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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#介護

高齢者は医療に過度な期待はすべきでない

高齢者は医療に過度な期待はすべきでない

『大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】』著)中村仁一

の中に

健康寿命を伸ばすことに異論はない。

ただ必ず周囲の援助を受けながら

生きる期間がある。

その期間で大事なことは

『世話され上手になること』

が大切と書かれています。

世話され上手とは

1.自分でできることは精一杯する

2.自分でできないことをしてもらったときは相手が誰であろうと、必ず礼をいう

3.できるだけ愚

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要介護でも健康に暮らす方法

要介護でも健康に暮らす方法

健康寿命を伸ばすことには、みなさん熱心ですが、要介護・要支援になってしまうと

「もう歳だからだめだ。何もできない。」周囲も「危ないから動かないで」と考えることや行動を止めてしまいます。

これは市民講座などで健常の方に質問しても同じような答えが返ってきます。

「車椅子になったは終わり」

「認知症になったら終わり」

そんなわけないんです。

統計上は人の手を借りて生活する期間が約10年ありま

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重度認知症の方への対応

重度認知症の方への対応

「だれかー!だれかー!」

「たすけてください、たすけてください。」

とお話されるご利用者さん。

思い出(長期記憶)も断片的。かすかに覚えていることは、故郷の町の名前。むすこや、むすめの名前も思い出せない。

さっき行ったことも聞いたこともわからないし、おぼえていることができない(即時・短期記憶障害)

ここがどこかもわからない、見知った人もおらず、なぜそこにいるのかもわからない。

恐怖だと

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【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

今回は生活のバランス(作業バランス)についてお話しますね。

実はリハビリで大事なことのひとつは

生活の仕方

なんです。

生活の仕方で心身は変わるんです。

本題に入りますね。

私達の生活は以下のような要素で

構成されているとします。

生活の構成要素セルフケア(食事、排泄、入浴、更衣、整容)

生産活動(仕事・勉強、家事など)

余暇活動(趣味、休息など)

40代男性の生活バランス(

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【高齢者リハビリ】とにかく機能訓練すれば良いというわけではない

【高齢者リハビリ】とにかく機能訓練すれば良いというわけではない

訪問リハビリの現場では抑うつ的な方が

非常に多いのですが…

「若い頃はもっとできた。」

「こんなはずではないのに。」

老化や疾患による身体機能の喪失は

若い頃や元気だった頃の自分と

比較して落胆しやすいといえます。

緩やかな老化の中であれば時間をかけて

身体と気持ちの折り合いをつけられますが

疾患による突然の機能低下には

なかなか気持ちが追いつけない。

ではそこから

どんな

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【高齢期】介護・支援が必要になったときの心構え

【高齢期】介護・支援が必要になったときの心構え

老化を止めよう、遅らせようという

書籍がブームすね。

アンチエイジングは健康を保つこと

本が売れるということは

自分で自分の健康を保つという

意思の表れだと感じます。

アンチエイジング・健康を保つには

栄養、運動・活動習慣

社会交流

好奇心を持ち続けること

年齢など関係ないという思考をもつこと

などが主な方略がよく紹介されてます。

これは介護が必要になっても基本的には

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【高齢者の健康】「もう歳だから」という魔法の言葉

【高齢者の健康】「もう歳だから」という魔法の言葉

訪問リハビリの現場で時折、聞く言葉。

それが

「もう歳だから。」

です。

もう歳だから○○○○さて問題です。

「もう歳だから○○○○。」

○○に入る言葉はなんでしょうか?

たとえば

『走れない』『歩けない』
『買い物できない』『旅行できない』

など、

○○できない。

○○はもう無理だ。

という否定的な言葉が入りますね。

これが魔法の言葉です。

「もう歳だから○○できない

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【高齢期リハ】原因不明の慢性痛

【高齢期リハ】原因不明の慢性痛

訪問リハビリでは内科、整形外科的に問題がなく診断がつかなくても痛みを訴え続ける人がおられます。

痛みはその方にしかわからない、主観的で生活の幅を狭める非常にやっかいなものです。

たとえば

訪問リハビリ開始時に痛みを100点満点で1000点と表現していた方が現在は60点、70点と答えられるも「痛くてどうしょうもないんです。」と訴える方。

趣味の話をしていると全然痛みを気にしていないようにみえ

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【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

「なんか調子が悪いな。」
「〇〇が痛いな。」



「今日は動くのやめとこ。」



生活縮小が積み重なる



身体機能低下



生活縮小

はたまた

「おい、これやってくれ。」と妻に頼む夫

「わたしがしますから、おばあちゃんはゆっくりしてね。」と
嫁、娘が率先して家事などを行い、家での役割がなくなる祖母



生活縮小



身体機能低下

いずれも生活不活発病の

典型的な

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【高齢期リハビリ】利用者にとってセラピストはガチャガチャ

【高齢期リハビリ】利用者にとってセラピストはガチャガチャ

経験のあるセラピストリハビリの専門家でも

わからんものはわからん!

知らないことは知らない

できないことはできない

逆にできることは説明し

同意を得た上で進めていく。

年数が経っていくと

自分の技術と経験が

対象者とマッチするかどうかの

判断がつくようになってきます。

ある意味、白黒がつけられる

ようになります。

知らないこと、対応できないことは

勉強することが前提ですが

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【高齢期ケア・リハ】90歳変わりない生活をおくること

【高齢期ケア・リハ】90歳変わりない生活をおくること

「生活に変わりないですか?」と訪問リハビリではよくこちらの質問をします。

「変わりないですよ。」とニコッとされると

わたしは一安心します。

変わりなく生活することとは?
 特に90代の生活が安定している方が

このように答えてくださると

本当に安心します。

なぜなら

90代の方が変わりない生活ができると

いうことは

活動と休息のバランスが良く

生活不活発病になっていないという

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【高齢期ケア・リハ】生活リハビリは砂山

【高齢期ケア・リハ】生活リハビリは砂山

リハビリテーションは毎日の積み重ね

という側面があります。

生理身体面(栄養・水分・睡眠・運動)

セルフケア(食事・整容・入浴・排泄・更衣)

生産活動(家事・仕事)

余暇活動(趣味・休息など)

の積み重ねで

当人の心身が作られていきます。

そして

老化すると部分的にできないことが

増えてきます。

介護保険サービスの役割そこでこんな方法で

できないこと再開してみましょうか

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【高齢期リハビリ】傾聴・会話はリハビリとして成立するかPart.2

【高齢期リハビリ】傾聴・会話はリハビリとして成立するかPart.2

以前、訪問看護ステーションに

勤めていましたときに

「○○さんのとこ、会話してきました。」

とよく耳にしました。

また同僚のセラピストからも

「△△さんのリハビリは傾聴です。」

と聞いたりしました。

やっぱり疑問が

傾聴・会話は「リハビリ??」

かな?

Part.1もよろしければどうぞ。

積極的傾聴積極的傾聴といえばカール・ロジャースさんです。

かの有名な「自己理論」をベー

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