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OLの気ままな思考回路あれこれ。

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記事一覧

2024年8月20日の日記

思いついたことは大抵日記に書くまえに消えてしまう。 吉本ばなな先生のnote「どくだみちゃんとふしばな」は定期的に文庫化されている。人の日記を読むのは面白い。まして…

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2週間前
37

キティちゃんになる

3歳の頃の将来の夢は、お花屋さんだった。まあ結構、ポピュラーだよね。 幼稚園のお誕生日会。 お誕生月のリナちゃんと私。 大人になったら何になりたい? リナちゃんは…

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2か月前
3

あたらしい概念をとりいれてしなやかに生きる・分人

久しぶりに越後妻有へ。 その前に駅で「私とは何か 個人から分人へ」(平野啓一郎)を購入。 ざっくりと解釈。 個人という概念こそが私たちを苦しめている。個人すなわ…

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3か月前
11

筆が遅くて全然直島に着かない朝には

宇野について  宇野は予感に満ちた街だと思う。  宇野港から見る瀬戸内海は、なぜか心がときめく。  遠足の前日のように、わくわくする感じがある。  潮風はほどよ…

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3か月前
16

不安なままでいるのが不安な夜には(瀬戸内にて、雑記)

職場で泣いた  職場で泣いた。  原因はいくつもあった。  直近の仕事がストレスだったこと。中長期的に職員に求められるスキル・姿勢が見えているけれど、それを身に…

muma
3か月前
10

シリーズ室内装飾100〜家具、建築、読書時々アート

誰もが経験する部屋づくり。 家具との出会い。めくるめく室内装飾の世界。 「あなたの家具との出会いは、どこから?」 私は… 家具と人生が交錯する、どこにでもありそう…

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3か月前
5

つら性について

人生がつらい。あまりにもつらい。 辛くない時期もあるけれども、結構頻繁につらい。 何の不安もなく満ち足りて幸せを感じる期間は、人生を1日に凝縮すれば、朝露ほどしか…

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4か月前
17

050528

朝から憂鬱で泣いている。 話してごらんと言われて洗いざらい話す。かんてんぱぱで買ったかんてんスープ(かんてんの麺が入っているやつ)をすする。麺に味がからまなくて…

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1年前
5

働きたくない

働きたくない。 子どもの頃、将来の夢は専業主婦だった。 働いてみたい、という気持ちがわいたことはない。 戦争から無事に帰って来て、以降まったく働かなかったという…

muma
1年前
21

全ての装備を知恵に置き換えるということ(石川直樹/集英社) 以下、上記の書籍からの引用を「」として表記します。 「今、この瞬間も川は流れている。たったそれだけの…

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1年前
3

スマートフォン

心を揺さぶられる体験をしたあと、私は必ずスマートフォンに戻ってくる。 そこにはたくさんの人生があり、誰かの夢・妬み嫉み・美しいもの汚いもの・諦めと希望・新しい価…

muma
1年前
9

思い煩うことなく楽しく生きよ

何のために生まれて、何をして喜ぶ 分からないまま終わる そんなのは嫌だ この有名な某アニメのテーマソングは、私たちが潜在的に抱えるマインドを実に簡潔に表している…

muma
2年前
4

結婚。可能性の死とときめき、その他。

私がこよなく愛するドラマ、「愛の不時着」でも似たようなことを言っていた気がするが、 ときめきとは予測不可能性である。 冷え性にとっては寒さがより辛く感じられるよ…

muma
2年前
2

発酵する記憶と香る春

心のシャッターを切る場面がある 入試帰りの雪の坂道、甘いアフタヌーンティー 徒歩10分の引っ越しとカーテンのない部屋 小さな花火大会の帰り道 アーケードで歩き疲…

muma
2年前
6

サイダー

どんなに美味しい飲み物を飲んでも、 忘れられない味というのは案外単純なものだ。 晩御飯がしょっぱくて、 みんなのどが渇いていて、 お風呂上がりの父親が買いに走った…

muma
2年前
5

比較

春の始まりの夜と夏の終わりの夜の空気の柔らかさは素晴らしい。 風が体にふんわりと纏わりついてきて、このまま歩いてどこにでも行けるような、自由で香り高い夜だ。 そ…

muma
2年前
6
2024年8月20日の日記

2024年8月20日の日記

思いついたことは大抵日記に書くまえに消えてしまう。

吉本ばなな先生のnote「どくだみちゃんとふしばな」は定期的に文庫化されている。人の日記を読むのは面白い。ましてや好きな小説の作者の日記というのは素晴らしい。好きな箇所がたくさんあるので、お風呂から上がったら写経しておこう。

