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映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』ヴィム・ヴェンダース監督
戦後ドイツを代表する芸術家アンゼルム・キーファーのドキュメンタリーと言っているが、映画監督のヴィム・ヴェンダースがキーファーを素材に料理した映像作品と呼ぶ方が適切ではないか。そしてその手法は功を奏していると思う。
キーファーが自身の広大なアトリエ(むしろ倉庫)で作品制作をする様子(調べ物をする思考的作業と、巨大な作品に火を当てて焼くなど肉体労働的な作業の両方を含む)、現在のキーファーのインタビュ
映画『サントメール ある被告』アリス・ディオップ監督:「私」の存在がおびやかされる時
最近(といっても10年以上?)のフランス映画はハリウッド的なエンタメ要素も強くて見やすくて、その中でも社会問題を扱った割と骨太のいい作品もあったが、この映画は別格ではないだろうか。少なくとも社会的テーマを扱ったシリアスな映画としては数十年に1本といえる質の高さだと思う。
フランス北部の海辺の町サントメールで、生後15カ月の娘を死亡させた容疑によりセネガル出身のロランスが裁判にかけられる。作家のラ
映画『君たちはどう生きるか』宮崎駿監督
特に気に留めていなかったが、ひょんなことから見に行った。
児童文学(ナルニア国物語、不思議の国のアリスなど)やジブリ作品の要素がいろいろと詰め込まれている印象。映像はすごい(IMAXで見たせいかはわからないが、たぶんそうでなくてもすごい)。劇中音楽はややベタ過ぎ?声は棒読み的な人と上手な人が適度に混ざっていた感じ。
太平洋戦争中の話だが戦争は直接的にはほとんど描かれず、裕福な一族内の物語となっ
ロイヤル・バレエ『赤い薔薇ソースの伝説』シネマ上映
1992年の映画『赤い薔薇ソースの伝説』(スペイン語: Como agua para chocolate、英語: Like Water for Chocolate)を昔見たので(映画には原作小説があるが、読んでいない)、どんなバレエ作品になるのだろうとかなり気になっていた。
クリストファー・ウィールドン振付。フランチェスカ・ヘイワード主演。
物語をわかりやすく伝えつつ、官能的な世界を音楽や踊り
映画『裁かるるジャンヌ(La Passion de Jeanne d'Arc)』カール・テオドア・ドライヤー監督
1928年のフランスのサイレント映画。ジャンヌ・ダルクの異端審問裁判とジャンヌの火刑を描く。クロースアップ(クローズアップ)が効果的に使われている。
映画『散り行く花 Broken Blossoms』日本語字幕版 全編:1919年アメリカ、デヴィッド・ウォーク・グリフィス監督
パブリック・ドメインのサイレント映画。音楽が使われ、場面の状況やせりふが文字で表示される。上映時間は約1時間30分。
短編小説が原作。アメリカのスラム街で、中国人青年が、ボクサーの父親から暴力を受けている15歳の少女に恋をする。
アメリカ出身の同監督は、人種差別の表現が当時から問題とされた無声映画『国民の創生』(原題:The Birth of a Nation、1915年公開)も撮っている。