見出し画像

渡す必要のなかった嫉妬の手紙。それを教えてくれたのはnote酒場の"肌"でした。


自分の足で歩きたい。
身体を動かそうにも、心をどこかに置き忘れていました。淋しくて、風だけがわたしの隣にいる。書いていても、自分の言葉の限界がある。届ける力が足りないのは勿論でした。それでもわたしの肌はひとつしかなかったから。だからこそ今まで読んできたあなたの肌と結びたかった。先に行ってしまった身体に、わたしの心が呼びかけているようでした。


電車に揺られる、いつも乗ることのない路線。遠くに向かっているわけでもない。それなのにわたしは、どこか離れた海辺めがけて胸が走っていました。窓に映る景色、それは冷たい霧。「雨は好き?」と困り顔で聞いてくる、昔の恋人と手を繋ぎたい。

街は人で溢れ、少しの移動でも身体すらついてきそうにありませんでした。じめっとした空気。長袖のシャツを着ていたわたしは腕を捲り、本当は見せたくない肌をあらわにしていました。

一歩、また一歩と近づく会場。
全身が震え、僅かに残った感覚を胸に。
扉を抜けたわたしは「これを待っていたんだ。」


10月6日。note酒場。

わたしはこの日、身体も心も"女の子"になれた気がします。


note酒場レポート、と。
そうわたしは中々言えません。
今日も変わらず"いちとせしをり"を見てほしい。ずっとそんな我儘を言い続けるのだと思います。それでも見てくれるあなたの時間を、ください。ここから先の言葉、一万字以上。どうか時間のあるときに わたしの隣で歩きながらでも読んでくれたら幸いです。そして参加した人、参加出来なかった人にも届けたい。そんな気持ちで今日も書いています。



約束は誰ともしていない。
それなのにわたしはあなたに会うことが出来ました。

それはどうして?

noteを書いていたからでしょう?

そう言ってくれたあなたの声が今も頭に染み込んでいる。


note酒場の最初の扉を抜ける。
そのもっと手前でわたしはひとり、雨に打たれながら待っていました。並んでいる列に、自分は並べているかどうかもわからず。そして周りを見渡しても誰も知っている人がいない。参加者の中で、以前からお会いしたことがあったのはほんの数名の方だけでした。

11時開始の、一番早い時間からわたしは楽しみたくて。それに合わせて行ったのにもかかわらず、わかっていたことでしたがいきなりわたしは"ひとり"を耐えていました。

わたしの顔を見ても、いちとせしをりを知っている人は近くにいませんでした。それもそのはず SNSで顔も身体の一部ですらも出していないわたしは、女の子になれるわけがありませんでした。苦い汗をかきながら、やっと受付のある扉が見える。

緊張は、していました。
ただ緊張している自分に気づかないように必死に別のことを考えていました。書くことや、もっと違う今日の目的も含めて。



わたしは初め、ひとつの希望がありました。
それは満島エリオさんに会えるはず、と言うこと。
エリオさんはわたしにとって文章を書く、そのものの在り方を教えてくれた気がします。媚びない、そして馴れ合いのない言葉がわたしの胸にいつも響いていました。何よりわたしのことを見てくれている、ずっと近くに座ってくれていたような、そんな存在でした。

その日の朝、エリオさんのTwitterを見れば11時から受付をしていると呟いていました。それを事前に見ていたわたしも、結局はエリオさんの顔を見たことがありませんでした。3、4人いた受付の方を見て「どの方がエリオさんだろう」と頭でいっぱいでした。勇気を振り絞り、受付で自分の名前を名乗った後 わたしは「満島さんはいますか?」と、声を震わせながら聞く。もしかしたらその目の前にいる人がエリオさんかもしれなかったから。けれどその返答はわたしの思っていたものではありませんでした。受付の方全員が首を傾げ「満島さん…はいません…」と。


そんなはずはない。
どうして、どうして?
予想もしていなかったその事態にわたしはいきなり混乱し「エリオさん…エリオさん…」と心の中で囁いていました。

気持ちが乱れたまま、わたしは会場の真ん中に立ちすくす。誰もわたしのことが見えていないみたいでした。先ほども書いた通り、わたしの顔を知っている人などほとんどいません。自分の名前を書くことの出来るうちわ(ヘッダーにある画像参照)を貰っても、その名前を書くことの出来る椅子と机はすでに全て埋まっていました。


