フォローしませんか?
シェア
水木三甫
2023年5月31日 08:39
帰り道のない道を歩いていく。一方通行の道を歩いていく。過ぎ去ったものはすべて捨ててきたつもりだったのに新しい世界へ旅立とうと歩き始めたはずなのに過去の亡霊が足を重くする。60歳を目前にして病気のために会社を辞めた。僕の行き先は暗闇に包まれている。僕はこれから何をすればいいのだろうか。残りの人生をいかに生きればいいのだろうか。足を止めることができない以上歩きながら考えるしかない
2023年5月28日 13:38
唇に夏の気配を漂わせ君は颯爽と海辺を歩く僕の視線に気づきもせずに君は青い空を仰ぎ見る波が君の足元を洗い流し再び海へと戻っていく「どこから来たの?」勇気を出して声をかける君は笑って水平線の向こうを指でさす「海外から来たの?」僕の質問を無視して君は海に入っていく沖へ沖へと泳ぎながらいつしか君の姿は見えなくなった僕の足元にビーチサンダルだけを残して
2023年5月27日 07:13
少年が一人本を読んでいる。教室の片隅で少年は本を読んでいる。クラスメイトはグループに分かれ、おしゃべりやゲームをしている。ときどきグループから離れて、不良っぽい男の子が少年の近くに来て、「一人だけ頭良くなろうとするんじゃないよ」と少年の肩を殴る。それでも少年は一人本を読んでいる。本の中身はまったくわからない。クラスメイトがいる意味もわからない。自分がここにいる意味もわからない。
2023年5月26日 06:51
今ここにあるもの若者の不安と大人の傲慢効率重視の世界とそこからはみ出した世界今ここにあるもの占領しようとする国と日々死んでいく人々核で守られた世界と武器も持てずに殺されていく人々今ここにあるもの自然を金としてしか見ない人々と何もなく餓死していく人々金が第一と考える人々と命が第一と考える人々今ここにあるもの愚かな人々と賢い人々破滅へのカウントダウンとより良い未来を作る最後
2023年5月25日 14:08
アメ キミ ノ ナカ ノモトヘ カラダヲハシッテ オレノ ビショヌレノイクカラ アタタメテオクレ
2023年5月23日 08:57
あなたは自分の物語を生きている物語の中には苦しかったことや悲しかったこと、負けそうになって人生を投げ出したくなったこともあっただろう。それでもあなたの物語は続いているこれからも困難な場面に出会うかもしれないそれでもあなたの物語は続いていくだろうハッピーエンドに向かって
2023年5月20日 22:03
僕の心がなくなった。レントゲンで調べても、CTスキャンやMRIを使っても、どこからも心は見つからなかった。今日は大事なデートの日なのに。僕は心を持たずに彼女との待合せ場所へ向かった。彼女は笑顔で待っていた。彼女は僕の心を大事そうに持っていた。そうだ、思い出した。僕は彼女に心を奪われていたんだっけ。
2023年5月20日 08:01
妖精が住んでいるという秘密の花園妖精に出会うと幸せになれるという御伽噺小さい頃、私は妖精に会いたくて秘密の花園を探した公園の花壇を見たり、近所の花屋さんに入ったりでも、妖精を見つけることはできなかった今思い出してみれば、あの経験が私に花の美しさを教えてくれたもしかしたら、花そのものが妖精だったのかもしれない
2023年5月18日 07:23
秘密の言葉を探すため僕は世界中を旅しているその言葉さえあれば戦争も起らずその言葉さえあれば世の中のすべての人が幸福になれるそんな秘密の言葉を探して僕は旅を続ける秘密の言葉はそこらじゅうにあるが捕まえようとするとすぐに逃げてしまうまだ誰も捕まえたことがない秘密の言葉それがどんな言葉なのか未だ誰も知らない
2023年5月16日 07:19
「空気中の光の粒を集めておくと幸せになれる」昔、おばあちゃんに言われた言葉を今になって思い出した。小さい頃に集めた光の粒はもうどこにあるかわからない。あれから僕は日陰を生きてきた。情熱や夢、希望という言葉が嫌いだった。だから今、光の粒の貯金はゼロの状態ってわけだ。僕は3日ぶりに外に出た。雲ひとつない青空から光の粒が降りそそいでいる。僕は両手を広げて光の粒を体に取り込んだ。光の
2023年5月15日 09:00
雨音が聞こえる夜僕は一人、目を閉じて雨音に聞き入ります。そうすると雨が体の中を流れていくような感じがします。僕の渇いた心に水分を与えてくれるような僕の体に溜まっていた澱を洗い流してくれるような自分がとてもきれいになったようなそんな気分になります。雨音が僕を静かな眠りへと誘います。だから僕は雨の夜が好きです。
2023年5月11日 07:37
千鳥ヶ淵緑道を歩く。木々に被われた土の上を歩くと、地面が少し縮んでいく。木々の幹からは新緑が勢いよく伸びる。草の中に蚊柱のような小虫の集団がところどころに現れ、モンシロチョウが花のまわりを飛び回り、葉の上で休んでいる。世界には人間よりも虫のほうが多いことに気づかされる。白や黄色、紫に赤い花。草むらの中の自然のイルミネーションが目を喜ばせる。涼しい風が吹き、葉を揺らす。散歩日和。一週
2023年5月10日 08:20
どうしてそんなに揺れているの?風なんかまったく吹いてないのにどうしてそんなに揺れているの?地震が起きたわけでもないのにどうしてそんなに揺れているの?教えて私の裸の心
2023年5月8日 14:56
つべこべ言わずにまずは地獄の底まで這い上がれ