見出し画像

『無辞典』【#ない】

前書き

この辞典は、現実に【#ない】ものを集めたものであり、登場する人物、団体名、名称等は実在のものと一切関係ありません。これまでに【#ない】のタグをつけて発表され、マガジンに集められたものに加え、辞書編纂にあたり、新規に追加されたもので構成されています。


《あ》 

『朝ドラ』
1964年から1972年までアメリカで全254話が放送されたテレビドラマ。正式名称は「(連続テレビ小説)朝からドラゴンが来るなんて聞いてないよ」。奥さんのアマンダは実はドラゴンだった設定が受け、全世界的にヒット。日本では月曜から土曜の朝に15分ずつ放送。

《い》

『イソフラボン』
A「じゃお前からな」B「おけーいくぜ、イソ!」C「フラ!」BとD「ボン!」、A「イソ」D「フラ!」AとC「ボン!」、B「イソ!」D「フラ!」A「ボン!」C「……あっ」、B「はいダメーCの負けー」C「えーまた俺かよーもうランドセル運ぶのヤだよー(泣」

《う》

『Uber Eats』
山形県の奥地では子育ては両親ではなく、「乳母」がやるものとされ、ベテランの乳母は奪い合いであった。乳母の胃袋を掴む事がいい乳母を得る1番の得策とされ、乳母のため入手困難な食材を手に入れるための狩人が「Uber Eats」と名乗るようになった。

『うるう年』
4年に一度の周期で、スギが揃ってマイナスイオンを発生する年のこと。発見したのは日本の林学者下原恵子。「今年は不思議と肌のノリいい」、その一言をきっかけに、スギが「うるおい」をもたらす年、「うるう年」の存在を発見。花粉に苦しむ人からは認められていない。

《え》

『恵方巻き』
恵方とは、極楽浄土への道のりのこと。修行僧が一人前になる最後の関門として「恵方」の旅にでる通例がある。自分探しと通じる部分があり、人生に迷う中高年を中心に浸透。そこに目をつけた美容業界が、「恵方巻き」という髪型をプロデュースし2031年に大流行。

《お》

『大みそか』
その昔、「みそか」という太夫が吉原におり、大変人気があった。店主はより多くの利益を得るため、みそかのクローンを作ろうとしたが、どれだけ頑張っても小さいサイズしか出来なかった。大量の小さいみそかと区別するため、元のみそかは「大みそか」と呼ばれる様になった。

『おしるこ』
とある村では重要機密の秘密を守るため、紙などに書き記すことはせず、都度1人の子供を選んで秘密を覚えさせる手段を取っていた。子供は「秘密を知る子」というのが略され「おしるこ」と呼ばれるようになった。忘れるとたっぷり絞られるので「おしんこ」と呼ばれる。

『お正月』
正月(せいげつ)という名の文豪が明治時代にいた。1900年オランダより輸入された「UNO」というカードゲームの才能を開花。UNOをやらせたら右に出るのなし、ということで名をはせ、最終的には明治天皇の指南役に上り詰め、尊敬の念をこめ「お正月」と呼ばれるようになった。

『お年玉』
岡山県のヤクザ、谷林組のしきたりが発祥。敵の大将を討ち取ってきた……つまり「玉を落としてきた」時に、その労をねぎらって若い衆に金一封を渡したのが始まり。現在の日本では、年端も行かない子供を金で懐柔し、自分の派閥に育て上げるため、年明けに振舞われるのが一般的。

『オリンピック』
統計学で使われる、母集団から抽出する方法の一つ。ランダムピック、シグニピックと合わせてよく使われる。識者はこぞってオリンピックをやりたがるが、盛り上がっているのは一部だけ、という状況におちいり、使えない箱モノが残るだけの散々な結果に終わることが多い。

《か》

『書き初め』
某大手学習塾では、白紙で解答を出すことは禁忌とされ、黒く染め上げるという意味で「もっと書き染め!」という怒号が飛び交っていた。元旦に近くを通りがかった人が「最近は『書き初め』という、机に向かって何かを書くことが流行っている」と勘違いして伝わったもの。

『カクレクマノミ』
ノーザンフォレストに存在するとされている。気温が平均12度を下回ってくると強烈な睡魔に襲われ、3~5ヶ月間の間、眠り続ける能力を得ることが出来る悪魔の実の一種。何ヶ月にもわたり隙をさらすだけなので、重罪を犯した犯罪者に飲ませたりする。

