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超短編戯曲・小説

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超短編戯曲・小説を不定期に書き綴ります。
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【才の祭】クリスマスケーキ(300字)

【才の祭】クリスマスケーキ(300字)

父「誕生日か。息子よ、お前はいくつになったんだ?」

子「5歳だよ、お父さん」

父「もう5歳か。じゃあ、誕生日だからお祝いするか」

子「わーい、じゃあ、クリスマスケーキ食べたい」

父「おい、おい息子よ、誕生日だぞ」

子「あれ? そうだっけ?」

父「ボケてるんじゃないか?」

子「違うよ。誕生日とクリスマスが一緒なんだよ」

父「あれ? そうだっけ?」

子「お父さんこそボケてるんじゃない

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【超短編戯曲】少年と海(300字)

【超短編戯曲】少年と海(300字)

少年は海を見たことがなかった
少年は母に尋ねた

少年「ねぇ、母さん海ってどんなもの?」

母「すごく大きいものだよ。」

少年「終わりはないの?」

母「どんなものにも終わりはあるさ。」

少年「他には?」

母「そうだね。しょっぱいものだね。」

少年「おっきいけど終わりがあって、しょっぱいものが海なの?」

母「そうだね。」

少年「なんだ、人生とおんなじだね。」

母「そうかもしれないね。

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【超短編小説】ころがるいし(300字)

【超短編小説】ころがるいし(300字)

石は転がり続けていた。

雨が振ろうが、風が吹こうが、毎日転がり続けていた。

だが、それは自分で考えての行動ではなく、ただ自然に身をまかせているだけであった。

ある日、石は思った。

「自分は何故転がり続けるのだろう?」

そう思った時、石は再び転がりたいと思える日まで、転がることを止める決心をした。

雨が振ろうが、風が吹こうが、石は微動だにしなかった。

しかし、自然に身をまかせて動かされ

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【猫と帽子の創作】我輩は猫である(300字)

【猫と帽子の創作】我輩は猫である(300字)

吾輩は猫である。名前はまだない。

ずいぶん経ったが、未だに名前はない。

気分転換に、色々試してみることにした。

人間はよくオシャレをする。

最近だと、眼鏡か帽子だろう。

真似をしてみよう。

人間は、吾輩たちの真似をよくする。

こちらも真似をしてもいいだろう。

まず眼鏡。

悪くない。

悪くないが、耳が上にあるせいか、耳に眼鏡をかけられない。

ずっと上を向いていなければいけない。

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【超短編戯曲】猫の手も借りたい(300字)

【超短編戯曲】猫の手も借りたい(300字)

助手「先生、ついに猫の手を借りる実験に成功しました。」

先生「実験が成功するとは、犬も歩けば棒に当たるだな。」

助手「そんな実験は犬も食わぬと言ってた、犬猿の仲の研究室の奴らいい気味だ。」

先生「そんなもの負け犬の遠吠え。」

助手「これで私も一犬前としてやっていけます。」

先生「この研究室の成果は私の手柄だ。犬が西向きゃ尾は東。尾を振る犬は叩かれずと言う、ここはひとつ。」

助手「私はこ

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【超短編小説】嘘つきは泥棒のはじまり(300字)

【超短編小説】嘘つきは泥棒のはじまり(300字)

「嘘つきは泥棒のはじまり」

そう母から教えられた男は、大人になっていた。

「じゃあ、泥棒に行ってきます」

男は出かけようとした時、母に呼び止められた。

「どうして泥棒をするんだい?」

母は泣きながら訪ねた。

「だって、嘘つきは泥棒のはじまりだって言ったじゃないか」

と返す男に

「そりゃ言ったけど、嘘つきが泥棒になってしまうなら、この世は泥棒だらけになってしまうよ」

と言った。

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【超短編小説】もっと高く(300字)

【超短編小説】もっと高く(300字)

男は街の権力者。

男は自分の土地に、街で一番高いビルを建てようとしていた。

金にものを言わせ、ついに街一番のビルは完成した。

満足気な男をよそに、街外れにはビルより高い山がそびえ立っていた。

男は面白くない。

さらに金にものを言わせ、その山より高いビルを建てようとした。

山より高いビルが完成したが、男はそのビルよりも高い所にある雲が気に食わなかった。

男はさらに金にものを言わせ、雲よ

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【超短編小説】ひとりになりたい(300字)