『 もう、帰りたい。』
と、思いそうになりました。
それでもそんなこと簡単に思えるほど、わたしの今日にかけた気持ちは軽くありませんでした。


『どうにかして、掴み取らないと。』

わたしはわたしの力で動かなければいけない。誰かに声をかけてもらうのを待っているだけではまた孤独に戻ってしまう。いやだ、そんなの、と。

わたしは椅子が空くまで待ち、空いた瞬間うちわに自分の名前を急いで書きました。その瞬間だけは何故か自分の名前を見られたくなかったから。いちとせしをりとしての準備がまだ終わっていなかったから。


本当はもっと丁寧に、綺麗な字で書きたかった。
字には人が現れるから。わたし自身、字を書くのが好きで、何より人の書いた字から相手を想像するのが楽しかったから。

自分の存在をそのうちわに込め、わたしはすぐに向かう先を決めました。


ヤマシタさんのもとへ行きたい。"
わたしにとってnoteにいる自分を大きく掬ってくれた、そんな方でした。

知っている方も多いかと思いますが、ヤマシタさんは月末に一度、オススメのnoteクリエーターを表彰し 褒め称えて1000円(金額は今後変わるかも)をサポートするコーナーをやられています。それを初めて知った当時、純粋に選ばれたいなと思っている自分がいました。そしてそのとき2019年4月に選ばれていたのは、まつしまようこさんでした。

今、noteを書いている方で彼女の活躍、そして存在を知らない人はほとんどいないかと思います。それでも当時、わたしが見ていたまつしまさんは走り出したばかりの印象でした。勿論、突き刺さるnoteは昔も今も、勢いは止まりません。そんな方をヤマシタさんがいち早く見つけ、そして皆の前で称えていました。


邪な気持ちが駆け巡り、そして選ばれたい気持ちを押し殺す。それでも自分の書きたいことを書き続けようとなんとか心を持ち直すのに必死でした。書いて、書いて。本当に自分が届けたい相手を探すのに気持ちを戻そうと血眼になっていました。


そして本当に予期せず、まつしまさんが選ばれた翌月。ヤマシタさんはいちとせしをりのことを選んでくださりました。


もう、嬉しくて、嬉しくて。
その当時の気持ちもわたしはnoteに書きました。

わたしがnoteを始める、そのずっと前からヤマシタさんはこの世界で陽も陰も集めていて。目指す場所は違くとも、わたしが横を歩きたい一番の存在でした。苦しかったけれど、今尚書き続けていられるのはヤマシタさんのおかげです。これは言い過ぎでも何でもありません。この場で言うことではないかもしれませんが、それでも「本当にありがとうございました。」


そうして嬉しかったのも束の間。わたしが選ばれた翌月、次に選ばれたのはしりひとみさんでした。そのことについては書きたいことが沢山あるので、またこのnoteの最後の方で書こうと思います。



ヤマシタさんのもとへ向かったわたし。
うちわに書いた名前を胸に。
「いちとせしをりです…!!」
その日、一番の大きな声を出したつもりでした。ただ周りの賑やかな空気に押され、溢れたその声はとても小さなものでした。

けれどヤマシタさんはわたしのことを見て、すぐにわかってくださりました。note酒場の会場に入って、初めて"いちとせしをり"に向けられた笑顔でした。お酒のあるカウンターに立っていたヤマシタさんは後ろから差し込む光も加わり、とても輝いていました。思っていたよりも柔らかい雰囲気に包まれ、少し自分の足で今歩けていることを実感できました。

もっと話をしたくて。
でも思っていた言葉がなかなか出てこなくて。伝えたいことが沢山あるのに。恥ずかしくて、自信がやっぱりまだなくて。ヤマシタさんと話を出来た時間はほんのわずかでした。それでもその時間が、note酒場で楽しむ"勇気"でした。


自分の足で歩き、わたしは会場の中を行ったり来たり。それでもわたしのことを知っている人はいませんでした。なんとか色んな人に話しかける。わたしのことを知らない相手、相手のことも知っていないわたしはnoteの力に頼りすぎていたのかもしれません。話はうまく弾まず、苦し紛れにわたしは会場のテラスへ身体を投げ出しました。


