幻想と現実
最近色々なことを思うのですが、例えば語学をしていて、ある単語が別のシニフィエを指示する時に、その指示を実質的に固定しているものと、社会的に固定しているとされているものとは異質なんだな……というのが不思議です。
実質から社会は大なり小なり乖離しているのが普通だと思うのですが、この差異はどこから産出されているのだろう? と問うと面白いです。ソシュールやブルデューのアイデアを合わせてみていくと色々な発見がありそうです。
例えば、殺人の禁止は法律の基礎的な原理の一つですが、これにさえも異議を唱える人は存在しますね。つまり、社会的な固定指示と実質的なそれとは異なっているということです。この現象はとても不思議で、それと言うのも、私たちの社会というのは一種の「共同幻想」により営まれているということになるからです。「現実」でなくて。
こうした社会的なフィールドでの幻想の強さというのはおそらく人間の進化に有利な特性だったのだろうとは思うのですが、やはり不思議ですね。
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