『寒中見舞い』
寿永5年(1186年)から続く老舗和菓子屋「五郎丸饅頭本舗」が、行っている「寒天」や「最中」をお供えし、奉納の舞を踊る行事。長年、社外秘とされていたが、和菓子が売れなくなった90年代に、客寄せのために一般公開。毎年多くの人が詰めかける人気行事となった。

《き》

『筋肉体操』
筋肉という筋肉がみずからの意志に反し動き出し、まるで体操をしているように見えることから名づけられた特殊キノコの中毒症状。大変貴重で、これまでに全国で7例しか報告されていない。「ポマード」と三回唱えると症状が緩和されるとのことだが、実証実験はされていない。

『帰省ラッシュ』
ボクサーが試合を終えそのまま帰宅し、家にスタッフ一同で集まって厳しい反省会を行うこと。体力、気力がすり減っている状態で行う事で、身体的負荷はかなり高く、反面成果は相当に低いとされているが、今日まで続けられているボクシング界に蔓延する悪しき慣習のひとつ。

《く》

『#KuToo』
有名洋菓子店「シェ・コジマ」が作った「クーヘン(ドイツ風ケーキ)をあなたへ(Kuchen To You)」というキャッチコピーが、短文SNSで拡散される際に略され「#KuToo」という形に。広く浸透したがシェ・コジマは2026年8月惜しまれながら閉店。

『クラウドファンディング』
「何かのモノに見える雲」の写真を撮って競う子供の遊び。ケータイの普及に伴い流行。想像力と行動力をはぐくむとして、国にも推奨されている。近年は簡単に写真を加工することができるため、倫理観も同時に育むことができるとして積極的にすすめる親も多い。

『クレジットカード』
「信頼残高」を貯蓄・引き出し・使用するための必須アイテム。残高は他人から見える。親切にしたり、期待に応えると残高が増え、融通を聞いてもらったり、ミスをしたときに使用するとチャラにできる。「一生のお願い!」を使うとすべての残高を投げうつことになる。

《け》

『契約結婚』
「この契約が取れたらお前と結婚するからな」という死亡フラグ。ドラマ『釜山の花嫁たち』において、全12話の中に37回ものフラグが乱立。死亡に至らなかったのはわずかに4回であり、事態を重く見た政府は、契約結婚禁止令を発令したが、闇契約結婚が流行ることになった。

『ゲシュタルト崩壊』
「借りたのか借りてないのかどっちなのよ!」「借りたといえば借りたし……借りてないといえば、借りてない」「借りたの?借りてないの?」「……借りました」「やっぱり借りたんじゃない!あれほどもう借りないって言ったのに!」「いや俺だって最初は借りる(文字数

《こ》

『国立競技場』
4年に一度のスポーツの国際的祭典のために、大金をかけ建て直された。計画段階から資金繰りなどのために難航。結果、「席が狭い」など全体的に完成度が低く非難轟々。挙句に、流行り病のせいでスポーツの祭典が中止になり、国内最大級の無駄箱物の名声をほしいままにした。

《さ》

『SASUKE』
物が見つからない時「きっとSASUKEが盗んでいったんだ」と偉人は言った。転じて、置いたはずのモノがなくなることを「SASUKE」と言うようになる。派生語としては「NINJA」があり、なくなったモノが出てきたときに「……Oh!NINJA!」と使う。

『サブスク』
イギリスの料理家サブリナ・タカギが考案。1センチ程度に切ったガーリックパンをオーブンにいれ、低温で長時間かけて乾燥させる。その後、唐辛子と蜂蜜を適量で振りかけ、仕上げにネギのせて出来上がり。複雑で奥行きのある味わいが人気の変わり種ラスク。サブリナ家の主食。

《し》

『霜柱(しもばしら)』
家や会社での「大黒柱」に対する隠語で、「影の功労者」の意味合い。2020年代より若者を中心に流行したが、次第に意味を変え、「生贄」「人身御供」といったブラックな意味合いに。「霜柱世代」はベストセラーになり、2022年ノーベル文学賞を受賞。

『ジョージ富士川』
滋賀県を流れる雷川の支流河川。1822年に来日した宣教師ジョージ・レボルトが、富士山に感銘を受け勝手に命名。本来の来日目的はキリスト教の布教だったが、外国でハメを外し酒池肉林の上、前後不覚の状態で本国に強制送還された。元々の名前は「西川」。