するとその目の前には千羽はるさんあらしろひなこさん。そして矢御あやせさんがいました。

千羽さんはわたしの顔を知っている数少ない人でした。その理由は以前にあったnote非公式オフ会、"noハン会"のわたしと同じく参加メンバーだったから。ひなこさん、あやせさんは初対面でしたが、毎日のようにnoteのタイムラインで見かけているお二人にわたしは言葉が届く嬉しさに飛び跳ねていました。


外の空気が美味しい。
昼のテラス席は、雨がまだ降っていました。
そんなことも気にならないくらいわたしは三人と楽しい時間を過ごせました。

そしてそんな中でもわたしは忘れることの出来ない方がいて。


エリオさんでした。

「エリオさん…エリオさん…」と、いまだ溢し続けていました。するとあやせさんが、

「わたしも詳しくわからないのですが、もしかするとドリンクチケットを配っているあの方かもしれませんよ。」


そう、教えてくれました。
noteをやっていて、よかった。
わたしのことを知ってくれている人がいて、わたしの好きな人のことを知ってくれている人がいる。あやせさん、あの時のあなたの言葉で道が何より開けていたと思います、繋がっています。あなたの言葉をnoteでもまた聴かせてください。



そしてわたしは、向かう。
エリオさんのもとへ。
「受付、こっちにもあったのね。」
周りが見えていなすぎるわたしはそんなことをやっと冷静に思うことが出来ました。それくらいにわたしは呑まれていたのかもしれません。

エリオさんを目の前にして。
わたしはまた、言葉に詰まりました。
いちとせしをりのうちわを頼りに、わたしの存在を伝えることだけで精一杯でした。小柄で可愛らしく、吸い込まれてしまいそうなほど大きな瞳。

スタッフとして動いているエリオさんの邪魔をすることも出来ず、その場はすぐに終わってしまいました。でもやっと、あなたに会えた。そんな心を胸にわたしはまた強くなれました。


「これが終わったらまた話しましょう!」

そう静かにエリオさんは言ってくれました。
そして何よりヘッダー画像に少しだけ見えているうちわの色塗りはエリオさんとその後一緒に描いたものでした。




そこからわたしは嬉しさの連鎖が止まりませんでした。

いつもnoteで見ている、
たけのこさんサカエコウさん
その後にはちゃこさんSaeさん
わたしの座った椅子の後ろにはまつしまようこさん。そこからさらに勢いよく駆け込んできたのはマリナ油森さんルミさんでした。そしてわたしがのちに恋に落ちてしまいそうなほど素敵な竹鼻さんがいました。


いつもnoteでわたしのタイムラインに流れてくる方々が、現実でも流れるようにわたしの目の前に来てくれました。もうその場がnoteそのものみたいでした。


たけのこさんはまだ会場が始まったばかりなのに、お酒はもう二杯目で。優しい表情が想像の何倍も眩しくて。同じ場所にいるのに楽しさを分けてくれるような方でした。

サカエさんは、恐らく一日を通して一番わたしのそばにいてくれました。年上のお姉さんで、ずっと昔からの付き合いのよう。初めて会ったのにまた久しぶりに会えたような感覚。サカエさんと過ごせた時間があったからこそ、わたしは心の底からnote酒場を楽しめたのだと思います。

ちゃこさん、Saeさんは、わたしをすぐに抱きしめてくれて。女の子の姿に吸い込まれて、わたしもまた女の子になれた気持ち。もう「スキ」が止まりませんでした。

(嬉しい言葉もありがとうございます。)



まつしまようこさん、マリナさん、ルミさんとは、本当に少ししかお話が出来ませんでしたが、お互いに今まで書いてきたnoteを確かめ合えたような、わたしにとってはそんな時間でした。兎に角三人共個性が強烈すぎました。(勿論いい意味で。)また必ずお会いしましょう。



そしてわたしはちゃこさんとSaeさんに連れられ、竹鼻さんとお会いすることが出来ました。もう、アイコンから滲み出ていた包容力が目の前にありました。言葉も、話し方も人を引き込むような。それでも周りを常に見渡し。いち個人だとしても、全体を生かすその動きを実はわたしはお話している時以外も目で追いかけていました。

