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マグニフィセントなnoter様

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心に響いた”マグニフィセント”な記事をまとめています。わたくしの独断と偏見で選出しております。不定期ではありますが紹介記事も書きたいなと思っております🐈
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#読書感想文

マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

ようそこいらっしゃいませ。

こちら、ネコぐらしの勉強暮らしpresents

マグニフィセントなnoter様
📒総合受付案内所📒
でございます🐈

『マグニフィセントなnoter様』とは?
文才や表現力にあふれる方が、noteの世界にはたくさんいらっしゃいます。

特に「これは皆に広めたい!」と心に響いたnoterさんをピックアップしているマガジン。

それが『マグニフィセントなnoter

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又吉直樹「火花」読書感想文

又吉直樹「火花」読書感想文

読んでみると、おもしろいの一言しか感想が浮かばない。
それでは読書感想文にならないので、もっと考えてみた。

まずは文章のテンポがいい。
セリフがアクセントになっていて、読んでいて気持ちがいい。

話すことを仕事としている人の成せる技なのか。
148ページという短い物語の中に、20歳から32歳までの12年間の場面が、流れるよう書かれて収まっている。

あとはなんだろう。
以外なおもしろさ、というの

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これから太宰治を読みたい人へ 〜「太宰治全部読む」を終えて〜

これから太宰治を読みたい人へ 〜「太宰治全部読む」を終えて〜

私は、太宰治の作品を全部読むことにした。

太宰治を全部読むと、人はどのような感情を抱くのか。身をもって確かめることにした。

前回の『地図 初期作品集』をもって、これまで約1年半にわたり続けてきた「太宰治全部読む」が、めでたく最終回を迎えた。

今回は、企画の締めくくりとして、これまでの「太宰治全部読む」の取り組みを総括してみたい。

太宰作品をひたすら読み続けた結果、私は何を思ったのか。

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人間椅子、「人間椅子」、『人間椅子』

人間椅子、「人間椅子」、『人間椅子』

 今回は「立体人間と平面人間」の続きです。それぞれが別の方向をむいた言いたいこと(断片)がたくさんあり、まとまりのない文章になっています。申し訳ありません。

 お急ぎの方は最後にある「まとめ」だけをお読みください。

人間椅子から「人間椅子」へ
 江戸川乱歩の『人間椅子』の文章は朗読に適していると思います。音読してすらすらと頭に入ってくる文体で書かれているのです。特に難しい漢語が使われているわけ

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本のミライのために、できること。

本のミライのために、できること。

スターツ出版という出版社をご存じだろうか。

透明感のある綺麗で可愛らしい表紙と、少女漫画的展開がてんこもりな小説が売りの出版社である。(たぶん。読んだことないけど)

最近だと『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が大ヒットした。
映画もかなり長いことランキングに入っていたと思う。
(たぶん。観たことないけど)

むかーし昔、その昔、『恋空』というケータイ小説が流行ったが、あれの出版社でもあ

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ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』

ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』

2023年に翻訳された小説の中ではかなり優れていたと思う、モアメド・ムブガル・サール作『人類の深奥に秘められた記憶』(Mohamed Mbougar Sarr La plus secrète mèmoire des hommes)についての小文です。

作者は1990年生まれのセネガル人で、パリ在住。本作は2021年にフランス最高の文学賞であるゴンクール賞を受賞し、フランスで65万部の歴史的ベスト

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白取春彦編訳「超訳 ニーチェの言葉」読書感想文

白取春彦編訳「超訳 ニーチェの言葉」読書感想文

ニーチェの本となると、読む前から挫折しそうな気が。
でも避けて通れない。

その名前と、昔の哲学者とは知っている
官本室にあってマークしていた本となる。

春の日だった。
手にとってパラパラとめくってみた。
文字量は少なくて、余白が多い。

1ページには抜粋がひとつ。
そこに、数行の意訳があるだけの232ページ。
これだったら読めそうだ。

実際に1時間ほどでペラペラと読める本だった。
読んだはい

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マイケル・デル「デルの革命」読書感想文

マイケル・デル「デルの革命」読書感想文

デルとは、あの『 DLL 』。
マイケル・デルは創業者。

1999年にアメリカで出版された。
2000年に日本で出版となる。

18歳で創業してから、15年で全米No.1のパソコンメーカーとなったときに口述した本となる。

絶頂期の本ともいえる。
そうして見ると、表紙のマイケル・デルは、ドヤ顔しているかのようでもある。

だから多少は割引いて読む。
が、巻頭の “ はじめに ” では、マイケル・

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歴史の嵐の中で立つこと -『ウィトゲンシュタイン家の人々』の魅力【エッセイ#50】

歴史の嵐の中で立つこと -『ウィトゲンシュタイン家の人々』の魅力【エッセイ#50】

小説やテレビドラマにあるいわゆる「長篇大河ドラマ」の面白さの一つに、一緒に登場人物と時を過ごす感覚を味わえるというものがあります。

何せ長い分、波瀾万丈なエピソードが多く、複雑に入り組んだりしているため、まず体験するこちらも時間を必要とする。そして、少々のだれ場などは問題ではなく、寧ろ、総体としての「時の印象」が重要となる、それが、一緒に時を過ごすということなのでしょう。


アレクサンダー=

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マイケル・ファラデー「ロウソクの科学」読書感想文

マイケル・ファラデー「ロウソクの科学」読書感想文

歴史的な名著、だという。
回覧新聞の書評にそうあった。

それによると、ファラデーとは、200年も前の科学者。
イギリスの科学者とのことだ。

その筋では有名らしい。
科学筋とでもいうのか。

で、ロウソクが燃える原理を説明する本だという。
ロウソクとは、あのロウソクだ。
いわゆる “ 蝋燭 ” で間違いない。

はて・・・
ロウソクが燃える・・・

それが、なんで1冊の本になるのか?
火をつける

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