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超個人的ノート

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#バイト

料理長のこと

料理長のこと

時刻は4時半でした。時間はもう朝と言って良くて、でもまだ真っ暗な時刻。息だけが白くて、寒くて。扉を閉めた料理長を振り返ると、煙草の火だけが動いているように見えました。
料理長と呼んでいる、私の店の店長について書いてみようと思います。

料理長は、私がバイトしている地元では大きい居酒屋の事業部長兼総料理長、私が働いている店の店長も兼任しています。つまりめっちゃ偉い人。社長と専務の次に偉いのでトップ3

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ある子どもの記録(4/4)

ある子どもの記録(4/4)

前編
【ある子どもの記録(1/4)】
【ある子どもの記録(2/4)】
【ある子どもの記録(3/4)】

ストレス解消は、食べることだけ。
加えて、激しい睡魔にいつも襲われていました。
朝はぎりぎりまで眠り、手近にある服とクロックスで学校へ向かい、授業中は爆睡、長い休み時間は図書館のソファで横になりました。そんな風にして一日に通算14時間眠ったこともありました。
10時間、12時間は当たり前でした。

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ある子どもの記録(3/4)

ある子どもの記録(3/4)

前編
【ある子どもの記録(1/4)】
【ある子どもの記録(2/4)】

そんな時、バイト先で仲の良い社員の代わりに異動してきたのは、一時は一緒に働いていた、全店舗中最も評判の悪いあのじい様でした。
少しは成長していたのでしょうか、時々は衝突しながらも、ホールで不満を押し殺しながら働きました。
ホールをいじめて気に入った一握りの贔屓を隠さない、文句ばかりの割に自分は煙草休憩ばかり、仕事は雑で料理が汚

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ある子どもの記録(2/4)

ある子どもの記録(2/4)

前編【ある子どもの記録(1/4)】

バイト先では再び楽しく働けていたものの、そのしわ寄せが来たのは昼間の大学生活でした。
一緒に授業を受ける子たちとの距離は縮まらず、ゼミの同期にも先輩にもサブゼミにも馴染めず、ゼミの活動にかかりきりで大好きなサークルの活動も出来なくなり、関わる機会がないので後輩とは馴染めず、仲の良い先輩であるものの、サークル長の方針には疑問ばかりが積み重なり、サークルで同級の子

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ある子どもの記録(1/4)

ある子どもの記録(1/4)

あるところに高校生がおりました。
明朗活発で早口でお喋りで、気が強くて他人の気持ちに鈍感で、自分の思った通りに生きたいと願うあまりに他人と衝突することもしばしばある子どもでした。
背は平均より少し高いくらい、痩せている方でした。痩せていると言われることの多い体をしていました。

高校を卒業し、大学に入学して一人暮らしを始めました。
念願の一人暮らし。念願の大学生活。少し寂しいことを除けば、足りない

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