め、会員数の増大につなげた。
(ちなみに、同じ学年でも、男子用・女子用、47都道府県別の受験情報など何十種類もの内容を用意していたらしい。)

教育費の支払いは当然親であるから、広告ターゲットは親なのか、、?という考えも一瞬よぎったのだが、進研ゼミは子供に向けてダイレクトメールを送っていた。
そして、ターゲットである子供から圧倒的支持を得た理由が、漫画のストーリーだったのだ。

進研ゼミの漫画を解剖してみる

読者を魅了した進研ゼミ漫画の構造ポイントを3つにまとめると以下のようになる。

① 主人公はやる気はあるのに勉強ができずに悩んでいる子である
→この主人公は自分みたいだ….と共感、錯覚させる。「勉強や部活でいい成績とって人気者になれたらいいなあ」という読者の潜在的な【夢】に気づかせる 。(天命、旅の始まり、境界線)

② 主人公が進研ゼミを初めて勉強もスポーツも恋愛もうまくいっている
→進研ゼミを始めてから学校生活がすべて進研ゼミで変わったかのように表現。(メンター、悪魔、変容、課題完了、帰郷)
100点を取ったあとに訪れるベネフィットを夢いっぱいに見せ、読者にわくわくさせる。 

③ 主人公が自ら親に進研ゼミやりたい!とお願いしている
→進研ゼミの漫画は必ず「子供が親に進研ゼミを頼む」という物語の展開を設定。進研ゼミの漫画が子供の潜在意識に植え付けていることは、進研ゼミをやりたいなら読者が自分で親に頼まないといけないという強い使命感なのである。

この3つの要素が、ヒーローズジャーニーを基に作られたストーリーを読んだ子供たちが知らず知らずのうちに、進研ゼミに入会したくなるカラクリだった。
もはや洗脳の域なのではないか・・・(笑)

子供たちは皆、こうして無自覚にベネッセの販売促進に乗せられていた。
また、広告として直接親にアプローチするのではなく子供から親に言わせる、というターゲティングの的確さ。
基本的に子供から 「勉強したい!」と言われて断る親はほとんどいないだろう。それをうまく利用した進研ゼミの漫画マーケティングは、見事に大成功したのだった。

このような人を魅了するストーリーの法則を知ることは、コンテンツを制作する際だけではなく、会話やプレゼンの中でも多いに活躍する。
話が面白い人は、内容だけではなく話し方の順序もうまいのだ。
ストーリー性を意識して話すことは、相手を惹きつける武器になるだろう。
余力があれば磨きたいものですね(笑)

あとがき

個人的にこのマーケティング、めちゃくちゃ面白くて好きなんですよね(笑)
実はこれ、一年前くらいに書いたレポートを引用したんですが、今でも覚えてるくらい気に入っております。
自身が子供のころ、進研ゼミの思うツボの一人でした完全に。まあ今でも、私の好きな映画とかって結局こういうストーリーなので、きっと感性が大衆的なんでしょうね~(笑)

マーケティングの話がなんで好きかって、人の心理を逆算して売るっていうのが面白いと思うからです。
マーケターっていわば人心掌握してますよね、まじで、すごい。
なので成功したマーケティングのケーススタディの背景とか聞くと、そういう心理を逆手に取っているのか・・と感動しています。

私自身そもそもアイディア性に富んでる人間でないので、どうやったら斬新なアイディア生み出せるんだろうなーっと思い悩んでいた時期もありまして、、
そんな時に、柔軟なクリエイティブ性を追い求めて(笑)
色々と本を読んでいた中で出会った一文に、

新しいアイディアのほとんどは組み合わせだ

っていうのがあったんです。それ以来、アイディアの概念がすごく変わりました。

言っちゃえばパクりの組み合わせでもいいわけです。

今まで、新しいことって1から考えなきゃいけないモノだと思っていましたから。。なので、色々な情報のストックがある人間になることができれば、アイディアは生み出しやすくなるんだろうなと思います。

まあ今はクリエイティブな人間になりたいわけではないのですが(笑)
知識が豊富な人には単純に憧れるので、私の人生の永遠の課題ですね‥

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