moeca* | 言葉と音の創作家

音楽家 | インタビューライター | cankoto produce | 日々感じた…

moeca* | 言葉と音の創作家

音楽家 | インタビューライター | cankoto produce | 日々感じたことを言葉にしながら、私らしい表現を探しています| https://instagram.com/moeca_oto

マガジン

  • 心から"わたし"を生きる

    《随時更新・ここいきマガジン》 心から"わたし"を生きられるように…学んだ知識や考えたこと、エッセイなどをお届けします。あなたらしい毎日を描くヒントになりますように🍬

  • カフェ・旅日記

    好きな場所や訪れた旅行先での出来事を、エッセイ風に綴っています。あなたの好きな場所も、ここで見つかるといいな🌙

  • 私が私を表現できるようになるまで

    怖くて自分を押し殺していた私が、表現を届けるようになるまでの葛藤と気づきの物語。

記事一覧

固定された記事

【2024.5】無重力空間を漂って

なんだかあの頃の甘酸っぱいきらめきが、心に戻ってきたような。そんなくすぐったい気持ちではじまった5月。 連休が明けてからも、そのまま非日常を引き摺っていたのかも…

「〇〇のせい」が「おかげ」に変わる日

過去を振り返ってみたとき、"因果関係" があるものとないものがあることに気づいた。 たとえば、大学時代の手痛い出来事。 そりゃあ、もう一度戻って体感し直すなんて嫌…

あの人でもこの人でもないから

あっちにもこっちにも こんなに綺麗な人がいるのに どうしてわたしは? って思ったこともある もうちょっとくらい顔が小さくたって もうちょっとくらい鼻が高くたって い…

わたしのためだけの伝言

「誰かのため」を想ふとき かならず《言葉》と繋がる 「命を燃やす」を考えるとき あたりまえに《音》がある だから《歌》なら、どちらも満たせる

幾重の想いが胸をあったかくしてくれた土曜日/「白亜荘と小楽器とー聴く、ふれるー」

はじめの音が鳴る からだがじわりと熱くなる え、もうそんな……? 音 に、泣かされるのは はじめてだった * 私は長年、音楽のそばにいるけれど、自分でチケットを買…

「学ばないとダメ」という呪いが、ひゅるると薄れた日

そんな呪いが、私の中にはある。 「歌を作りたい」と思っていた10代の頃も「音楽理論を学ばないと作れない」と思っていたし、対話のサービスを始めようとしても「心理学を…

言葉にできたものも、零れ落ちたものも

すこし前、「言葉にしてしまうと大切なものが零れ落ちてしまう」という表現を目にした。 私にはそれがとても美しいものに見えて、きっとその通りだなぁと思って。その感心…

曖昧で感覚的な "なにか"

なにか大事なことに 気づけそうな気がする そんな曖昧で感覚的な "なにか" の置きどころを 心の中に作れるようになったのが嬉しい ちょっと前に という情報を目にした …

青々と、春

窓の向こうに山が見える。 そんな場所で暮らすのは、はじめてだ。 本当は水辺を眺めてみたかったんだけど 家を決めるとき 悩みに悩んでこの部屋にした。 2月から暮らし…

【2024.4】憧れを取り戻した春

ようやく暖かく……むしろ暑くもなった4月。 見渡せば新生活。小さな背中に大きなランドセルを乗せた小学生、期待と不安が入り混じる社会人1年目。 環境の変化に必死でつ…

ここが私のアナザースカイ

2024年4月26日、逗子海岸。 なぜ私たちは創作活動と向き合い続けているのか……。そうしたお互いの軌跡を語り合った時間は、おそらくたった数十分だったと思う。 だけれ…

突然だけど、宣言のような

わたし、社会性とは遠いところで 圧倒的になりたい そのスイッチがほしい

それでも、生きてゆく

海鳴りがきこえる 私が乗る小さな小さな船は ひとたび嵐が来れば 粉々になってしまいそうなほど、脆い 遠くに灯りのついた島がみえる 何度も何度も きっとあの先に光が…

苦しいといえるだけで、見える光もあるから

本当は嫌だった ショックで残念で悲しかった たったそれだけのことが 認められない 苦しい感情を否定する理由なら いくらでも思いつく あのときの言い方が悪かったので…

すぐに慣れなくたっていいよ、またここに来たらいい

引っ越して2ヶ月。 以前住んでいた場所へやってきた。 5年間、通いつめた駅前のイオン。たまのごほうびに行ったパスタ屋さん。よくおさんぽした河原。 懐かしいというに…