竹鼻さんはわたしのnoteをわたしの予想よりも読んでくださっていました。何より驚いたのは、二ヶ月ほど前に"note酒場でやりたいこと"のハッシュタグをお借りして書いたわたしの「嫉妬の手紙」のnoteを読んでくださっていたことです。


今日もきっと、言葉にしていないだけで誰かが誰かに嫉妬している。皆が見えるコメント欄で直接その気持ちを伝えている人もいるし、記事を引用してnoteでそれを書き殴っている人もいる。それは醜く、そして魂を吸われるほどに美しかった。
わたしは嫉妬の手紙を渡したいのだ。


褒めることや祝うこと。
満足に嫉妬することもわたしには出来なかった。

わたしはわたしの文章や言葉を書いていればよかった。嫉妬を曝け出すことはいい大人がやることではないかもしれません。そしてわたしにはわたしなりの道が必ずあるはずだから。そうだと頭で思い込もうとしてもなかなか上手くはいきませんでした。

わたしは自分の手で字を書けば、それを伝えられると思った。その相手にわたしの気持ちを「嫉妬の手紙」として伝え わたしは自分を救いたかった、のだと思う。



その書いたnoteのことに竹鼻さんは会場でわたしに初めて触れてくれました。


「いちとせさん、手紙どうするの?」

心臓が一瞬飛び出しそうでした。
自分が誰もが読める場所に、あれだけのnoteを書いておきながら直接その話題には触れられるとは思ってもいなかったから。ですが当日わたしの持って来た鞄には、手紙をしっかりと入れていました。


渡す、つもりでした。
渡す相手の方とお会いするのはその日が初めてでした。どう話が転ぶかもわからず。そしてわたしは手紙を誰にも見えないところで渡したかった。それが自分にも相手の方にとってもいいことだと思っていたから。


「よ、読んでくれてたんですね。」

と、わたしは驚きながらも竹鼻さんと何とかお話を続けていたくて、思わず腕にしがみついていました。見守ってくれる。海で溺れたわたしを救う、一隻の船のようでした。


「誰に渡すの?」
「ひ、秘密です…」

手で顔を覆い、恥ずかしくて噴火しそうでした。それでも実際、竹鼻さんがわたしの苦しいところを撫でてくれたからこその結果にその夜、なりました。



竹鼻さんとはその後も、何度も分かれてはまたお会いし、

「どうするの?もう相手来てる?」


そう、ずっと気にしてくれました。
わたしが会えずに終わってしまうのではないか、そのことをきっとすごく心配してくれました。


「いつでも任せてね。」

そう力強く包んでくれた竹鼻さんの言葉。わたしは胸に大事に抱え、渡すタイミングをずっと考え続けていました。



楽しい時間はあっという間でした。
気づけば時刻は15時に近づき、noteの中休み企画「noteの中心でnote愛を叫ぶ」が始まりました。


わたしにとって初めての、noteのオフィスであるピースオブケイク社。そこにいれてもらえただけで夢のような時間でした。


そしてそこで愛を叫ぶ、あゆみさんのことをずっと応援していました。

あゆみさんは以前、noハン会というnoteの非公式イベントのオフ会を主催してくださった方のひとりです。



これにわたし自身も参加させていただき、あゆみさんはまた第二回のことまで考えてくださっています。noハン会についてはわたしにとってあまりに幸せな時間すぎました。ここで語るとより長くなってしまうので、是非そのことも含めてあゆみさんのnoteを読んでほしいです。また、noハン会の感想をわたしもnoteに書いています。良ければ読んでください。



実際のあゆみさんのプレゼンは、noハン会に参加した人全員を温かく支えるような内容でした。

特にnote酒場には参加することの出来なかったKojiさんおまゆさんはるさん一伽さん。noハン会を第一線で何より声をあげ、そしてわたしの大好きな方たちが皆さんの前で語られることが何より幸せでした。

第二回noハン会について、あゆみさんがまた情報を発信してくださると思います。詳しくはあゆみさんのnote、もしくは以下のアカウントで今後見ることが出来ます。企画したわけでもないわたしが打ち出すのも変かもしれません。それでも少しでも力になりたいです。

noハン会(ハンドメイドなnoteオフ会)



