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食べ物執着エッセイ

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食べ物のことが全然メインじゃない映画、本、世の中の事象・・も全て食べ物視点でしか見ていないエッセイ - ただいまmaricafejp.com にコンテンツちょっとずつ移動中。
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#コラム

大統領の食卓

大統領の食卓

食は人をあらわすといいますが、去年選挙中にこんなnoteを書きました。

そして今年、トランプのおっさんが新たに大統領に就任してしまいました。今回は食べ物以外の話はぐぐぐぐっと我慢して・・

超潔癖、野菜嫌い、っつーか食べ物にあまり興味なし。こんなおっさんが居座るホワイトハウスでの食事は、どんな感じになっていくのでしょう。

ケーキぱくっちゃいましたと思っていたら、就任式では、オバマの就任式の時の

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食中毒シリーズその2:ファラオの呪い

食中毒シリーズその2:ファラオの呪い

私がnoteに書いている文章の中で最も読まれている記事歴代2位にまで上り詰めてしまった食中毒シリーズ。今回は(症状が)軽めのやつです。

🚽

ぼちぼち色々な国を旅する機会があったけど、その中で一番食べ物がイケてなかった国はどこかと聞かれたら、迷わず「エジプト」と答えるでしょう。

イスラエルで開かれた友人の結婚式に出席したついでに寄ることにしたエジプト。

イスラエルではビーチで飲み騒ぎ、アジ

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食中毒シリーズその1:病院は4度聞く

食中毒シリーズその1:病院は4度聞く

序章はこちら

友人達と連れ立って、ワイン好きが主催するワインテースティングの会に参加した。毎回テーマがあり、それに合わせて皆でワインを持ち寄るのだが、その日のテーマは「10ドル以下で買えるワイン」。

安く買える美味しいワインを皆で探そう・・という趣旨だったが、主催者の小さなワンベッドルームのアパートには50人ほどが押しかけて、中庭で騎馬戦を始めるもの、家の中にあったヌンチャクを振り回すものも現

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食中毒シリーズ序章〜嬉しくない大当たり

食中毒シリーズ序章〜嬉しくない大当たり

朝、仕事に行く前に旦那が「今日のコーヒーの淹れ方失敗した、味が全然違う。エスプレッソは難しいな」と言いながら出ていった。

起きてきた子供に朝食を食べさせ牛乳をコップに注いだ。コップに注がれた牛乳を子供は「ごくっ、ごく」と音をたてて2回ほど飲んだ後で

「・・ママ、この牛乳バナナの味がする」

鼻を近づけるともう紛れもなく牛乳は・・・腐っていた。これをバナナと表現する子供の味覚面白いな…っていうか

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ビッグナイト・幻のティンパーノ

ビッグナイト・幻のティンパーノ

旦那の実家は家族経営の小さなレストランをやっていた。そのせいか(いや絶対そのせいなのだけれど)、どうも中華料理屋やインド料理屋など、いかにも移民による家族経営零細企業のレストランを見ると、ちゃんと客が入っているか気になってしまう。

特に西海岸と比べてアジア人がマイノリティであるワシントンDCに住んでいた頃は、美味しいのにお客があまりいない、という移民系のレストランに時々遭遇することがあった。

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Happy Holidays、お祝いそれぞれ

Happy Holidays、お祝いそれぞれ

「最近のアメリカでは、キリスト教徒ではない人にも気を使い、メリークリスマスではなくHappy Holidaysと言います気をつけましょう」というツイートを目にしました。

そういえば我が家に来たカードもメリークリスマスって書いてあったの3割ぐらいだったなぁ。自分もアメリカで社会人をやって少なくても10年ぐらい、Happy Holidaysは使ってるなぁ。

でも実際体感として、ポリティカル・コレク

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人生で最高の食事、弱った編

人生で最高の食事、弱った編

子供が生まれるちょっと前、冬休みに日本に里帰りしたついでに、夫と初めてベトナムを訪れた。

カリフォルニアの天候に慣れきった体は案の定、暖房の行き届かない真冬の日本の家で風邪をひき、出発前に発熱。ギリギリまで寝込んでしまった。

見知らぬ環境、見知らぬ土地で病気が悪化したらどうしよう、とパニックになったが、有難いことに、弱った体に1月でも暖かいベトナムの空気は優しかった。あれだけの量のオートバイが

