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テオロギア

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キリスト教、聖書、神学についてのすばらしいクリエイターさんたちの記事をあつめています。
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記事一覧

創造論と生物進化論の歴史

創造論と生物進化論の歴史

※今後もアップデートしていきます。
画像付きのものは下記のリンクで共有してます。
https://docs.google.com/document/d/1-Lu9z_QwTcOPzZ0IGw0NGyUT20gs7xRExLfMg_P_IX4/edit?usp=sharing

◆アナクシマンドロス(前611‐前547)
Anaximandros
「自然発生説」(Spon

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絵空事でしかない「正しさ」 ~J.R.R.トールキン著「ホビットの冒険」のこと

絵空事でしかない「正しさ」 ~J.R.R.トールキン著「ホビットの冒険」のこと

あらすじ中つ国の辺境の村ホビット庄。そこには牧歌的な暮らしを好むホビットという身長120センチほどの小人たちが暮らしていました。

そのホビット庄にある袋小路屋敷の主人ビルボ・バギンズの元に、ある日魔法使いのガンダルフが訪れます。

ホビットらしく「冒険なんてまっぴらごめんだ!」と思っていたビルボは、しかしガンダルフにそそのかされて、13人のドワーフたちとはるか西のかなた、はなれ山に向かうことにな

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常時接続で失われた孤独。あるいは「長い思考力」。哲学者・谷川嘉浩氏インタビュー。

常時接続で失われた孤独。あるいは「長い思考力」。哲学者・谷川嘉浩氏インタビュー。

世界が哲学に夢中だ。書店に行けば、ビジネス書にも自己啓発本にも、「哲学」という文字が踊る。特に日本では、90年代以降、いくつかの宗教的背景を帯びた事件をきっかけに、敬遠されていたように思える「哲学」。失われた20余年を経て、今、時代はなぜ哲学を求めているのだろう?

哲学だけでなく、宗教学、政治学、消費社会論、観光学、または教育学にも造詣が深い、哲学者・谷川嘉浩氏にインタビューした。

哲学は、人

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科学とキリスト教は矛盾しない ~三田一郎著『科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで』

科学とキリスト教は矛盾しない ~三田一郎著『科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで』

 2018年の出版当時から、ずっと気になっていた本書をやっと読んだ。

 著者は物理学者で、カトリックの助祭でもある。あるときから、自身が科学者であることと、キリスト教の神を信じていることは矛盾していない、ということを、一般の人に向けてどう説明したらよいかを考え続け、本書が生まれたという。

「はじめに」のなかに、以下の文章がある。
〈実は科学者のなかには、神の存在を信じている人が少なくありません

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「時間と自由意志 〜自由は存在するか〜」(青山拓央著)を読んで。

「時間と自由意志 〜自由は存在するか〜」(青山拓央著)を読んで。

そもそもクリスチャンの私が本書を読むきっかけとなったのは、「神と自由意志」という文脈において疑問が生じた故でした。
 というのも、神様は聖書の中でアダムとエバの創造と堕落に始まり、ノアの方舟の時代にも人を創ったことを悔いたり、サウルを王に立てたことを悔いたりと、ことあるごとにその「選択」を悔やまれておられました。
 もちろんそれも「人間の罪性」を示すために書かれているのだと思いますし、神は「悪

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キリスト教書をめぐる現在

あめんどう 小渕 春夫

創業の経緯と活動の紹介
 弊社は、実質2人で経営している小さな出版社です。社名についてよく尋ねられますが、「あめんどう」とは中近東で春一番に咲くピンクの花、アーモンドの和名から採用しました。

旧約聖書に出てきますが、希望と預言者(言葉を伝える役目)の象徴と言われています。親しい友人4人で創業しましたが、ちょうどデジタル化の波に乗れたのは、小規模の会社にとってよいタイミン

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文学はヨブから来てヨブへ帰るのか? あるいは人間の死と病──旧約聖書「ヨブ記」、アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』

文学はヨブから来てヨブへ帰るのか? あるいは人間の死と病──旧約聖書「ヨブ記」、アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』

「死」の文学入門~『「死」の哲学入門』スピンアウト編 第10回
内藤理恵子(哲学者、宗教学者)

『誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門』著者、内藤理恵子氏の寄稿によるスピンアウト企画「『死』の文学入門」。いよいよ第10回、最終回となってしまいました。
最終回では、「人間であるとはどういうことか」という究極の問いに対する答えを、旧約聖書「ヨブ記」と、SFの名作『幼年期の終わり』から探ります。

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