さて、そんな吉本ばなな先生の「どくだみちゃんとふしばな」は、読んだ本、観た映画、会った芸能人のことまでわりと忖度なく自

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キティちゃんになる

キティちゃんになる

3歳の頃の将来の夢は、お花屋さんだった。まあ結構、ポピュラーだよね。

幼稚園のお誕生日会。
お誕生月のリナちゃんと私。
大人になったら何になりたい?

リナちゃんは「キティちゃん」って答えた。

えっ?キティちゃん、ありなん?なれるん?なってもいいん?

わたしもキティちゃんと答えた。

人は、なれると想像できたものにしかなれない。人生は引用先を増やせば豊かになる。自分だけの厚みある事典をつくっ

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あたらしい概念をとりいれてしなやかに生きる・分人

あたらしい概念をとりいれてしなやかに生きる・分人

久しぶりに越後妻有へ。
その前に駅で「私とは何か 個人から分人へ」(平野啓一郎)を購入。

ざっくりと解釈。

個人という概念こそが私たちを苦しめている。個人すなわちindividual、それ以上分節できないもの。そこに私たちは、統一された、一貫した自己を夢見る。自分にはひとつの核みたいなものがあると想像する。しかし、相手やコミュニティに応じて自分の思考や態度が変わってしまう。それは「ウソの自分」

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筆が遅くて全然直島に着かない朝には

筆が遅くて全然直島に着かない朝には



宇野について

 宇野は予感に満ちた街だと思う。
 宇野港から見る瀬戸内海は、なぜか心がときめく。
 遠足の前日のように、わくわくする感じがある。
 潮風はほどよく、波は穏やか。小さな船が行き交い、青いもやの向こうにはいくつもの小島が見える。
 ここで暮らすことは、自動車のアクセスがいい適当な郊外に家を建てることよりも、魅力的に感じられる。それは旅人の気楽さによるフィルターかもしれないけれど。

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不安なままでいるのが不安な夜には(瀬戸内にて、雑記)

不安なままでいるのが不安な夜には(瀬戸内にて、雑記)


職場で泣いた

 職場で泣いた。
 原因はいくつもあった。

 直近の仕事がストレスだったこと。中長期的に職員に求められるスキル・姿勢が見えているけれど、それを身につけたいと思えなかったこと。周りがみんな優秀で、自分はこの仕事が実は苦手で、逃げたいのに、平気な顔をして、頑張りますと言い続けるのが、自己と乖離して辛くなってきたこと。仕事にはフルコミットするべきだという理想と、やる気が出ない自分。そ

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シリーズ室内装飾100〜家具、建築、読書時々アート

シリーズ室内装飾100〜家具、建築、読書時々アート

誰もが経験する部屋づくり。
家具との出会い。めくるめく室内装飾の世界。

「あなたの家具との出会いは、どこから?」
私は…

家具と人生が交錯する、どこにでもありそうな、でもここにしかない話。ある女の語り。

そんな感じのエッセイ、はじまりはじまり。

エピソード0は、「シルバニアファミリー。ぶどうの森のおうちと私の膝小僧について」

おたのしみに

つら性について

つら性について

人生がつらい。あまりにもつらい。
辛くない時期もあるけれども、結構頻繁につらい。

何の不安もなく満ち足りて幸せを感じる期間は、人生を1日に凝縮すれば、朝露ほどしかない。

幼稚園、辛かった。
話の通じない乱暴な男の子、よく不機嫌になる幼なじみ。食べられない緑の野菜。拾えないプールの底の小石。

小学校、辛かった。
多感な時期の仲間はずれ。マラソン。誰かを嫌うやり方を教えてくれるおせっかいな同級生

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050528

050528

朝から憂鬱で泣いている。
話してごらんと言われて洗いざらい話す。かんてんぱぱで買ったかんてんスープ(かんてんの麺が入っているやつ)をすする。麺に味がからまなくてそれがおいしい。夫みたいな麺だ。味がからまなくて淡白だがそれが良さだ。家を建てる場所を探しに出かけようと思う。いわゆるニュータウンに建ててもいいかなと思う。ニュータウンは大抵高台にある。誰も住まなかった不毛の地をニュータウンと銘打って売り出

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働きたくない

働きたくない

働きたくない。

子どもの頃、将来の夢は専業主婦だった。
働いてみたい、という気持ちがわいたことはない。

戦争から無事に帰って来て、以降まったく働かなかったという曾祖父のDNAが、今からだじゅうにみなぎるのを感じる。(DNAはみなぎるものなのか?)