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左宗棠さんの鶏

左宗棠さんの鶏

食べ物のことばかり考えているせいか、結婚した相手も気づけば中華料理屋の息子さんでした。

義理の両親は既に引退してはいますが、昔はニュージャージーで家族経営の中華料理屋をやっていました。元シェフの義父はもう81歳ですが、今でも家族が集まるとどどーん!と美味しい中華、というか広東料理を作ってくれます。

アメリカの中華料理といえば、最近パンダ・エクスプレスが日本に進出したというニュースを見てちょっと

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食事マナーのコードスイッチ・常識はひとつじゃない

食事マナーのコードスイッチ・常識はひとつじゃない

当然のことながら、土地や文化が変われば食事のマナーも変わる。

個人的にはこれを強く感じたのは、西洋よりも中華や韓国料理に対してかもしれません。

お箸でご飯を食べるという点では似ている文化だからこそ、細かい違いに逆にビックリしたり困惑した気がします。

初めてうおっ!これは!と思ったのは大学の卒業旅行で台湾に行った時。夏の短期留学で知り合った台湾人のクラスメートを頼って、ひとりフラフラと台湾に行

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美味しいお店、どうやって見つける?

美味しいお店、どうやって見つける?

人間一度に食べられる量には限度あり。1日に食べる回数もまあ3回。食い意地が張っているのか、何なのか、一生に食べられる回数なんて限られているのに、外食で失敗した時のガッカリ感の半端なさはありません。特に旅先でそういうことが起きると、かなり引きずってしまう・・。

ちょっと前にnoteの有名どころ(?)の皆さんも、美味しいところのおすすめを探すためのサービス案を色々出されておりましたが、皆さんはお店、

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政治家と食べ物

政治家と食べ物

ワシントンDCに住んでいた時、家の近所のタイ料理屋さんのウィンドウにこんな内容の雑誌記事の切り抜きが貼ってありました。

トム・ダシュル上院議員の好物はタイ料理。甘い、辛い、しょっぱいなど色々な味が混ざっているのが好き。一方トレント・ロット上院議員は色々な味が混じるのは嫌い。違う味の食べ物同士が触れないよう細心の注意を払う。いわば食べ物隔離主義者(Food segregationist)。

私が

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食べ物執着コラム トップ5

noteに色々書きなぐっていますが、自分の中では「食べ物のことしか考えていないエッセイ」というマガジンがメインのつもりです。

これを書き始めて気がついたのですが、「食べること」「料理すること」も好きですが、何より「食べ物」そのものに関する執着というか、興味があるようです。

ささっとですが本やネットや人から調べたりして書くこともあるので(それがまた楽しい)、なかなか多くは書けていませんが、ダッシ

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人生最高の料理と、キッチン奴隷

人生最高の料理と、キッチン奴隷

イタリアで食べた人生最高に美味しかったお料理のことを以前書きました。今回はこの話のちょっと続き。



突然ですが、「Heat」という面白い本がありまして、我が家の愛読書になっております。

ビル・ビュフォードという、雑誌「ニューヨーカー」の編集者だった人が、アマチュアながらニューヨークで有名なイタリアンシェフ、マリオ・バターリのレストランの厨房で働き、どんどん料理人の世界にはまっていき、

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人生最高の食事

人生最高の食事

今までの人生で一番美味しかった料理は何ですか?

時々そんな話題になることがあると思います。答えは「お母さんの作ったカレー」だったり、「久しぶりに日本に帰って食べたお寿司」だったり、「急に吹雪に襲われ、体が冷えきった中ようやくたどり着いた店で食べたラーメン」だったり、「長く苦しい断食修行の後振る舞ってもらった乳粥」だったり・・。

料理そのものだけ、というよりも、その料理にありつくまでの過程や作っ

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