中休み企画も終わり、わたしはまたnote酒場の会場へ戻りました。すぐにわたしに気づいてくれたのはサカエコウさんでした。

もう嬉しくて、ずっと一緒にいたかったです。柔らかく優しい空気を纏った女の子にサカエさんを重ね、わたしも女の子になりたくて仕方がなかったです。

運営の方々が用意してくださったお酒、そしてごはんをサカエさんと沢山楽しみました。心地よく、ただ時間が過ぎてしまうのが怖くてなるべく時計を見ないようにわたしは過ごしていました。


ただその時、わたしにはまだ伝え残していることがありました。


" 手紙を渡したい。"

その手紙を渡したい相手が、わたしは夜の部から来ることを知っていました。会場の入り口付近でわたしはサカエさんと待機し、いまかいまかと緊張しながら待っていました。

すると突然、思ってもいなかった方向から声が聞こえて来ます。


「い゛ちとせさん!!!」

声の先にいたその姿はハッピを纏っており、誰よりも会場で自然な身体を表現していた女の子がそこにはいました。


しりひとみさんでした。

わたしはひとみさんのことをnoteの中からずっと、ずっと見ていました。そして彼女こそがわたしの手紙を渡したい相手でした。

にもかかわらず、その場でわたしはまた言葉に詰まり、兎に角会うことの出来た喜びを感じていました。


聞くと、ひとみさんは夜の部が始まる17時には会場入りをしていたそうで。中休み企画からわたしが帰って来た、ちょうどすぐ前に会場にいたそうでした。


心の準備が何も出来ておらず。
言葉からいつも感じていた彼女の雰囲気そのものに圧倒されてしまいました。今まで見ていたけれど、見ていただけではなかった。わたしはひとみさんの書く言葉に身体を預けすぎていたのかもしれません。


わたしだけでなく、誰しもが会いたいと思っているであろうひとみさんは、あっという間に夜のテラス席に吸い込まれていき「また話しましょう!」と元気よく言ってくれました。そのときの時間はまだ夜の部は始まったばかり。わたしはまた時間を改めて彼女と話をする機会を伺っていました。


それまでの時間、わたしはまたnote酒場を存分に楽しみました。今更ながら300人ほどいる参加者の方がして。話しても話尽きない、その場そのものがずっとnoteでした。


名前を挙げきれていないだけで、本当に沢山の人とお話をすることが出来ました。

特に夜の部から参加されたげんちゃんは、もうげんちゃんそのもので驚きました。あそこまでnoteで出しているままの出で立ちで酒場の扉を抜けた人物を、わたしは知りません。そしてここではげんちゃんの敬称は省略しています。「俺に"さん"をつけるのは"さかなクンさん"と同じことだからやめて!」と言って、凄まじいほどわたしの周りで受けていたので…(本当に楽しかった。)


そして何より喫煙者のわたしに煙草を吸うのを誘ってくれた唯一の人がげんちゃんでした。いつ見つけたのかもわからない、誰も知らない秘密の喫煙スペースへ案内してくださり。そんな生きる後ろ姿は、わたしのなりたい"男性"の姿でもありました。

わたしの吸っているピースを褒めてくれたこと。げんちゃんの咥えた煙草にわたしが火をつけたこと。普段はわたしは敢えてこの言葉を避けていましたが、その場で二人きりの空間はすごく、エモかったです。


それ以外でも、いちとせしをりのうちわを見て話しかけてくださる方もいて、自分がここまで書いてきたこと。無駄なんてことありませんでした。そんな素朴な感情に浸りながら、わたしはレモンサワーを飲み続けていました。



手紙を渡す心の決心がついたわたしは、げんちゃんと共にしりひとみさんに会いにいきました。夜のテラス席にいたひとみさんは、ハッピを着てはいましたが、その姿は想像以上に大人な方でした。

流れに任せてわたしはひとみさんの席の隣に座り。本当に申し訳なかったのですが、ひとみさんとしていた話を意味のわからないタイミングでぶった切り、自分の話を始めてしまいました。



