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世の中の中枢は崇高なロジックで動いている 〜そもそも奇襲的な侵攻を受けた被害者…当事者の ”イスラエルが“ハマス(パレスチナの方々に選挙で選ばれた)に対し戦闘休止などに向けた新提案を大人のお作法で… 当たり前過ぎて意識しなくなっていること  

〜パレスチナの方々にハマスのリコールをお願いしたい

 以下の前書きはネタバレですね。当たり前過ぎて意識しなくなっていることですが…

中東和平が叶ったオスロ合意後の2006年に、その和平を崩す

ハマスに過半数の議席を与えたパレスチナの方々の選択


という事実を再認識して頂きたいという思いも有って、筆を取ります。


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 タイムリーな話題なので…

 歴史を学ぶと例えばこんな仕打ちを受けた

ユダヤ人の方々が、基本的に極めて現実的

になるのは至極当然という考え方も理解できます。 

 しかもイスラエルに駐在していたので、良い面と手放しでは良いと言い切れない肌に合わない面もあることを知り尽くしての思いです。


 当たり前過ぎて意識しなくなっていますが、選挙でなら中東和平を崩すハマスを選んだパレスチナから

そもそも奇襲的な侵攻を受けた被害者…当事者がイスラエルなのです。

被害者から加害者への提案。勿論

歴史はそれ以前も良く考察せよと教えています。


 私の理解は、それでも中東和平を達成したオスロ合意は重要で…

小康を守っていた平和を敢えて崩し、極めて悲惨な状況になることが“容易に”想定された現状まで行き着く選択をしたこと


が今のところ理解できません。

 そのイスラエル側からの提案の話です。

 事実を正しくお伝え致したく少し長めに引用、出典も記します。
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バイデン大統領 イスラエルの戦闘休止に向けた新提案明らかに

2024年6月1日 11時47分 イスラエル・パレスチナ

アメリカのバイデン大統領は、イスラエルがイスラム組織ハマスに対し、戦闘休止などに向けて新たな提案を行ったことを明らかにしました。
ガザ地区で人道状況の悪化も続く中、交渉が進むかが焦点です。

アメリカのバイデン大統領は、31日、イスラエルがハマスに対し、戦闘休止などに向けて新たな提案を行ったと明らかにし、受け入れるよう求めました。

提案は3段階に分かれ、
▽第1段階では6週間、戦闘を休止し、イスラエル軍がガザ地区の人口密集地から撤退するとともに、収監しているパレスチナ人を釈放する代わりにハマス側が女性や高齢者などの人質を解放するとしています。

▽第2段階では恒久的な停戦や残りの人質全員の解放を進めること、

▽第3段階では復興計画の開始などが含まれているということです。

これについてハマスは、「イスラエルが提案を実行すると明言するならば、いずれの提案にも積極的かつ建設的に応じる用意がある」として、肯定的な受け止めを発表しました。

またイスラエル首相府は、「ネタニヤフ首相は人質の解放とハマスの壊滅という目標が達成されなければ戦争は終わらないとしている。条件をつけて段階的に移行するという提案はこうした原則を維持することを可能にする」などとしています。

ただ、パレスチナのメディアは、1日未明もガザ地区中部の難民キャンプへの攻撃で多数のけが人が出ていると伝えているほか、これまでの死者は3万6284人となり、人道状況の悪化も続く中、今後、交渉が進むかが焦点です。

イスラエル「人質解放とハマス壊滅の原則維持は可能」

イスラエルの首相府はバイデン大統領の演説のあとに声明を出し「ネタニヤフ首相は交渉団に人質解放という目標を達成するための提案を示す権限を与える一方で、人質の解放とハマスの壊滅という目標が達成されなければ戦争は終わらないとしている。条件をつけて段階的に移行するというイスラエル側の提案はこうした原則を維持することを可能にする」などとしています。

ハマス「肯定的に受け止めている」

イスラム組織ハマスは31日、アメリカのバイデン大統領が演説で言及した提案について「肯定的に受け止めている」とする声明を発表しました。

声明では「イスラエルが提案を実行すると明言するならば、恒久的な停戦やイスラエル軍のガザ地区からの完全な撤退、避難民の帰還などに基づくいずれの提案にも、積極的かつ建設的に応じる用意がある」としています。

国連事務総長「平和に向けた合意を強く望む」

アメリカのバイデン大統領が演説で言及した提案について、国連のグテーレス事務総長は31日、「これが恒久的な平和に向けた当事者間の合意につながることを強く望む」とするコメントを出しました。

