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何度でも読みたい

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何度でも読みたいすてきなnoteたち。
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2020年3月の記事一覧

それでもまだ遅くない。後悔はきっと幸せの前フリなんだ。

それでもまだ遅くない。後悔はきっと幸せの前フリなんだ。

そして、1冊の本になりました―――

不安なのは、君が本気だからだ。

受験に落ちた、就活に失敗した、失恋した、試合に出られなかった、コンペに負けた…人生は「選ばれない」ことの連続かもしれない。でも、そこから新しい一歩が始まっている。

2023年3月29日 刊行 ダイヤモンド社から出ます。
『あの日、選ばれなかった君へ 新しい自分に生まれ変わるための7枚のメモ』

ぜひ手にとっていただけたらうれ

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ことばに引きずられないために。

ことばに引きずられないために。

これは現在取り組んでいる本に詳しく書くことだけれど。

書き上げた原稿を手直し(推敲)するにあたってぼくは「すべての原稿には過不足がある」との前提に立って、それを読み返す。文章の過不足とはなにか。具体的に言えば「盛り」と「漏れ」である。推敲される前の、勢いで書いただけの原稿にはかならず「盛り」があり、「漏れ」がある。これはもう何十年書くことを仕事にしていようとつきまとう宿痾のようなものだ。

この

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採血の針が教えてくれたこと

採血の針が教えてくれたこと

ケチな先輩がいた。
いや、コスト意識の高い先輩といったほうがいいだろうか。

こんなにガーゼいらない!
このサイズの傷なら2枚4つ折りで十分でしょ。

とか

どうして2ccの薬液を吸うのに、5ccの注射器を使うの?
2.5ccの注射器で吸えるでしょう?

とか

エンゼルケアのコスト、ちゃんととった?
エンゼルケアは保険適応外の処置。
病院の純利益になるんだから。

といった具合だった。

新人

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もう、わたしが"いちとせしをり"って、言ってもいいよね

名前は、命のよう。

「しをりさん、おはようございます」

キッチンから声が伸びてくる。眠っていたようだ。とんでもなく幸せな夢だった気がする。たしかわたしには好きな人がいて、その相手はわたしのことを愛してくれていた。

「いただきます」

彼の言葉は、羽毛のように柔らかい。窓から降り注ぐ光を食べる。花瓶のような雲だった。一口が小さくても、怒られない。ゆっくりと取る食事は、わたしが生きていることを許

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一番痛いのは、きっと私じゃない。

一番痛いのは、きっと私じゃない。

夜の空気は、昼間のそれより少し哀しい匂いがする。物音は消え去り、光も少なく、刻々と深まる闇がこちらに近づいてくるような気がする。

それでも、私は夜が好きだ。静けさも、暗闇も、慣れてしまえばむしろ落ち着く。月灯り。星灯り。どれだけ見つめていても目が痛まないその光には、不思議な力がある。

車で夜を過ごす生活にも、だいぶ慣れた。明け方まで起きていて、空が白んできたらようやく眠る。少し眠ったら、簡単な

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歴史を学ぶ意味

歴史を学ぶ意味

中国の上海にいたとき、街中でたまに差別に遭うことがあった。

「日本鬼子(日本の鬼の子)」という差別用語が中国に存在する。世界大戦時に日本が攻め入り、鬼のように酷いことをしたというのが所以であるらしい。私は鬼滅の刃を見ると、一瞬、薄らとそのことを思い出す。あれは鬼退治の話だが、人間を鬼と表現するなんて、よほど怨念の絡んだ歴史だと子供ながらに理解した。

当時は特に日中関係が悪い時期だったからだろう

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『無辞典』【#ない】

『無辞典』【#ない】

前書きこの辞典は、現実に【#ない】ものを集めたものであり、登場する人物、団体名、名称等は実在のものと一切関係ありません。これまでに【#ない】のタグをつけて発表され、マガジンに集められたものに加え、辞書編纂にあたり、新規に追加されたもので構成されています。

《あ》 『朝ドラ』
1964年から1972年までアメリカで全254話が放送されたテレビドラマ。正式名称は「(連続テレビ小説)朝からドラゴンが来

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9年前の手紙~友からの便り

9年前の手紙~友からの便り

9年前、故郷に住む友人から手紙が届いた。正確にはメールだったけれど、私はそれを手紙として託された。
当時、私はネットでブログを書いていた。狭い範囲の公開制限を設けたその場所で、日々のあれこれを綴っていた。そのことを知っていた友人は、この手紙をそこで広めて欲しいと私に連絡してきた。

東日本大震災が起きてから、およそ2週間ほどが経った頃のことだった。

被災地域以外にお住まいの皆さん。

お願いがあ

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家族は超能力者とかではなくて、単に"気にしてくれた回数"が多いだけなのだろう

家族は超能力者とかではなくて、単に"気にしてくれた回数"が多いだけなのだろう

わたしは常々、何かを気にしすぎな人間だと思う。
そして、心を負の方へ"わざわざ"持っていこうとする癖がある。

今もこうして書いているというのに、他のことを頭の片隅の方で暴れさせながら、気にしている。「昨日やったあの仕事、もっと他の方法があったんじゃないか」とか「もっと今は他にやるべきことがあるんじゃないか」とか「もしかするとあの時、恋人に言ったあの一言で傷つけてしまったのではないか」とか。

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生存戦略〜回復の道のり編〜

生存戦略〜回復の道のり編〜

 前編で、マリナさんの悪の護身術について延々と勝手な解釈を述べさせていただきました。

 で、護身術について語ったはいいのだけど、改めてマリナさんの疑問を振り返ってみると

”でもこれは悪の護身術だから、精神医学・心理学的に推奨されるべきなのか分からない。精神医学・心理学的にどう位置付けられるのか、これらはのちのち心に悪影響を及ぼさないのか”

はい、後半に答えていないですね。
「これらはのち

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生存戦略〜生き延びる編〜

生存戦略〜生き延びる編〜

「怒りの下にあるのは、もっと柔らかい感情なのよ」
 大学院で心理を学んでいたとき、先生が言っていた言葉。

 傷つき、悲しさ、寂しさ。
 怒りの前には、それらの柔らかい感情があるのだから、目の前の怒りにばかり囚われていてはだめですよ。

 とても心に響いた言葉だった。

 *

 先日、ひょんなやり取りで読むことになった、マリナさんのこちらの記事。

 要約すると、

”死にたいほど辛いあなたには

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365日目に挟んだ栞が、わたしに教えてくれたこと

『エッセイ』の夢を見たことがある。

なんとなくではない。間違いなく、それだった。

風で飛ばされてしまいそうだったから、わたしは一枚の紙を挟んでいた。

今日、わたしはnoteを毎日更新して、365日目だ。ここでやっと、わたしは明確に"伝えたいこと"ができたので、書き始めている。

"自分の"エッセイばかりを書いてきた。自分の満足のためがほとんどだったと思う。わたしに好きなものは少ない。やりたい

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他人の評価とは何なのかについて一緒に考えます【エッセイ】

他人の評価とは何なのかについて一緒に考えます【エッセイ】

智春さんから急にメンションが飛んできました。いつもメンションは突然です。別に命にかかわる通知ではないので、慌てる必要はないのですが、いつも「こんにちは」くらいのフランクさで来る。それがメンションである。

どうやら私の記事が引用されたみたいで以下の記事が私の目に入った。

読んでみると一文にとても素朴な疑問があった。

どうして評価する誰かがいて、評価される私がいるんだろう。
その、評価している側

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