「ひとみさん。見てほしいものがあって…」

そうわたしは言い、二ヶ月前に#note酒場でやりたいことについて書いたわたしのnoteを見せました。


それを見てひとみさんは食い気味に

「読みましたよそれ!」

と、また元気よく答えてくれました。
読まれていること、それも自分でもわかっていました。ひとみさんはわたしのそのnoteに当時スキをつけてくれていたから。何よりわたしは、名前を出さずとも、ひとみさんに読んでもらいたくてそのnoteを書いていたから。


鼓動がまた早くなる。
わたしは手紙を渡さずに、自分の声と言葉でひとみさんに伝えました。


あなたの文章と言葉、全てが羨ましかったこと。あなたに勝ちたかったこと。あなたの自然体に何より嫉妬していたこと。あなたがnote編集部に何度も選ばれていたこと。ヤマシタさんにも選ばれていたこと。あなたのnoteでの存在。声も姿も肌も。わたしはあなたになりたかった。あなたになってしまいたかった。いちとせしをりの限界を風に乗っているかのように越えていくあなたに。そしてわたしとあなたの文章や言葉の色が違うことでも悩み。もう、全てあなたでいっぱいでした。あなたの文章を読めば読むほど、最後まで読めなくなりました。わたしにとっても、きっと他の方にとってもあなたの文章と言葉は素敵だったから。あなたのことが羨ましくて、妬む心が生まれそうな日もありました。そんな時にあなたはわたしにサポートを送ってくださり。あなたはわたしの言葉を「好きです。読んでます。」とそれよりももっとたくさんのメッセージと共に送ってくれました。好かれているとも、そこまで読まれているとも思っていなかったわたしは、その時まで持っていた自分の器がどれほど小さく感じたことでしょう。あなたがわたしのnoteをフォローしてくれた日、やっぱり嬉しくて、でも自分が消えてしまいそうで。あなたの姿をずっと見ていたくて。そしてわたしはあなたのnoteのこと、そしてあなたのことが好きで仕方がなかったのです。



苦しくて、でも目の前にいるひとみさんが美しくて。わたしは賑やかな会場で、誰にも気づかれないように涙を流していました。本当は泣きたくなんてなかった。でも泣いてしまった。ひとみさんになりたかったから。わたしはずっと近づきたかったから。泣いて構ってもらいたかったわけではありません。わたしもいい大人です。それでも我慢出来ませんでした、ひとみさんのことが好きだったから。

もう、涙は止まりませんでした。
折角かぶってきた帽子も 意味をなさないほどわたしの髪の毛は汗で乱れ。どうしようもなく心がひとみさんに持っていかれていました。



ただ、書いてきた手紙は渡しませんでした。

そもそもわたしは、それを読んでもらうだけで逃げようとしていたから。目の前では言葉にせず、字でひとみさんに訴えようとしていました。けれど、ひとみさんの目の前でわたしは全て自分の声と言葉で伝えることが出来ました。それはひとみさんとだけではありません。note酒場でお会いした方はきっと自分の声と言葉で、そして目の前で伝えていたと思います。手紙という存在が、もちろんなくなってはほしくないものではあります。それでもひとみさんを目の前にしたわたしはそれを超える、そして肌に届く言葉を見つけることが出来たのです。



泣いてしまったわたしの手をとってくれた、そのひとみさんの手は会場でわたしが握手をした誰よりも温かかったです。肌が包まれるように優しく、ひとみさんの顔を見ずともあなたがひとみさんであることがわかるような気がしました。ひとみさんにありがとうと言ってもらえたこと、そしてわたしの言葉が好きだと言ってもらえたこと。それを目の前で聞くことが出来たわたしは、幸せでした。


わたしはずっと忘れません。
しりひとみさんに嫉妬していたことを。
これからもひとみさんは輝きを増し、もっと存在を高めていくのだと思います。ただわたしはその場で思っていたこと、それを帰りの電車でエリオさんがTwitterで言葉にしてくれていました。



もう、これを読んで胸が苦しくなりました。涙はその日枯れたかと思っていました。それなのに、残っていた瞼の裏から一滴、溢れていました。ずっと、悔しい。でもわたしが書くことを仕事に出来るまで。そして出来た後も、忘れないでいたい。そんな"満島エリオ"と"しりひとみ"でした。



