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何度でも読みたい

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何度でも読みたいすてきなnoteたち。
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#人生

【ワイン】 イメチェン・エッセイ

【ワイン】 イメチェン・エッセイ

「ねえ、わたしに似合うお酒って何?」

「君に似合うお酒?そうだね、カシスソーダとかはどう?」

「カシスソーダ?え〜〜、美味しいけどなんか特別感ないな〜。」

「そんなことないよ、君は特別だよ………」

🍸 🍸 🍸

ワインのステキなものに出会う。

もちろんある程度のお金を出せばステキな一本には出会えるけど、いい時間を過ごさせてくれるものは出会いもの。

わたしは大酒飲みじゃないし特に強

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もう、わたしが"いちとせしをり"って、言ってもいいよね

名前は、命のよう。

「しをりさん、おはようございます」

キッチンから声が伸びてくる。眠っていたようだ。とんでもなく幸せな夢だった気がする。たしかわたしには好きな人がいて、その相手はわたしのことを愛してくれていた。

「いただきます」

彼の言葉は、羽毛のように柔らかい。窓から降り注ぐ光を食べる。花瓶のような雲だった。一口が小さくても、怒られない。ゆっくりと取る食事は、わたしが生きていることを許

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家族は超能力者とかではなくて、単に"気にしてくれた回数"が多いだけなのだろう

家族は超能力者とかではなくて、単に"気にしてくれた回数"が多いだけなのだろう

わたしは常々、何かを気にしすぎな人間だと思う。
そして、心を負の方へ"わざわざ"持っていこうとする癖がある。

今もこうして書いているというのに、他のことを頭の片隅の方で暴れさせながら、気にしている。「昨日やったあの仕事、もっと他の方法があったんじゃないか」とか「もっと今は他にやるべきことがあるんじゃないか」とか「もしかするとあの時、恋人に言ったあの一言で傷つけてしまったのではないか」とか。

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25年経って、ようやくあなたに言えること

25年経って、ようやくあなたに言えること

「あなたのこと、愛していないと思う。でも、失いたくないの」

彼からのプロポーズに対する私からの最初の返事。YesでもNoでもない曖昧でずるい返事。当時、別れてからもずっと心を寄せる人がいた。愛する人から受ける友達宣言ほど辛いのはよく知っている。だからこそ、素直に答えなければと選んだ言葉だった。確固とした返事をすぐに出せなかった私に、直感だけがそう言わせた。

彼は私の両手を握ったまま、少し寂しそ

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いつか絶対に死ぬと覚えておくと、生きることが柔らかくなる。

いつか絶対に死ぬと覚えておくと、生きることが柔らかくなる。

「ただいま。」

そこへ手を入れたら、痛みなんてきっとない。
生クリームに包まれているみたいに、非日常の香りがする。久しぶりでもないその電車は、昔より少し淋しそうだった。きっとわたしが今年初めて入ったであろう駅のトイレは、心の奥底まであたたまるような綺麗さだった。誰かがこうしてわたしの知らないところで、生きている。誰かが生きるために手助けをしてくれている。持ちつ持たれつという言葉が少しだけ純粋すぎ

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写真が好きではなかった。けれどわたしが女の子に映る、唯一の方法にも見えた。

写真が好きではなかった。けれどわたしが女の子に映る、唯一の方法にも見えた。

向けてほしくなかった。

その視線をへし折ってしまおうかと思った。透明人間にはなれないから、誰の視界にも入らずに生きてしまおうかと思った。それがわたしを守る唯一の方法な気がして、だからこそわたしは顔出しもせずにこうして言葉だけを書き続けている。

全てを言葉で解決させたかった。
自分という鏡を誰にも見せることはない。

写真。それにわたしを映すことが怖かったのだ。

" わたしは一生、写真に勝てな

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わたしは【選ぶ側】になれない。

わたしは【選ぶ側】になれない。

わたしはどうしてわたしでいられるのでしょう。

真夜中にアイスを食べたくなる。
これがわたしの生きる本能だとしたら、くだらない。花に水をあげる毎日。君はわたしがいるから生きていられるのよ、って。

君はわたしが選んだの。
わたしがこうして毎日見離すことなく、愛で続け、水を与える。君はすくすくと育っていったね。光も欲しい?じゃああげるよ。

カーテンを思い切り開ける。
台風が過ぎ去った空は、今までが

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別れるも別れないも

別れるも別れないも

ある人のnoteを読んで書かずにいられなかった。先が見えない、いや見えているからこその不安や葛藤ははかりきれないものということ。これは誰も理解することはできず、それぞれの異なる人生の中でどんなにつらくても選択するのは自身だから。