『親戚のおじさん』
「久しぶりだな」「……あんた、生きてたの」「子供は元気か?今いくつだっけな?」「元気よ。もう6歳になるわ。おてんば盛りよ」「そうか苦労かけたな。今日はその、ちょっと近くに寄ったからな……」「おかーさーん!あっ……誰?」「親戚……親戚のおじさんよ」

《す》

『ストロングゼロ』
男にはどこをとってもいい部分がなく、揶揄する意味でつけられたあだ名。法律が変わり、これまではびこっていた強者たちは重い税金で身動きが取れなくなり、気づけば男は誰よりも強くなり、男なしでは夜も眠れないと言うモノも続出。諸行無常を地でいく時代の勝者。

《せ》

『成人式』
あらかじめ素体の造形を詳細に決め、顔から体まで主にオーダーメイドで一貫して作られるヒト型アンドロイドの形成方式。他に「組立式」と「抽出式」があり、「成人式」が最も高価。20年経つと長寿式典が各地で開かれるが、必ずといっていいほど動作不良で暴れだす個体がいる。

『節分』
節足動物の分裂行動のこと。分裂行動とはクモなどの節々が生え変わる際に、抜け落ちた足の方からも再生され、最終的に2つの固体に分離すること。分裂行動を起こすタイミングや種類など詳細はわかっていない。子供がクモなどをいじめていると、大量に増殖したクモに襲われたりする。

『センター試験』
プロセンター(あらゆる物事を真ん中に寄せることに生涯を懸ける人々の総称)になる為、毎年1回行なわれる資格試験。合格率数百万分の一といわれ、あらゆる困難に打ち勝つ力が必要。常に死の危険が付きまとい、合格よりも競争相手を陥れることが目的になっている者もいる。

《そ》

『卒業式』
自らに課せられた「業」を葬り去り、新たな人生の旅立ちのために行われる呪術儀式。全員で広い場所に集まり、呪文及び呪歌を詠唱し、皆伝の書をもらう。感情の起伏を抑えられず、半狂乱になるものも。「御霊詣り」として対抗勢力が押しかけることもあり、武装必須の危険な儀式。

《た》

『タピる』
「死」という文字から上部の棒を抜いたものが、転じて「タピ」となったもので、「人生ここまでだ、と線を引く」、つまり『引退する』という意味。「来年で還暦なのでタピるつもりだ」という形で使う。「タピって、旅に出ようと思います」というオヤジギャグを使うと顰蹙をかう。

《ち》

『地租改正』
土地に根差した祖先の地縛霊を、定期的にお払いして入れ替えることで、悪い気が溜まりすぎないようにする祭事。大方の祖先は大人しく出ていくが、たまに往生際の悪いものも居るので、酒宴を開き、よいしょをしたり、ゴマをすったりして、なんとか説得するケースもある。

《つ》

『ツイッター』
剣道における「掛け声」は最も大事なものとされ、自らの気合を表し、相手を畏怖させ、その一閃の威力を最大化するために修練する。叫び方は時代によって変わるが、江戸末期から流行り出した掛け声が「ツイッター!!」であり、突きでなくともこの掛け声が多用された。

《て》

『テレワーク』
「これコピー取っといてくれない?」「えーそんなの自分でやりなよ」「いいじゃんこれくらい、ちょっとやるだけだろ」「その『ちょっと』だって積もれば山になるんです」「お二人さん仲いいね、付き合ってるの?」「……あ、いやその……////」「////」

《と》

『冬眠』
「冬(とう)」という鳥は眠らず、文章に忍び込む。しかし、まさかそんなこ冬(とう)はない冬(と、う)るさい男が、冬冬(とうとう)と孤冬(とう)の冬(とう)を研究。冬冬(とうとう)、冬(とう)も眠るこ冬(とう)が発見された冬(と、う)わさされた。

『ドローン』
毎週火曜日昼2時半から放送されるラジオ番組『源之助の笑わなくていいとも』に登場した素人のラジオネーム。フルネームは「ドローン・ジョー様」。住宅ローンの支払いが出来ず夜逃げしたエピソードから命名。その後、人気者になったせいで発見され住宅ローンを払わされた。