最後の最後まで、話したい人と話すことが出来ました。noteを知っていたのに話すことが出来なかった人もいて。でもそれも含めてこれからも、noteでも他のイベントでも顔を出す切っ掛けになるのかなと思います。

そしてnote酒場終わり頃に周りの方が最後のビールを嗜む中。わたしは少年Bさんに、わたしにとって救われる言葉をくれました。BさんはわたしとはまだnoteもTwitterも最近相互になったばかりです。それでもBさんはわたしのnoteを読んでいてくださり、そして言葉を渡してくれました。


「いちとせさんは他の人の分まで悲しむことが出来る。普通の人が悲しみきれないところまで深く書いてくれるから。だから似た道を歩んだ人がついてきてくれるんだと思う。でも悲しむだけじゃない、もっといちとせさんから出てくる言葉をみんな待っていると思いますよ。」


悲しむこと、無駄な気がする時もあります。当たり前ですが好きで悲しんでいるわけではありません。共感なんて投げ捨てて、わけのわからないバッドエンドだってこの世には沢山あります。

整った文章も言葉も良い。仕事で書く言葉も、好きなことを好きなだけ書けるnoteも意味は違う。ただ"その人"が書いた文章だからこそ読まれる、そんなことに大切な意味はある、そう思いたかった。


書くことをする人生は一種類ではありません。無数に分かれたその人生の、わたしの歩みたい一本が少しずつ見つかってきた気がしました。


Bさんを知ったわたしのきっかけでもある「あなたはいま、書くのがたのしいですか?」の記事。これはいつまでもnoteで読まれ続けるものだと思います。誰よりも話しかけやすく、そしてひとりひとりとBさんは向き合っていました。

1対1の関係を、作っていきたいんだよ。

とあるnoteでBさんが残していた言葉通り、わたしは愛をいただいています。本当にありがとうございました。



もう、書き足りなくて。
もっと他の方とのことも書きたかったのですが、これ以上はわたしの実力だとまとめきれず。

ただnote酒場の会場で声をかけてくださった方、そしてnoteを書いている方へ伝えたいことがあります。noteは別にいつまでも続ける必要はわたしが言うまでもなく、ないと思います。好きなことを書いて。書きたいことがなくなるときもある、それは別に悪いことだとは思いません。それでももしnoteを書いていたくて、文章や言葉を持って生きていたいと思った瞬間があるのであれば、noteはなくても繋がっていられるのだと、そう肌で感じています。


今、こうしてnoteにいること。書いていること。


楽しいことも沢山あります。
それでも苦しいことが舞い込んでくるでしょう。わたし自身も、自分の心がわけもわからず壊れてしまいそうになったことがあります。

一週間ほど前に、わたしは書くことで身体に影響を及ぼしました。それについては「書くことが出来なくなってしまいました」の記事でも書きました。自分は驚くことにあまり考えていなかったのですが、心と身体はひとつになっているものです。


わたしはnoteを書いていない、noteを知らない人にも「繊細ですね」と言われてしまうことがあります。これは良いことにも悪いことにもなりえます。文章を書く上でそこを読んでくれる人は多く集まるかもしれません。ただ、長くは続かないでしょう。


自分のことを愛し続ける。
それはとても難しいことです。
わたしは読まれることだけを愛に置き換えてしまうこともありました。ひとりだけでは、ひとつのnoteだけでは自分を愛する、そして愛されることは出来ないのでしょう。飛躍的に伸びて輝いたnote、それも当然素敵です。ただそれより、わたしもあなたも書き続けていることが愛されるべきなのでしょう。


noteは好きです。
ただnoteは勿論、わたしは"あなた"を愛したい。
あなたには"いちとせしをり"を愛してほしかったのです。


note酒場、本当に大切な時間でした。
特に運営の方には感謝の心でいっぱいです。
自分がnoteを持って、誰かを大きく引っ張れることはまだ出来ませんが。それでも書いて、そこまで行きたいと そう強く想っています。


そして最後に、わたしにとって会場を誰よりも盛り上げてくれたのはillyさんでした。そのillyさんが酒場当日の朝にあげたわたしのnoteに、素敵な帯をつけてくれたのでそれを紹介して終わります。

本当に、本当に皆さんありがとうございました。



noteでまたお会いしましょう。

「それなーー!」


書き続ける勇気になっています。