私は、ただ抱きしめたい。

******

人生色々な出会いがあり色々な別れがある。一言でいうととても簡単だけれど、実際はそれほど簡単ではない。

別れどんなに美しく彩

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渡す必要のなかった嫉妬の手紙。それを教えてくれたのはnote酒場の"肌"でした。

渡す必要のなかった嫉妬の手紙。それを教えてくれたのはnote酒場の"肌"でした。

自分の足で歩きたい。
身体を動かそうにも、心をどこかに置き忘れていました。淋しくて、風だけがわたしの隣にいる。書いていても、自分の言葉の限界がある。届ける力が足りないのは勿論でした。それでもわたしの肌はひとつしかなかったから。だからこそ今まで読んできたあなたの肌と結びたかった。先に行ってしまった身体に、わたしの心が呼びかけているようでした。

電車に揺られる、いつも乗ることのない路線。遠くに向かっ

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"苦悩する文章を書かなければいけない"という苦悩から出る更なる苦汁

"苦悩する文章を書かなければいけない"という苦悩から出る更なる苦汁

『 書く側の人間は悩んでいてはいけないのでしょうか。』

わたしは誰とも友達ではありません。
それでも自分がこうして言葉を溢していること、孤独だなんて思いません。

さなぎから蝶になる。
それほどの変化しか気づけなくなってしまったとしたら、それこそ書く側にいることも出来なければ、読む側にだって回らないでほしかったのです。

苦しくて、だから書いていた。

書くことは確かに好きだった。
でも目の前に

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わたしたちがしていることは 全て"ハンドメイド"に帰結されるのか 【不器用な寂寥と暈し染め】

人生は消耗される、常に。

ここで生きているわたしはここからまた、先へ落ちる。腐った果物を手で握りつぶした感触を、あなたならどう表現するだろうか。自分の部屋に現れた小さな虫を、殺さずに窓から逃がすその行為に酔ってはいないだろうか。生活で試されているわたしたちが、大衆の目に直接的に触れることなどない。ただそれでも根底にある濃い黒を溶かすのに必死なのである。

約束した覚えはない。
ただ、後ろから崖が

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自分が作り出せるコンテンツは有限か

持って生まれたものを減らして生きているのか、何もないところから得て生きているのか。

「もう書くことがない」って、あり得るんだろうか。

わたしはもともと毎日更新は掲げていなかったのですが、期せずして(?)100日以上は毎日更新を続けていました。
今も、多少noteを留守にする日もあるけれど、わたしは紙の日記もつけているので、まったく何も書かない日はないです。きっとnoteをやめてもどこかに文字を

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呼吸する、そして100日目のわたしは

呼吸する、そして100日目のわたしは

手に入れたかった。

自分の持っていないものがほしかった。周りの人が持っているものがただただ羨ましい。ひとりが持っていれば、それはみんなが持っているものになって。わたしだけが持っている何かはいつまでも見つからない。

痛みは時間でなくなっているわけではない。
擦りむいた傷も、削れた心も、それを治しているのはいつだって自分自身の力だった。それなのに、自分の努力を自分で褒めるのはそう簡単なことではない

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noteコンサルティングを受けた率直な感想と、続けていくために大事なこと

noteコンサルティングを受けた率直な感想と、続けていくために大事なこと

noteコンサルティングを受ける機会をいただいた。昨年チャレンジした「紅茶のある風景 投稿コンテスト」で審査員特別賞を授かり、その特典として設けられたものだ。

noteの使い方について、60分間自由に相談できる。受けるのは任意。こんな貴重な時間は絶対に逃したくないと前のめりに参加表明した。

本来は対面ベースであり、ぜひピースオブケイク社にお邪魔したかったのだけれど(ミーハー)、海外在住なので難

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