『投資信託』
馬券予想団体「バーケンゲッツ」は共同して資金を集め馬券を買っていた。集めたお金を悪用されないため、毎回血判を押し、宣誓を読みあげ、誓約書を書く。その一連の儀式を「投資信託」と呼んでいた。誓約虚しく2014年に主催の男がお金を持って夜逃げ。現在も行方不明。

《な》

『#ない』
嘘八百を並べたて、人をたばかることを生業にしている竹の子がいるらしく、辞書まで作ると言い出して調子に乗っている始末。そんなくだらないネタに最後までついてきてくれて皆様本当にありがとう。心からの感謝の気持ちを込めて、ディズニーのペアチケット送ります。嘘です。

《に》

『二千円札』
現在流通している日本銀行券の中では最も新しいモノのひとつ。日本銀行法の規定により発行された通常の日本銀行券であり、記念紙幣ではない。流通枚数は約1億枚。沖縄では流通促進に積極的に取り組んだおかげで、県民一人一人が複数枚所有し日常的に使用している。

《ぬ》

『ぬれ煎餅』
選挙活動や、コンペの際に渡す袖の下……つまり賄賂のこと。丸い形状がお金を連想させることと、「濡れ手にアワ」という意味が合わさり「ぬれ煎餅」と呼ばれるようになる。現在では名称にのっとって、煎餅の箱の下に現金を仕込んで渡すのがしきたり。

《ね》

『年金』
年間で一番「金物ゴミ」を集めたホームレスを称える賞。また一位を予想し賭けをすること。賭けるのはお金ではなく名誉であり、当たった人から順に集めたゴミを持って帰らなくてはならない。その年の一位には「年金王(ネンキング)」の称号が与えられる。

《の》

『のれん分け』
「…8センチ」「お、攻めるねぇ」「早くしろよ」「そうだなー3センチってとこかな」「ちっちゃいねぇ」「慎重なんだよ」「じゃ5センチ」「おいおいそろそろ危なくないか?」「ほら次」「じゃぁ2センチ……ああ!」「よっしゃのれん分け!俺の勝ちだ、さあ店をよこせ!」

《は》

『バイキンマン』
岐阜競輪場に、2000年ごろから顔を出すようになったお爺さん。「金、貸してくれたら、倍にして返すからさ」が口癖。かなりの勝率を誇っていた時期もあったが、トータルではおおむね低調。どれだけ負けても口癖を忘れないため「倍金男」を拝命した。

『箱根駅伝』
その昔、箱根にひどい駅員がいた。態度が悪く、見境無く女性に声を掛けるため、耐えかねた乗客が反発。総勢50人を巻き込む大乱闘の末、当該駅員は刺されて負傷。死亡には至らなかったが結局退職。ことの顛末をつづった本が販売され大人気に。これが『「箱根駅」伝』である。

『はじめてのおつかい』
軽快でPOPなメロディー。MVも非常にキュート。極め付けはキャッチーな歌詞で「となり同士あなたと私さくらんぼ」の衝撃たるや。死ぬまで忘れないだろう。そのまま時代を代表する歌手となったのは必然である。以上、はじめての大塚愛でした。あれ?

『パパ活』
「赤ちゃんが出来たの!」と言われた日から、通うことを推奨される男性のための育児講座。基本は週に2時間ずつ全40時間程度。オムツ替えやミルク作りなど、育児にまつわる全般的なことから、家事や母体のケアまで一から教えてくれる。行かない男は末代まで呪われる。

『バレンタイン』
メレーン川下流のドネルタ地帯に産した在来種を起源として、オランダに定着して乳用種として改良された乳牛の種類。お菓子の会社で働かせるとよく働くのでバレンタインマジックと言われる。送りバンドよりもヒットエンドランを好む傾向にある牛。

《ひ》

『ひなまつり』
岐阜県の奥地では「ひなま」という、河童の様態に似た生物が沼に生息していた。釣り上げると大声で奇声を発して暴れるため、子供たちが面白がり、「ひなま釣り」は人気遊戯の一つだった。いつしか数を減らし、絶滅の懸念が生まれたため「ひなま釣り」は禁止された。

『ヒプノシスマイク』
キツネに似た新種が発見され「スマイク」と名づけられた。石のように変化することができ、お稲荷様に擬態することで、これまで発見を逃れてきた。後々、古来から言い伝えられる妖怪「ひぶのす」のモデルと認定されたため、「ヒプノシ スマイク」と改名された。

