【超短編小説】キロ(300字)
人生には岐路がある。
あの時こうすれば良かったと後悔することもある。
男が一人、岐路に立っていた。男の心にだけ響く声が聞こえる。
「一度だけ、過去のあなたの道を変えることができます。」
男は半信半疑だったが、変える道について考えてみた。
変えるなら、まず学校の選択だ。今度は猛勉強して良い学校に入って、良い会社に入るのだ。
そうすれば妻も子供も今より楽な暮らしができる。
男は妻と子供の顔を思い浮かべた。
その時、別の道を選ぶと今の妻と子供に出会うことができないと気がついた。
男は妻と今の会社で出会ったのである。
今までの苦労を思い出し、
「このままが良いです。」
そう言って男は自分の家に帰るため、
暗い道を進んでいった。
【超短編小説】キロ(300字)
この超短編小説は、以前連載していた
300字小説をリメイクしております。
9月16日〜9月20日まで、
イベント現場が立て込んでおりまして、
超短編300字小説をお送り致します。
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