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横書き「生ぐさボウズ」

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丁寧。
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#書

自分の弱さにつまづいてかいしゃをやめたはなし

自分の弱さにつまづいてかいしゃをやめたはなし

僕は会社をやめて、29年生きてきてはじめて、自分で人生を歩みだした気がしています。

会社をやめたとき、自分の中の「自分」をできるだけ深く見つめようとしました。その時のことを、できるだけ赤裸々に書いた文章です。

正しいことは書いていないと思います。

一人でも、読んでくださる方がいれば、うれしいです。

(これは3/29に投稿済みの記事を、キナリ杯にあわせ、再投稿したものです。多くの方に届くかも

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空隙のダンス

空隙のダンス

20211122

このところ左官をやっている。

来年の春引っ越し予定の家の内装を、妻と僕とでいじっている。漆喰やら珪藻土やらを、コテを使って塗りつける。

これが楽しい。もう二度とやったるかくらいに思っていたけど、やると楽しい。

何年か前に半年間ほど塗りつづけていたことがあった。前職で旅館をつくっていて、モルタルと漆喰を塗っていた。

はじめたては楽しかった。けれど、しばらくたつと疲労と飽き

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線は意味を裏切る

線は意味を裏切る

20211108

書をはじめて約2年になる。

前職をやめて個人で動きだすとおなじくらいにふと、やろと思ってはじめた。

筆をもち、身体を動かす。

たったそれだけのことのおもしろさに憑かれ、誰得なままにつづけている。

書って分野、取り組んでいる身ながら、しみじみと誰得な分野だと思う。

パソコンやインターネット、デジタルな世界で言葉が溢れかえってる中で、わざわざ筆で言葉を書く。

筆で一文字

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十六の十七

十六の十七

20210823

まどろっこしい
まともなフリ
憧れんのは
魔女のキキ
ホウキでひとっ飛び
ハリーポッター
明日は休みだ
何しようか

書を書き
山にわけ入る
子どもと街にもくりだす
隙を見つけてはデートにはげむ
妻と茶をすする

まあすぐ済む
って思ってた現実が
ダラダラ居座りつづけてる
見て見ぬふりはできないってこと
君の目に狂いない模様

愚かさに踊らされることなかれ
気づいた時には
あな

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書と身体

書と身体

20210813

やっぱ書ってめちゃくちゃおもしろいなと、急に思った。

このところ日々取り組む書が、どこか惰性というか、身体がノリきらないままにこなす対象になっていた。それは書の後の、身体に残る疲れみたいなものから、なんとなく感じていた。

疲れているのは、余計な力が入ったまま集中しようとしているか、あるいは十分に身体を労ることなくどこかに進もうとしてしまっているか。そんなところだろう。

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筆で書く

筆で書く

20210408

このところ、書がまた楽しくなった。

臨書ではなくって、フリースタイルのような形で書いている書の、取り組む感じが変わってきた。

目を瞑って、筆と紙が触れる感覚をただ味わう。

それが随分と気持ちがいい。

書く言葉、文字はすでに頭にある。幼い頃から受けてきた教育の賜物として、特別難しく考えなくても、こう書けばいいっていう書き順と形。

それを目を瞑って、一画ごとに分解していく

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等身大

等身大

20210322

自分で、たいそう、不思議になる。
なぜこうも日々、筆をもって書いているのか。

書をはじめて1年と3ヶ月。

どういう方向に進むんだろうかとわからないことは多々ある。
そんな不可解な中でも、筆をとる時間は楽しい。

書をみて感動してはじめたわけではない。なんとなく、書だなと思って、書道教室を探した。

言葉を扱いながら、身体も一緒に。
もしくは身体が先行しながら言葉が出てくるよ

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道中

道中

20210210

2021年に入ってから読んでいる本に、なかなかどうして、アタリが多い。引き込まれる。

新刊を読んでるってわけでもなく、家で積み上げられたモノの中から、はじめましてから、お久しぶりですまで、適当に手をつけてる。

その中の一冊、石川九楊『日本語のてざわり』がおもしろかった。

内容うんぬんは、またいずれ何かの形で触れる気がするのだけど、何はともあれ、ほおほおとなった。

書って

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書は人なり

書は人なり

20210115

2020年、新しくはじめたことの一つは、筆を持ち字を書くこと。書だ。

当初は、大切にしたいと思った言葉を血肉にしたいなあと思って自分で筆ペンとかで書いてみたりしていたけど、なんかしっくりこないなあとってことで書道教室に通いはじめた。

当初の目的とはズレて、筆使って体動かすの楽しいやん...って方向性のまま、1日1時間ほど、とりあえずなんとなく書き続けてる。

教室で課題をも

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息づかい

息づかい

20201211

ここ数日、書を書くってことが、随分と楽に、随分と楽しくなった。

書に対して力入っちゃってるかもと、数日前に気づいてから、変えたことは2つ。

1つは、1枚しか書かないこと。

臨書なり課題なり自分の文章のタイトルなりを書く。

その時、特に臨書や課題はお手本があるから、1枚書いてから、ああこうしたらよかったと、つづけて何枚か書きたくなる。

それをやめた。

あくまて

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とっとと休む

とっとと休む

20201206

今朝、書を書きながら、アレこれはあまりやりたくなくなってるかもと頭によぎる。

やりたくないといっても、毎日やるってペースが違ってきたのか、単純に今はこのペースでやれないってことなのか、別のことに興味がいっているのか、実際のところはよくわからない。

ただ、書で味わうってところがすこし不明瞭なのは、このところ感じてはいた。

文章を書くこと、書、ラップ。

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先人の遺産としての思い込み

先人の遺産としての思い込み

20200826

たまに不安になって妻にきく。

僕「あすかのフォロワーの人とかが読んでくれるような言葉を使ったがいいかなあ」
あすか「うーん、タカが一番書いてて楽しい言葉を、読んで楽しめる人はいるから大丈夫だよ。」

そう言ってもらい、謎の勇気をみにつけ、今日も書く。

文体について考える。

文体は鍛えあげるもので、これはたぶん、ストレッチの可動域みたいなことかなあと、僕は

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書の奇跡

書の奇跡

20200709

書。

結果としてできた物質に満足いかないのは、まあ下手なんだろうな。

意味の側でとどまってしまっているというか。意味から離陸できるようなストロークができていない。

うまくなればいいだけ。

欲してるのは、たぶん、技巧的にうまいってことじゃない。

体と筆をはじめとした道具がむきあった動きの軌跡が、なぜか人がみるに値する奇跡。

その入り口は

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