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#スキしてみて
【猫と帽子の創作】我輩は猫である(300字)
吾輩は猫である。名前はまだない。
ずいぶん経ったが、未だに名前はない。
気分転換に、色々試してみることにした。
人間はよくオシャレをする。
最近だと、眼鏡か帽子だろう。
真似をしてみよう。
人間は、吾輩たちの真似をよくする。
こちらも真似をしてもいいだろう。
まず眼鏡。
悪くない。
悪くないが、耳が上にあるせいか、耳に眼鏡をかけられない。
ずっと上を向いていなければいけない。
【超短編戯曲】猫の手も借りたい(300字)
助手「先生、ついに猫の手を借りる実験に成功しました。」
先生「実験が成功するとは、犬も歩けば棒に当たるだな。」
助手「そんな実験は犬も食わぬと言ってた、犬猿の仲の研究室の奴らいい気味だ。」
先生「そんなもの負け犬の遠吠え。」
助手「これで私も一犬前としてやっていけます。」
先生「この研究室の成果は私の手柄だ。犬が西向きゃ尾は東。尾を振る犬は叩かれずと言う、ここはひとつ。」
助手「私はこ
【超短編小説】もっと高く(300字)
男は街の権力者。
男は自分の土地に、街で一番高いビルを建てようとしていた。
金にものを言わせ、ついに街一番のビルは完成した。
満足気な男をよそに、街外れにはビルより高い山がそびえ立っていた。
男は面白くない。
さらに金にものを言わせ、その山より高いビルを建てようとした。
山より高いビルが完成したが、男はそのビルよりも高い所にある雲が気に食わなかった。
男はさらに金にものを言わせ、雲よ