あの頃輝いていた君は今もなお僕の中で輝いていた
好きな人が出来ては消えての繰り返し。
僕は簡単に誰かを好きになってしまう人間らしい。
目を覚まし、ぼやけた隙間に光を探しながら玄関を出る。いつの間にぶかぶかだった制服も様になりのろのろと足を引きずりながら自転車にまたがる。
風、を切ったところで冷ややかな優しい手つきで髪を乱していくものになすすべも退く情けない顔と髪を地面に向けて僕は学校に向かった。
学校に着くといつもの席に座り、決して簡単ではない授業を前日の残りあくびを掻きながらすり抜ける。僕は学校が苦手だ。
根本的につまらない。
先生方の教科書をなぞるだけのマニュアルどうりの授業。
こんなのを受けるくらいなら家に居て好きなことをしていたい、けど世間はそれをゆるしてくれない。
そんなつまらない時間にもつまるものがある。
もしかしたら、まだ、僕はいつかのnoteで書いたあの子が好きなのかもしれない。
先日、僕がだらだらと両手にほうきを握りしめたった一人で汚れた教室を掃除している時に突然、
「もしかして、もっちもち君って妹居るの??」
僕はへ??っという間抜け過ぎる声と共に目の前に現れたあの子に
「えっあ~~いるよいるよ!いるいる!!」
当然話しかけられたことと溢れんばかりの嬉しさが合いまって僕は声を上ずってしまいながらも何とか自分が振り絞れる最適解を出すことが出来た。
「あ~~やっぱりね!何か突然聞いてごめんね。びっくりしたでしょw」
うん、当然です。びっくりしましたとはさすがに言えなかった。
「あ、もう掃除いかなくちゃ、またね。」
そう言い放つと彼女は足早に遥か遠くの方に消えていった。
彼女と言葉を交わしたのは数か月前に行われた席替えぶりで僕は素直に嬉しかった。握りしめていたほうきを見る。ごめん、手汗がすごい。
空中にぶら下がった時計を見ると掃除時間も残り5分を秒針が数えていた。今、学校中で僕だけが違う次元に居て一人だけ時間が進むのが速い世界にいるのではないかという事を思い浮かべてしまうほど時間の進み具合に驚きを隠せなかった。胸に手を当てる。まだ、まだ、速い。
掃除終了のチャイムが鳴る。僕は千鳥足で教室に帰ると未だに早くなる鼓動に気をとられ、気が付くと学校を突き抜け帰り道で風を切り裂いていた。
僕は今学生として受けるべき幸福の全てを感じている。
これ以上の幸せはない、僕は平行線上に冷めぬ鼓動引き連れて次第に消えるオレンジに顔を上げ暖かい風を受けながら走り去っていった。
毎日マックポテト食べたいです