大統領の食卓
食は人をあらわすといいますが、去年選挙中にこんなnoteを書きました。
そして今年、トランプのおっさんが新たに大統領に就任してしまいました。今回は食べ物以外の話はぐぐぐぐっと我慢して・・
超潔癖、野菜嫌い、っつーか食べ物にあまり興味なし。こんなおっさんが居座るホワイトハウスでの食事は、どんな感じになっていくのでしょう。
ケーキぱくっちゃいました
と思っていたら、就任式では、オバマの就任式の時のケーキのデザインをパクって早速話題になっていました(笑)
Duff Goldmanは、フードネットワークという食べ物専門チャンネルで「Ace of Cakes」というリアリティ番組を持っていた有名なケーキ屋さん。毎回、これがケーキ?というような面白い形のケーキを作るので、見ていてすごく面白かったのですが、オバマの就任式のケーキは彼が作ったそう。
そんな彼が
「左が4年前オバマの就任式に俺が作ったやつ。右がトランプの。これ、俺作ってねーし」
と呟いて、わー何これパクってる!!とネット上でちょっとした騒ぎになりました。
実はこれ、DCにある別のケーキ屋さんが注文を受けて作ったそう。
そのケーキ屋さんによると、スタッフがこれと全く同じに作ってくれと、オバマのケーキの写真を持ってきたんだそう。これはあくまで参考にして新しいデザインを、と提案したものの却下されたのだとか。わざわざ完コピする意図はなんだったんでしょう、ちょっと不明です。
こちらがパクリを依頼されたケーキ屋さんのインスタ写真。ただし大きな違いは、オバマのケーキは全部本物だったのに対して、こちらは下の3段以外は発泡スチロール。
ケーキの収益は(このおっさんが大統領になることで影響を受けることになるであろう)LGBTのための人権団体に全額寄付したそうです。ちなみに収益は1200ドル。
ケーキのデザインやレシピの著作権の問題については、また壮大な別の話になっちゃいそうなので、またの機会に。
でもそういえば選挙中メラニアさんがミシェル・オバマのスピーチの一部をパクって話題にもなってたりもしてたけど・・一体何なんだろう。
おもてなしはファーストレディの仕事
今後のホワイトハウスの食の方向性については、2月27日のニューヨークタイムスでも取り上げられていました。
ホワイトハウスでは国内外から沢山のお客さんがやって来て、晩餐会でのおもてなしも大統領の重要な仕事になりますが、その舵取りをするのはファーストレディ。
奥さんの采配でその方向性は随分違ってくるようで、例えばエレノア・ルーズベルトは食にあまり興味が無く、ホワイトハウスで出される料理もひどかったため、晩餐会に出席する前に何か食べていったほうがいい、と言われるほどだったとか。
実際にメニューを考えたりするのはもちろんスタッフの仕事ですが、通常はファーストレディが試食して最終判断を下したりするのだそう。
歴代の大統領の食事にも色々カラーがあって、アイゼンハワーはあまり残り物を出さないように気を使い(大統領自身も貧しい家庭で育ったらしい)、ケネディはエレガントなフランス風(ジャクリーンケネディ自身おフランスの血が入っている)、レーガン大統領といえばジェリービーンズが名物、ブッシュパパはメキシコの影響も受けているテキサスらしく、Pork rinds(豚の皮を揚げたもの)など結構カジュアル。
クリントンはフランス料理がメインだった晩餐会メニューをアメリカ料理メインにシフトし(ハンバーガーとかフライドチキンとか食べたかったらしい)、オバマは健康志向(でもヘビースモーカーだった時期も)そしてフーディーで、今のレストランシーンに敏感だった模様。確かにケーキを注文した先がAce of Cakesの兄ちゃんだったところもへーっと思った。
今後の方向性も、トランプのおっさんの好みも知っているメラニアさん次第になるはずなんですが、彼女子供の学校のためという名目で、夏までホワイトハウスには移ってこない予定。そしてスタッフが色々食に関する質問リストを送ってもまだ返事がないんだとかで、全く何も決まっていないようです。
そんな彼女の好きな食べ物は何なんでしょう。モデル出身らしく「水と果物が得意」的なことがニューヨーク・タイムズの記事には書かれていましたが。