出典
イスラエルがハマスに対し戦闘休止などに向けた新提案 バイデン大統領が明らかに | NHK | イスラエル・パレスチナ

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 正に、大人の提案。

世の中の中枢は崇高なロジックで動いている


 当たり前過ぎて意識しなくなっていることですが、パレスチナの方々がオスロ合意(至近の国際情勢を鑑みた崇高な判断)での和平を、2006年1月、第2回パレスチナ立法評議会(PLC)選挙でイスラエルを承認せず、対イスラエル武装闘争継続を標榜する

ハマスに過半数の議席を与えるという判断

をしたことで

オスロ合意での和平を否定するという意思を示した

という史実は重要です。
その辺りは以下の外務省の公式資料が参考になると思います。

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パレスチナ概況
外務省

抜粋
(5)混迷を深めるパレスチナ情勢と和平プロセスの再開と頓挫

 2006年1月、第2回パレスチナ立法評議会(PLC)選挙が行われ、イスラエルを承認せず、対イスラエル武装闘争継続を標榜するハマスが過半数の議席を獲得し、3月、ハマス幹部であるハニーヤPLC議員を首相とするハマス主導の自治政府内閣が成立した。イスラエルはPA内閣との接触を停止(アッバース大統領及びその周辺との接触は維持)すると共に、テロ資金への流用を恐れ、PAへの2月以降の関税等還付を凍結した。歳入の半分近くを占める収入源を絶たれたPAは深刻な財政難に直面し、公務員給与の未払いや公共サービスの低下が発生、機能不全の状態に陥った。

出典

パレスチナ概況
外務省

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/plo/kankei.html

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また、以下のNHKの資料は、その歴史的背景を網羅的に綺麗にまとめていると思います。
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クローズアップ現代 取材ノート
パレスチナ問題がわかる イスラエルとパレスチナ 対立のわけ

以下、一部抜粋

パレスチナの分裂とハマスの台頭

パレスチナ側では、オスロ合意後、暫定自治政府のトップとしてパレスチナをまとめていたアラファト議長が2004年に亡くなります。後を継いだのはアラファト議長と同じ、穏健派の政治勢力「ファタハ」に属していたアッバス議長です。

和平派の指導者として期待されましたが、過激派を抑えるだけの力がなかったというのが大半の評価です。それで、イスラム組織の「ハマス」に2006年の議会選挙で負けてしまいます。「ハマス」とは、イスラム教の教えを厳格に守ろうという人たちで、ガザ地区を中心にパレスチナの解放を訴えています。「過激派」と呼ぶ人も多いのですが、軍事部門でイスラエルと武装闘争を続ける一方、慈善活動や教育支援で貧しい人の生活を支えたりもしています。そのハマスは選挙に勝ったあと、2007年からガザ地区
を独自に支配するようになってしまいます。

出典 NHK

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 詰まり、パレスチナが意志を持って選んだハマスの引き起こしたイスラエル侵攻にも拘わらす、崇高なロジックで被害者のイスラエルから戦闘休止などに向けた新提案をしているという客観的な事実としての構図を共有したいのです。
(人道的レベルにまで至ってしまったパレスチナの方々の現状は気の毒、まるで第二次世界大戦の日本人)

 オスロ合意下で、イスラエルに駐在し、パレスチナ(ガザ地区)も訪問し、和平成立の実効性を現地で肌で感じた私としては、それでもパレスチナの方々がハマスを選択したという事実を重く感じています。

オスロ合意まで立ち戻って、そこから和平をお互いに崇高なロジックで再度積み上げるしかない

と、往時を現地で過ごした私としては実感として思っています。そのための行動がこのnoteへの投稿です。

平和を…

蛇足
(含再掲)
 オスロ合意で中東和平が定着していた現地に駐在した者として、差し障りが大いにあると知りつつも、上述の史実の再認識を共有すべきとの強い思いを持っています。
 目に映っている拉致されたイスラエルの方々(既にハマスによる惨殺が確認されている…)、その拉致被害者救援のために努力されているイスラエルの方々、そしてそれでも

未だにハマスを支持し、結果として極めて人道的なレベルまで厳しい状況に追い込まれているパレスチナの方々(まるで第二次世界大戦下の日本人)

という状況を報道で見るにつけ、できることから一つ一つ行動を起こしたいと思っています。先ずは、

パレスチナの方々にハマスのリコールをお願いしたい

 穏健派の政治勢力「ファタハ」の再選と中東和平への再挑戦への第一歩…

超蛇足
(再掲) 
 大いに差し障りある記述、ご容赦頂きたく…。

超々蛇足
 世論がパレスチナの人道的危機に焦点が当たっている時に、敢えてパレスチナの責任に触れるのは如何なものかということなのでしょうが…
 選択したからにはその責任というのも1つの考え方かと…

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