【超短編小説】ひとりになりたい(300字)
男はいつもの様に満員電車に揺られ、帰宅した。
男の家は四人家族で、昔使っていた書斎は子供部屋となり、自分の部屋は無くなっていた。
「ひとりになりたい。」
男は心からそう思った。
トイレに駆け込み鍵をかけてみたが、ポケットの携帯電話と、ノックの音が鳴り響いた。
男はどうしてもひとりになりたかった。
男は家を飛び出し、おもむろに地面に穴を掘り始めた。
携帯電話も投げ捨て、男は一心に穴を掘り続けた。
もう引き返すことができないくらいまで掘り続けた時、ついに男は誰もいない空間を見つけた。
男は完全にひとりになった。
その瞬間、男は急に誰かと話をしたくなった。
「すいません。誰かいませんか?」
そこには男の声だけが響いていた。
【超短編小説】ひとりになりたい(300字)
この超短編小説は、以前連載していた
300字小説をリメイクしております。
明日9月20日まで
イベント現場が立て込んでおりまして
超短編300字小説をお送り致します。
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