逆にイヴァンカのほうが子供と家庭菜園を作ったり、夫はユダヤ人なので、義理母から習った伝統的なユダヤ料理を知っていたりと、おもてなし係としてはそっちに期待が行っている感もあるみたい。本人はその役割はやらないと否定していますが。
安倍さんの食事は
そんなトランプ政権の最初のお客さんとなった安倍さんですが、フロリダのトランプ所有のカントリークラブ、Mar-a-Lagoで接待を受けています。
一体何を食べさせてもらったんでしょう、と気になって見ていたのですが、メディアに出ている夕食会の写真は、全部料理が出て来る前だったみたいで、お皿の上は空っぽ〜。
ここのレストランの通常メニューはどんな感じか調べてみようと、カントリークラブのウェブサイトを見たけれど載っておらず、Yelpに至っては色々中傷を書き込む人が増えているらしく「スタッフによりコメント随時モニター中」的なバナーが出ていました。ヒ~
ようやく画像検索で見つけた、このクラブでの大晦日のスペシャルディナーのメニューは
「ミスター・トランプのウェッジサラダ」「ラビオリ」「テンダーロインのスライスとフライパンで焼いたスズキ」デザートに至っては「ベークドアラスカ(アイスクリームがメレンゲに包まれていて、ブランデーをかけて火をつける)」
と、1950年代を彷彿させるような、良く言えばクラシック、悪く言えば古くさーいものでした。
ウェッジサラダは、レタスを丸のままざっくり切った上に、刻んだベーコンなどが入ったドレッシングがかかったもの。良く接待で日本人のサラリーマンをステーキハウスに連れて行って注文するとうおーって喜ばれるものの1つですが、まあ、単に切ったレタスです。
Kraftfoods.comより
このサラダは先日イギリスのテレサ・メイ首相が来た時にも出されたらしい。
安倍さんのほうは何を食べたかわかりませんが、クラブについているレストランを貸し切ることもなく、他のお客さん達に混じってざわざわした中で会食していたよう。
会食中に北朝鮮のミサイル発射ニュースが飛び込み、一般客の面前でわーきゃー書類に目を通して協議を始め(外のテーブルで暗かったから携帯のライト使ってw)、核のスイッチコードが入ったブリーフケースが持ち込まれたり、その様子を一般客が写真にとってFacebookにあげたりと大騒ぎになり、機密情報の扱いに問題ありと、そっちのほうが注目されることになったのは、恐らく日本にも伝わっていることと思います・・・
オーガニック菜園の行方
おもてなしも重要な仕事ですが、ファーストレディはその他にも、自分の興味にあった社会的アジェンダに取り組むことも多い。ヒラリーさんはヘルスケア改革に力を入れていましたし、ミシェルさんは、子供に対するいわゆる「食育」方面にも随分力を入れていました。
「ホワイトハウスこども晩餐会」みたいなメニューを作ったり、なにより有名なのはホワイトハウスの庭に作られたオーガニック菜園。
この菜園については、次期大統領夫人が引き継がないといけない、というわけではないので、政権が変わって潰されてしまうのではないかと心配する声もありました。一応、庭は引き継ぐという発表されて、一件落着となったようですが・・。
ミシェルさんはそこで養蜂までしていたようで、外国からのお客さんにはちみつやら庭で取れたハーブで作ったハーブティーやらプレゼントしていたらしい。
メラニアさんがそれをどこまでやるかも全く不明ですが、土いじりなんぞしなさそう・・・。
と思いきや、前出のニューヨークタイムスの記事によると、お爺さんの代までは農家だったそうで、おじいさんはエジプトの赤玉ねぎと地元の玉ねぎをかけ合わせた新しい品種を開発した人なんだそう。
ぜひ菜園を受け継いだ暁には、その玉ねぎを栽培してほしい、種を送ってお願いする、と長年ホワイトハウスの庭の維持に貢献してきた種会社の人がコメントしていました。
たまねぎ夫人ってか。なんかやらなそう。どうなんでしょう。
アメリカの今後と同様に、ホワイトハウスの食卓もまだまだ先が予測できません・・・。
おまけ:
我が家のご先祖がホワイトハウスで食べたご飯についても、ぜひどうぞ!「史上最悪の大統領」のタイトルは、書き換えられるのか?!?!
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