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雑説

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粗雑な私説です。
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統合失調症の詩学

統合失調症の詩学

心の哲学の問題系の一つに、心的原因と物理的原因は同一のものであるか? というものがあります。これは極めて難しい問いで、完全な形ではこの問題の答えは未だに出ていません。

例えば、心的原因なるものが物理的原因から「独立」して存在しているのだとすれば、如何なる物理的原因もが排された場所にも心的原因は存在している可能性があることになります。そうした「可能性」は具体的に何を意味しているのか? 如何なる物理

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目的志向型の哲学

目的志向型の哲学

世の中には色々な種類の方がいらっしゃいますが、この記事ではその中でも「目的志向型」の人たちについて考えてみようと思います。

目的は人が果たすべき物事を設定することで、その進むべき道のりを示す機能があります。つまり、目的を志向する人たちはこうした目的の概念の機能を使用する頻度の多い人々であると言えます。

では、目的というのはどのように生成されるのでしょうか? これには様々なパターンがあるように思

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学問と芸術

学問と芸術

学問は主に知を探求し、芸術は主に表現を探求します。

これらはどちらも重要な行為で、自転車の両輪のようなものでもあります。

例えば、どんなに知識があってもそれをこの世界に何らかの仕方で表現できる能力がなければその知識を活かすことは難しくなるでしょう。逆に、何かを表現しようとしても何の表現したい対象も持たない場合にはその表現能力は宝の持ち腐れになってしまう可能性が出てきます。

なので学問と芸術に

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陰謀論について

陰謀論について

陰謀論というのは色々な物事を何かの陰謀であると考えるスタイルのことです。これはこれで思考のスタイルの一つとしてアリだと私は思うのですが、問題はこれらの陰謀論の活用がすごく難しいことです。

陰謀について考えるということには、隠れている現象について推理を正確に行使できる類の能力が必要になるので、ある意味で目に見えない現象を的確に洞察する論理的な能力が重要になります。

そうした正確な推論能力を欠いた

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アウトプットの最大化について

アウトプットの最大化について

インプットとアウトプットを最大化するための理論について考えていて、結論から言うと、多分これは一面的な「最大化」という概念から一旦はメタ的に距離を取ることが逆に大切かもしれないと思いました。

インプットの量はアウトプットの量に依存的であるように思います。また、逆にアウトプットの量もインプットの量に依存的である面も大きいようにも思います。

つまり、インプットが多いほどアウトプットが多く、アウトプッ

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Duolingoの感想

Duolingoの感想

この記事は語学の勉強アプリであるDuolingoを使用してみての感想です。結論から言うと、Duolingoはとても勉強になるように思います。

個人的に特にいいな、と感じたのは、Duolingoの「文字」の勉強のパートですね。もちろん話したり、発音を学ぶのにもとてもいいように思います。

文字を実際になぞって書くパートがDuolingoにはあるのですが、その様子がとてもダイナミックで印象に強く残り

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見通す力

見通す力

ニュースを見ていて、 'TSMC' って何かな……と思って調べてみたんですが、どうやら 'Taiwan Semiconductor Manufacturing Company' のことみたいですね。日本語に訳すと「台湾積体電路製造」のことらしいです。また、 TSMC は台湾にある世界最大の半導体受託製造企業なのだそうです (Wikipedia 「台湾積体電路製造」の項より、2024年4月3日時点)

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「死刑」を越えて……

「死刑」を越えて……

いわゆる「死刑制度」については様々な論点があって、とても難しい議題ですね。私の立場は死刑制度に反対するものなのですが、この記事ではそれについてなるべく簡潔に示せるように頑張ってみようと思います。

死刑制度を存置する理由として一般的なものに対する私の反論を逐次に述べてみます。

「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」という指摘について。

これについては、私は次のように反論します。「何かの現象につい

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カフカによる「毒虫」の表象

カフカによる「毒虫」の表象

今日はフランツ・カフカの著作の一つである『変身』における「毒虫」の描写について考えたことを軽く書いてみようと思います。以下は『変身』の原文からの引用です。

以下は青空文庫にアップされていたカフカの "Die Verwandlung" の和訳です。

以上の文章から、カフカの『変身』においては、物語の開始の時刻は「朝」ということになっていますね。私の感じ方だと、朝と言えば、なんとなく清々しい気分を

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学歴のヒエラルキー

学歴のヒエラルキー

一般に、「学歴」は何らかの数値によるランキング形式で示されており、イギリスやアメリカのような英語圏の大学をトップクラスのものとして、その下位に他の大学が並べられていきます。

世界大学ランキングによれば、世界一位の大学はイギリスのオックスフォード大学とされています。

世界におけるトップクラスの大学としては、ハーバード大学、ケンブリッジ大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学の四校を挙げ

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タイミング

タイミング

物事にはそれぞれに「期限」というのがあって、そういうタイミングを上手く見極めるのは難しいよなと思います。

食べ物にも賞味期限がありますし、人生にも寿命のようなものもありえます。音楽もリズムを取るタイミングがずれていくと成立しませんし、絵を描くのにもある程度はその人の体質ごとに適したタイミングもあります。

どんな物事にも適切な「時期」というのがあって、そのタイミングが遅すぎても速すぎでもよくない

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自己責任と遺伝

自己責任と遺伝

何かの現象が自分の人生に生じてくる時に、それが自分の責任の問題なのか、それとも自分には責任のない問題なのか……ということがしばしば問題になりますね。

この問題はとても難しいのですが、すごく簡単に言うと、遺伝要因に基づく現象はその人の自己責任では「ない」ものになります。この場合、その現象についての当事者の責任は免除されるわけですね。逆に、遺伝要因ではなく、自分で変えられるレベルの環境要因とか努力要

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超富裕層ということ

超富裕層ということ

この記事はいわゆる「超富裕層」な人たちについての私の「想像」です。私は彼らについてよく知っているわけではないので、その有り様については想像することしかできません。私は無力です。

だけど、そういう無力な「想像力」が色々な物事に手を差し伸べてくれる、あるいはそういう拙い、穴だらけの想像にこそ助けられるものもまたあるかもしれません。

私はいつも、そういう弱さの持つ強さに賭けているのかもしれません。

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有料記事の哲学的意義についての概略

こんばんは。今日の記事では「有料記事」の概念について考えてみたいと思います。そして、mawarimonoの初の有料記事にしてみようかな……と思っています。ただ、例によって私にはさほどの才覚はありませんので、それほど大したことが書けるわけではありません。なので、金銭的に余裕がある方でmawarimonoに少し援助してもいいかな……と思われる方がいらっしゃれば、戯れにご購入ください。とは言え、私は今ま

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