『働きたくない』『遊んで暮らしたい』

ただそれだけの気持ちを、このブヨブヨとして脂の多い、日曜日の夜のスーパーに並ぶ50円引きの豚細切れ肉みたい

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♾

全ての装備を知恵に置き換えるということ(石川直樹/集英社)

以下、上記の書籍からの引用を「」として表記します。

「今、この瞬間も川は流れている。たったそれだけのことを想うだけで、ぼくの心はほんの少しだけ軽くなるのだ。たったそれだけのことなのに。」(p.60)

「正面にあるチョモランマの頂上ピラミッドを見つめながら、やがてその直下に立って頂を仰ぐまでの時間。それは人生の幸福といってもいい。

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スマートフォン

スマートフォン

心を揺さぶられる体験をしたあと、私は必ずスマートフォンに戻ってくる。

そこにはたくさんの人生があり、誰かの夢・妬み嫉み・美しいもの汚いもの・諦めと希望・新しい価値観と、それをさらに高次から捉えなおす人、否定する人、共感する人

さまざまな思惑であふれかえっている。

匿名性と肉体の不在が与える、むしろ人間そのものに迫るような
そのデバイスの冷たくなめらかな手触りに、先ほどまでの感傷はインターネッ

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思い煩うことなく楽しく生きよ

思い煩うことなく楽しく生きよ

何のために生まれて、何をして喜ぶ
分からないまま終わる そんなのは嫌だ

この有名な某アニメのテーマソングは、私たちが潜在的に抱えるマインドを実に簡潔に表している。

誰の人生も覗き見できるような現代社会で、『何のために生まれて、何をして喜ぶ』かはっきりしている人は魅力的であり、目立つし人気になる。

でもそう簡単に、自分が何者か、何をしたいか分かる人はいない。

最近悩んでいたことは
何者でもな

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結婚。可能性の死とときめき、その他。

結婚。可能性の死とときめき、その他。

私がこよなく愛するドラマ、「愛の不時着」でも似たようなことを言っていた気がするが、
ときめきとは予測不可能性である。

冷え性にとっては寒さがより辛く感じられるように
ときめきが心に与えるインパクトによって、結婚の意味は大きく異なるようだ。

結婚とは、人生の多くの可能性のうち、1つのルートを選ぶことであり、そこからどんなに様々な選択肢が待ち受けているにしろ、必ず、諦めたルートへの未練がつきまとう

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発酵する記憶と香る春

発酵する記憶と香る春

心のシャッターを切る場面がある

入試帰りの雪の坂道、甘いアフタヌーンティー

徒歩10分の引っ越しとカーテンのない部屋

小さな花火大会の帰り道

アーケードで歩き疲れたあとのカフェ

夏の終わりの美術館

心細い池袋のビジネスホテル、IUのpalette、泣いた夕方

交差点を見渡せるベローチェ

一人で突然行った日帰り温泉、鯖の味噌煮定食

川辺のカフェのさっくりしたスコーンと生クリーム

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サイダー

サイダー

どんなに美味しい飲み物を飲んでも、
忘れられない味というのは案外単純なものだ。

晩御飯がしょっぱくて、
みんなのどが渇いていて、
お風呂上がりの父親が買いに走った、自販機でしか見ないような150円のグレープフルーツサイダー。

あれが一番美味しかったような気がする。

あるいは、
子どもにはまだ早いと、キャップいっぱいだけ注いでもらったリポビタンDは、この世で一番神秘的な飲み物だった気がする。

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比較

比較

春の始まりの夜と夏の終わりの夜の空気の柔らかさは素晴らしい。

風が体にふんわりと纏わりついてきて、このまま歩いてどこにでも行けるような、自由で香り高い夜だ。

そう思うと、人生は比較の上に成り立っている。

生きている限りは、大なり小なり、いろんなことが降りかかってきて、現実に足をとられて息もできない。

それでも、死ぬまでにまたこんな夜がめぐってくるならば、

つまらない災難は、この夜をより際

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