《ふ》

『Facebook』
顔認証の一般化が進み巷に広く浸透。「顔パスお願いしまーす」という会話が日常的に行われるようになる。割を食ったのが卒業アルバムであり、悪用されるケースが頻出。悪徳業者が使う卒業アルバムの隠語が「Facebook」であり、1冊の平均単価は6500円。

『ブラック企業』
様々な絵具が混ざると黒色になってしまうことから、社員の多様性が非常に高い会社のことを「ブラック企業」と呼ぶ。毎年ブラック企業大賞が行われ、優秀賞には政府の助成金が沢山もらえるため、「来年こそはブラック企業に!」は2024年、最も使用されたスローガン。

『ブラックサンダー』
(1986年 - 2002年)アメリカ合衆国生まれの競走馬、種牡馬。G1を8勝する活躍を見せ、エクリプス賞年度代表馬に選出。気性が荒く二度と乗りたくないという騎手も多い。2001年安いチョコの食べ過ぎにより太って引退。親馬の名前はアルフォート。

《へ》

『ヘアドネーション』
アンゴラ奥地に生息する「ヘアド」と呼ばれる土着民族。大のお祭り好きで知られるが、毎年定期的に行われるお祭りは少なく、「今日はサラダ記念日だから」「明日はメロン記念日だから」と勝手な記念日を作り、酒を飲み馬鹿騒ぎをする。

《ほ》

『ホワイト企業』
自社ビルをいかに白く保つか、ということに情熱をささげる企業群。毎年「ホワイト企業大賞」も開催されており、参加資格は白色の自社物件を持っていること。定義について派閥があり、純粋な「白」しか認めない純白派と、オフホワイトなども認める混色派で毎年喧嘩する。

《ま》

『豆まき』
栃木県で出来た突然変異の豆。長さ40センチほどのの棒状で、味は渋みが強く食べられたものではないが、1株から取れる量が多く、乾燥させると非常に燃えやすいことから、薪のかわりに使われるようになった豆の一種。現在、栃木観光協会が珍味としても絶賛売り出し中。

《み》

『みぞれ』
料理の味付けを間違えてしまったときに、味噌を入れて味噌味にしてしまいなさいという意味で「みそれ、みそれ」と使われていたのが、にごって「みぞれ」になったもの。名古屋の方言。気軽にどんな料理でも「みぞる」ため、名古屋の人は味噌の味しかわからない。

《む》

『無印良品』
商品は全て茶色の紙袋に包まれており中身は判別できないようになっている。おおよその形状と重さ、値段から中身を想像して購入するため、欲しいものが手に入る事はまれだが、どれもコスパに優れた良い商品ばかりのためリピーターが後を絶たない。現在全国に62店舗展開中。

《め》

『メンタリスト』
各地のラーメン屋を回り、大盛りを頼むこともせず、食べ終わってから「麺足りず!」と一言残して去っていく著名ラーメンライターについたあだな。評価も辛口であることが多く、来店お断りを掲げることを「メンタリスト・スト」と呼び、ラーメン業界では誰もが知る隠語。

《も》

『モツ鍋』
持ち手がない鉄の鍋を使い、チャーハンを作らせるという中国内槽拳に古来より伝わる悪名高き修行の一つ。鍋の熱さに負けず、美味しいチャーハンを作ることが出来るまで何度もやり直しをさせられ、止める事は許されない。誰も得をしないのでいつしか廃れ、そのまま無くなった。

《や》

『八重歯』
乳歯の後ろに、また乳歯が生えてくる奇病。最終的には八層に連なって歯が並ぶため八重歯と呼ばれる。抜くには数が多すぎるうえ、永久歯が生えてくると自然と全て抜け落ちるため、あまり問題視されることはない。親しみを込め「ジョーズくん」「MEGちゃん」などと呼ばれる。

《ゆ》

『YouTube』
全身を機械に入れ替え、電脳化することが一般的な現代において、意中の相手と物理的に繋がることが神聖な事とされている。そのために使われるケーブルが「YouTube」であり、元々高価な商品だったが流行と買い占めにより、今では車より高額で取引されている。

