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ベーシックインカムは「AI・ロボット税」で
私が資本主義の終焉を確信するようになって十数年経つ。きっかけは、自身が生業としてきた翻訳業で自動翻訳の利用が進み、私の仕事を脅かし始めたことだった。そのとき私は、今の言葉に置き換えるなら「AI・ロボットに仕事を奪われる」ことを実感した。
以来、私はポスト資本主義社会について考えるようになったのだが、その過程で出会ったのがベーシックインカム(BI)の思想だった。私が実際に直面したように、「AI
近藤等則、没後の出会い
近藤等則というジャズトランペッターは、1970年代から知っていた。だが、何故か今まで一度もちゃんと聴いたことがなかった。調べてみると、2020年に亡くなっていた。71歳だった。ジャズミュージシャンの訃報があればたいていは記憶しているのだが、何故か読んだ覚えもない。
70年代は山下洋輔のアルバムに参加したこともあるそうなので、フリーに近い分野で活動していたのだろうか? そんな記憶もある。私はフリ
ウクライナのクリミア・タタール出身ピアニスト、Usein Bekirovの「Hands」
このマガジンでは、かつてアルメニア出身のピアニストTigran Hamasyanや、その隣国アゼルバイジャン出身のピアニストIsfar Sarabskiのアルバムを紹介したことがあるが、今回紹介するのは旧ソ連圏でも、そこからさらに西へ飛んだウクライナのクリミア・タタール出身のピアニストUsein Bekirov(Усеїн Бекіров)が、同じウクライナのドラマーMax Maiyshevと共
もっとみる難しいテーマに正面から挑んだ「サイコだけど大丈夫(사이코지만 괜찮아)」
サイコパスがドラマで取り上げられるというと、日本の場合、ほとんど犯罪ものドラマで、明示的ないしは暗示的に猟奇的犯罪者がそれとして描かれることが多い。そのほかにも、作中にサイコパス的人格の人物が登場し、ときに「サイコパス」と語られることもあるが、サイコパスそのものをテーマとしたドラマは知らない。
そういった意味で、韓国ドラマ「サイコだけど大丈夫(사이코지만 괜찮아)」(2020、tvN)は異色