【絵から小説】わたしとワタシ(300字)
私は、二人いる。
わたしとワタシ。
どちらも私。
ロングヘアーが、わたし。
ショートボブが、ワタシ。
仲は良い。
喧嘩はしない。
一度だけどちらが、わたしかワタシかで喧嘩をしたことがある。
理由は、些細なことだった。
ワタシの方が、タワシに似ているということから。
結局は、わたしも、たわしに似ていることには変わらないということで、喧嘩は収まった。
喧嘩の後、わたしとワタシは一晩中笑い転げていた。
私は、二人いる。
わたしとワタシ。
いつかは、わたしかワタシ、どちらか決めなくてはいけない日が来る。
それまで、できる限り仲良くしていたい。
どちらも私だから。
ずっと一緒にいたい。
私は、二人いた。
わたしとワタシ。
どちらも好きだった。
(300字)
この300字小説「わたしとワタシ」は
清世@会いに行く画家さんの「絵から小説」の企画で書きました。
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