【超短編小説】ひとりになりたい(300字)

男はいつもの様に満員電車に揺られ、帰宅した。

男の家は四人家族で、昔使っていた書斎は子供部屋となり、自分の部屋は無くなっていた。

「ひとりになりたい。」

男は心からそう思った。

トイレに駆け込み鍵をかけてみたが、ポケットの携帯電話と、ノックの音が鳴り響いた。

男はどうしてもひとりになりたかった。

男は家を飛び出し、おもむろに地面に穴を掘り始めた。

携帯電話も投げ捨て、男は一心に穴を掘

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【超短編小説】27クラブ(300字)

【超短編小説】27クラブ(300字)

27クラブという言葉がある。

27歳で他界したミュージシャン達のこと。

ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン……。

27歳自称ミュージシャンの僕も、きっと彼らと同じ運命を辿ることになる。

天国でのセッションの時、英会話が必要なのではないか。

急に僕は思い立ったように英語の教科書を引っ張り出し、ページをめくり始めた。

その時ジャニス・ジョプリンは独特の声でこ

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【超短編小説】キロ(300字)

【超短編小説】キロ(300字)

人生には岐路がある。

あの時こうすれば良かったと後悔することもある。

男が一人、岐路に立っていた。男の心にだけ響く声が聞こえる。

「一度だけ、過去のあなたの道を変えることができます。」

男は半信半疑だったが、変える道について考えてみた。

変えるなら、まず学校の選択だ。今度は猛勉強して良い学校に入って、良い会社に入るのだ。

そうすれば妻も子供も今より楽な暮らしができる。

男は妻と子供の

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【超短編小説】カタツムリ(300字)

「ああ、もれる、もれる。」

男はいつもの様にトイレに駆け込み、便座に座って用を足した。

ほっとしたところで、ドアに一枚の張り紙を見つける。

「このトイレは自動爆発トイレです。便座を離れると自動的に爆発します。」

驚く男。

が、その時すでにウォシュレットの勢いが強すぎたため、立ち上がろうするのを必死で堪えていた。

何とか、ウォシュレットの電源を切る男。

「誰かの悪戯だろう。」

そう思

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【絵から小説】リハーサル(300字)

【絵から小説】リハーサル(300字)

明日、笑わなくてはいけない。

私は、笑うのが苦手だ。

明日、彼氏からプロポーズされる気がする。

今朝「大事な話がある。」とのメールが来たのだ。

「結婚してください。」と、言われたら、上手に笑わなくてはいけない。

自然に微笑み、少し驚きとハニカミを加えながら一言、

「ありがとう。」

これは難しい。

いきなり出来る気がしない。

今から鏡を見ながら、たくさんリハーサルしておく必要がある

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【絵から小説】夕焼け小焼け(300字)

【絵から小説】夕焼け小焼け(300字)

夕焼けが好きだ。

でも気になるのは、小焼け。

小焼けって何だろう?

小焼けの存在は、誰も知らない。

夕焼けに聞いてみたところ、

「知らないな。いつも後ろにいるけど、俺もよくわからないんだよね。」

と、言った。

私は、小焼けを探して旅に出た。

まず「仲良しこよし」の仲良しを訪ねることにした。

仲良しは、自宅のマンションにいた。

不機嫌そうに出てきた、仲良しに尋ねてみた。

「その

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【絵から小説】わたしとワタシ(300字)

【絵から小説】わたしとワタシ(300字)

私は、二人いる。

わたしとワタシ。

どちらも私。

ロングヘアーが、わたし。

ショートボブが、ワタシ。

仲は良い。

喧嘩はしない。

一度だけどちらが、わたしかワタシかで喧嘩をしたことがある。

理由は、些細なことだった。

ワタシの方が、タワシに似ているということから。

結局は、わたしも、たわしに似ていることには変わらないということで、喧嘩は収まった。

喧嘩の後、わたしとワタシは一

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