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サイダー

どんなに美味しい飲み物を飲んでも、
忘れられない味というのは案外単純なものだ。

晩御飯がしょっぱくて、
みんなのどが渇いていて、
お風呂上がりの父親が買いに走った、自販機でしか見ないような150円のグレープフルーツサイダー。

あれが一番美味しかったような気がする。

あるいは、
子どもにはまだ早いと、キャップいっぱいだけ注いでもらったリポビタンDは、この世で一番神秘的な飲み物だった気がする。

心に残る一杯を探して、今日もうやうやしく一口。

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