花いちもんめが怖かった

小学1年生の頃、休み時間に流行った「花いちもんめ」が苦手だった。選ばれないのも、選ぶのも。 だから周りの友達が次々選ばれて、たったひとりになる瞬間は最悪だ。選ば…

【2024.5】無重力空間を漂って

【2024.5】無重力空間を漂って

なんだかあの頃の甘酸っぱいきらめきが、心に戻ってきたような。そんなくすぐったい気持ちではじまった5月。

連休が明けてからも、そのまま非日常を引き摺っていたのかもしれない。

でも非日常っていいよね。

私たちは普段、あまりにも誰かの何かしらの「当たり前」に浸りすぎている。

次から次へ頭に飛び込んでくる常識をそっと脇に置いて、生き方を見つめ直してみたら、必要な本がたくさんやってきてくれた……そん

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「〇〇のせい」が「おかげ」に変わる日

「〇〇のせい」が「おかげ」に変わる日

過去を振り返ってみたとき、"因果関係" があるものとないものがあることに気づいた。

たとえば、大学時代の手痛い出来事。

そりゃあ、もう一度戻って体感し直すなんて嫌だけど、それらは完全に過去の古傷になって、今ではもう笑い話にだってできる。

だけど。

あれよりずっと前なのに、子どもの頃の出来事となるとそうはいかなかったり。

「あのときあんなことがあったから、私は今でも人が怖いんだ」とか。知ら

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あの人でもこの人でもないから

あの人でもこの人でもないから

あっちにもこっちにも
こんなに綺麗な人がいるのに
どうしてわたしは?

って思ったこともある

もうちょっとくらい顔が小さくたって
もうちょっとくらい鼻が高くたって
いいのにね

あの人もこの人も
こんなに綺麗な声で歌えるのに
どうしてわたしは?

って何度も思った

歌っても歌っても思い通りにはならなくて
「うまくはないんだけどね」って
前置きしつづけている

でもさ

あっちにもこっちにもない

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わたしのためだけの伝言

わたしのためだけの伝言

「誰かのため」を想ふとき
かならず《言葉》と繋がる

「命を燃やす」を考えるとき
あたりまえに《音》がある

だから《歌》なら、どちらも満たせる

幾重の想いが胸をあったかくしてくれた土曜日/「白亜荘と小楽器とー聴く、ふれるー」

幾重の想いが胸をあったかくしてくれた土曜日/「白亜荘と小楽器とー聴く、ふれるー」

はじめの音が鳴る
からだがじわりと熱くなる

え、もうそんな……?



に、泣かされるのは
はじめてだった



私は長年、音楽のそばにいるけれど、自分でチケットを買って音楽を聴きに行った経験が数えられるほどしかない。

そもそもあまりライブや演奏会の情報が入ってこない私の目にふと止まり、「行きたい……行ってみよう!」と久しぶりに自然と身体が動いたのが、「白亜荘と小楽器とー聴く、ふれるー」と

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「学ばないとダメ」という呪いが、ひゅるると薄れた日

「学ばないとダメ」という呪いが、ひゅるると薄れた日

そんな呪いが、私の中にはある。

「歌を作りたい」と思っていた10代の頃も「音楽理論を学ばないと作れない」と思っていたし、対話のサービスを始めようとしても「心理学を学ばないと」と考えてしまう。

この前「5日間でエステの基礎が学べます」というチラシを見て、「とりあえず受けてみた方がいいかな」なんてよぎった。

一度もエステティシャンに興味を持ったことなんてないのに。

それくらい「資格が取れる」「

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言葉にできたものも、零れ落ちたものも

言葉にできたものも、零れ落ちたものも

すこし前、「言葉にしてしまうと大切なものが零れ落ちてしまう」という表現を目にした。

私にはそれがとても美しいものに見えて、きっとその通りだなぁと思って。その感心の深さは、「言葉にすること」にこだわりすぎていた自分を反省したほど。

だけど

ほんとの本当は納得しきっていたわけじゃないのを、どこか見ないふりしてきた。

だってあまりにも素敵だったから。

心からの実感ではなく、「そう思えている自分

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曖昧で感覚的な "なにか"

曖昧で感覚的な "なにか"