《よ》

『米津玄師』
(慶長9年9月11日~寛永20年10月19日)享年39歳。江戸初期にかけて活躍した臨招宗の僧。文献「昇天空水滸伝」においてその存在が描かれており、髪の毛を主食としていたなど、数々の奇行が話題。現在でも人気のある僧の一人。来春、再アニメ化が決定している。

《ら》

『LINE(ライン)』
当初は、連絡を取り合うためのメールの進化版として広く受け入れられていたが、いつの頃からか日夜を問わずイケメン芸能人に甘い言葉をささやかせ、全国の女子たちを誘惑することに躍起になり、その夫や彼氏などに浮気を疑わせている罪作りなアプリの名前。

《り》

『リアル脱出ゲーム』
「ねぇ聞いた!?坂本さん来月辞めるらしいよ」「え、ウソっ!この前辞めないって言ってたのに」「あの上司の下じゃあねぇ」「いやそうだけど、坂本さん居なくなったら、そのツケ全部こっちに回ってくるんでしょ?」「まぁーねー」「無理、もう無理!私も辞めるー!」

《る》

『ルッコラ』
ケニア発祥の打楽器。豚などの動物の骨を組み合わせた複雑な構造になっており、400以上の音を出すことが出来る。これは電子楽器を除くと、現在ある楽器の中で最大の音数である。反面、使いにくい、見た目が気持ち悪い、などの不評が多く、ルッコラ弾きは希少価値が高い。

《れ》

『レンタルおやじ』
主に定年を迎え仕事もなくなり、日がな一日家に居る『おやじ」を、お金を払ってレンタルしてもらうサービス。「お金を払ってでも出て行って欲しい」と言うニーズと、「はした金でもくれるなら、面倒くらいみる」というニーズを結びつけた新しい仕事の形。

《ろ》

『ロイヤルホスト』
ホストの売り上げごとに授与される称号。下からブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ブラックとあり、ロイヤルはその上に位置する最上位。売上高、月間1億円以上が目安とされ、全国的にも数人しか存在しない。売上に目がくらみ「俺か、俺以外か」とか言い出す。

『ロボコン』
表向きは「ロボットコンテスト」だが、実態は使えそうな高校生を見繕って、自社に引き入れようとするスカウトたちの戦場。技術力以上に、チームを率いる統率力やコミュニケーション能力を見ていることが多く、スカウト会議では、甲子園さながらの熱気を持って視聴する。

《わ》

『和三盆』
古来より存在する、日本3大盆地の総称。秋田の「横館盆地」、富山の「大政盆地」、鹿児島の「七番盆地」の3つであり、景観、大きさ、影響力の3要素を鑑み、全日本盆地研究連合会(NBA)が選出。選者の趣向によるところが大きく、毎年ランキングが入れ替わる。

『ONE TEAM』
世界的ゲーム大会「RVO 2028」において、「Battle Of The Company」の優勝決定戦が行われ、接戦につぐ接戦で決着がつかず。協議の上どちらも優勝という円満解決が美談として大拡散。その合言葉となったのが「ONE TEAM」である。

《を》

『ヲタク』
再開した幼馴染はイケメンなのに重度のゲームヲタク。隠れ腐女子のヒロインの趣味に理解があって「ヲタク同士で付き合ったら快適なのでは?」で、晴れて付き合うことになって紆余曲折がありながらも結局ハッピーエンド……なんてそんな結末は現実のヲタクには存在しないのです。

《ん》

『ンビラ』【#ある】
タンザニアの「リンバ」など、木の板に鉄や植物でできた鍵盤状のものが取り付けられた楽器の総称。ショナ語。形態は様々だが、日本の雑貨店でも見ることができ、ぴょーんという音がして楽しい。私が夜店で買ったあの「ンビラ」はどこに行ったのか、今となっては誰もしらない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『無辞典』(第六版)

2020年3月14日 初版第1刷発行

著 者    竹野きのこ
発行者    竹野きのこ
発行所    木鋸書店
装 丁    こげちゃ丸
本文デザイン 竹野きのこ

Special Thanks こげちゃ丸

落丁、乱丁の場合は著者までお知らせください。謹んで差し替えさせていただきます。本の内容に関する質問・叱責・激励・罵倒等は、著者・竹野きのこまで、コメントもしくはシェアにてご連絡いただきますようお願いいたします。


#ない #辞書 #創作 #嘘 #cakesコンテスト2020

「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)