なにか大事なことに
気づけそうな気がする

そんな曖昧で感覚的な "なにか" の置きどころを
心の中に作れるようになったのが嬉しい

ちょっと前に

という情報を目にした

さらっと見ただけだったのに
時折思い出す

「私もそうかもしれない」と
心のどこかで思っているからなのかな

最近ノートを開いても
なんだか思うように書けなくなった

もしかしたら思い出したいのかもしれない

なにより敏感だっ

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青々と、春

青々と、春

窓の向こうに山が見える。
そんな場所で暮らすのは、はじめてだ。

本当は水辺を眺めてみたかったんだけど

家を決めるとき
悩みに悩んでこの部屋にした。

2月から暮らしはじめ
冬がおわり春になり
ひとつ驚いたことがある。

山ってこんなにも青々とするんだ。

冬のころとはまたひと味違う
色鮮やかでエネルギッシュでもくもく。

緑なのに「青々」ってなんか不思議ね。

陽の光を浴びると
どこまでも輝か

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【2024.4】憧れを取り戻した春

【2024.4】憧れを取り戻した春

ようやく暖かく……むしろ暑くもなった4月。

見渡せば新生活。小さな背中に大きなランドセルを乗せた小学生、期待と不安が入り混じる社会人1年目。

環境の変化に必死でついていった人もいれば、何も変わらないのに周りの変化になぜだか焦りが生まれたり。4月ってなんだかソワソワする。

そんなソワソワ、うずうずな時期にぴったりなTipsを携えて、今月の「ここいきマガジン」、スタートです!

【Tips】私の

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ここが私のアナザースカイ

ここが私のアナザースカイ

2024年4月26日、逗子海岸。

なぜ私たちは創作活動と向き合い続けているのか……。そうしたお互いの軌跡を語り合った時間は、おそらくたった数十分だったと思う。

だけれど、不思議だね。
心の目がばちり、と合う瞬間はいつも突然やってくる。

それがたとえ数時間前に、「対面で会うのは初めてですね」なんて挨拶を交わした相手であっても。

舞台は海。ついさっきまで見えなかった富士山が、堂々とそこにいて驚

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それでも、生きてゆく

それでも、生きてゆく

海鳴りがきこえる

私が乗る小さな小さな船は
ひとたび嵐が来れば
粉々になってしまいそうなほど、脆い

遠くに灯りのついた島がみえる

何度も何度も

きっとあの先に光があると
私が向かいたいのはあの場所だと

知らせてくれる灯り

でも、漕ぎ出すと強い強い逆流が
あっという間に小舟を攫う

まるでその流れる先こそが
おまえの行くべき道なのだと諭すように

きっとその流れは止まらない
私があの島へ

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苦しいといえるだけで、見える光もあるから

苦しいといえるだけで、見える光もあるから

本当は嫌だった
ショックで残念で悲しかった

たったそれだけのことが
認められない

苦しい感情を否定する理由なら
いくらでも思いつく

あのときの言い方が悪かったのではないか
私が弱いのではないか
何か知識が足りていないんじゃないか

最初から嫌いなら
何の感情も抱いていない相手なら
こんなに苦悩しないのに

だけど

一度「苦しい」と口にすると
思っていた以上に
たくさんの苦しいがあると気づい

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すぐに慣れなくたっていいよ、またここに来たらいい

すぐに慣れなくたっていいよ、またここに来たらいい

引っ越して2ヶ月。
以前住んでいた場所へやってきた。

5年間、通いつめた駅前のイオン。たまのごほうびに行ったパスタ屋さん。よくおさんぽした河原。

懐かしいというにはまだ早く
日常というにはなんだかこそばゆい

でもたぶん会いたかった。

…そんな安心感でふわっと口元がゆるんだ。

久々にパスタ屋さんまでてくてく。

今週のパスタはなんだろう?
デザートは何にしようかな〜

やっぱり安定のチーズ

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花いちもんめが怖かった

花いちもんめが怖かった

小学1年生の頃、休み時間に流行った「花いちもんめ」が苦手だった。選ばれないのも、選ぶのも。

だから周りの友達が次々選ばれて、たったひとりになる瞬間は最悪だ。選ばれなかった悲しみを背負いながら、誰かを選ぶ重圧まで抱えることになる。

でもそれ以上に怖かったのは、友達をひとり残して選ばれてしまう場面だった。あの苦しみを味わわせるくらいなら……。

気づけば「どうか私を選ばないで」と強く祈っていた。ど

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