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【毒親連載私小説】ほどけない糸

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#面前DV

【毒親連載小説#66】成人後も続く毒親からの呪縛①

【毒親連載小説#66】成人後も続く毒親からの呪縛①

私は両親と
一緒に暮らしていた
あの20年余りの間、
この忌々しい
毒親の元を離れれば、
苦痛から解放されて
私は幸せになれる。

そう強く信じていた。

いや、そう信じないと、
とてもじゃないが
生命をつなぐことは
できなかっただろう。

実際に私は、
大学3年の頃に家出をし、
そこから20年以上、
両親とは物理的距離を
置いてきたはずだった。

それにも関わらず、
私はつい最近まで
両親からの

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【毒親連載小説#65】執筆3ヶ月経過の頃のわたし。

【毒親連載小説#65】執筆3ヶ月経過の頃のわたし。

この執筆を始めてから
はや3ヶ月以上が経過した。

最近はまたずっと
強い眠気に襲われる自分と
必死で戦いながら
これを書いている。

私はこの数ヶ月、
まるで何かに
取り憑かれたように
執筆している。

初めの数ヶ月で
書き上げたものを
見てくれた人物がいた。

それは私にとって
憧れの人であり
雲の上の存在でもある人。

私がもともと
彼のことを知ったのは、
中国に住んでいた時の頃だった。

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【毒親連載小説#64】オーストラリア編 12〜中庸への道〜

【毒親連載小説#64】オーストラリア編 12〜中庸への道〜

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 幸せな居場所は
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出産してそろそろ
3年が経とうとするが、
相変わらず夫婦喧嘩は絶えない。

最近も喧嘩していたし、

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【毒親連載小説#55】オーストラリア編 3〜中庸への道〜

【毒親連載小説#55】オーストラリア編 3〜中庸への道〜

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当時、私はもちろんまだ
結婚はしていなかったので、
少し…いや、かなり焦った。

また、
私の頭の中では結婚前に
妊娠した状況

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【毒親連載小説#54】オーストラリア編 2〜中庸への道〜

【毒親連載小説#54】オーストラリア編 2〜中庸への道〜

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初めはさえないおじさん
だと思っていたけれど、
何度か会ううちに
彼の物静かで優しい雰囲気に
惹かれた。

私の9歳年上とい

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【毒親連載小説#53】オーストラリア編 1〜中庸への道〜

【毒親連載小説#53】オーストラリア編 1〜中庸への道〜

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今でこそよく耳にする
「引き寄せの法則」

何十年前の私は
この概念すら知らなかった。

しかし、こうして
今までのことを振り返

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【毒親連載小説 #29】気づけない父のモラハラ 4

【毒親連載小説 #29】気づけない父のモラハラ 4

私はこの両親と長い間、
関わり続けていく中で
期待しては裏切られる
という繰り返しを続け、
無数に生産され続けてきた
怒りや恨みがぎっしりと
心の中に埋め尽くされていた。

また、
親の理不尽な行動の数々に
私は命をすり減らし続け、
気がつけば自尊心も自己肯定感の
かけらも全て捨て去りながら
どうにかこうにか生きてきた。

いや、私は死なないように
必死で捨て続け、
相手に従順に従うことで
生き延

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【毒親連載小説 #28】気づけない父のモラハラ 3

【毒親連載小説 #28】気づけない父のモラハラ 3

それはこうだった。

ある時、母が台所で
料理をしていた時のこと。

父は私たちの前でわざと母に
聞こえるか聞こえないかの声で

「おいお前、また
 パチンコにでも行ってるんじゃないか?」
「またそんなにお酒ばっかり飲んでいるのか?」
「あれ、そのお酒いつ買ったの?」

こう、チクッと一瞬、
針を刺すかのような嫌味や皮肉。

また、他にも食事中などに
母がなにか発言をするたびに、
揚げ足を取る発言

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【毒親連載小説 #24】父とわたし 5

【毒親連載小説 #24】父とわたし 5

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何よりもこの事実を認めた瞬間
私という人間はたった数万円の
お金も払ってもらえぬ
価値のない人間であることを
認めるような気がした。

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【毒親連載小説 #19】母とわたし 17

【毒親連載小説 #19】母とわたし 17

ここまで、こうしてひとつひとつの
場面を思い出しながら執筆をしていると、
私はなぜだかたびたび強い眠気に襲われ
執筆を中断することが増えてきた。

他にも色んなシーンを
書き出そうとするたびに、
ずっと閉じ続けてきた「感情の扉」が
突然バーンと開いてしまい、
当時のリアルな感覚がよみがえり、
ただわけも分からず苦しくなり
真夜中に一人、むせび泣いていた。

このような状態に陥り、
執筆がなかなか進

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【毒親連載小説 #18】母とわたし 16

【毒親連載小説 #18】母とわたし 16

他にもうっかり
お味噌汁をこぼした瞬間に
バチーンと平手打ちをされたり、
私が失敗すると
容赦ない体罰が待っていた。

それは痛みというムチ与えることで、
私をコントロールする方法だった。

こんな風に母は、
弱くて抵抗のできない幼い私を、
まるで虫けらや畜生かのように
扱われてきた。

密室で誰も見ていないからと
こんな仕打ちをしておきながら、
自分がやったことはまるで
何もなかったことにかき消

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【毒親連載小説 #7】母とわたし⑤

【毒親連載小説 #7】母とわたし⑤

また、
ひとたび夫婦喧嘩が始まり
怒声・罵声だけでは
怒りの収まらない母は、
家にあるお皿を次々と割り、
怒りをあらわにする。

お皿の割れるその不快な音に
私はずっと耳を塞ぎ続ける…。

翌朝、
粉々になったお皿の破片が
床一面に飛び散っているのを見ると、
朝から最悪な気分だった。

そんな日は決まって
母は私たちのお弁当は用意しない。

その代わりに小銭を投げつけられる。

その小銭で朝ごはん

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【毒親連載小説 #11】母とわたし⑨

【毒親連載小説 #11】母とわたし⑨

数年前、
私がオーストラリアに嫁ぐ前に
日本から持ってきた古いアルバム。

その中から見つけた自分の写真を見て、
私は一瞬、目を疑った。

それは、まだ
ハイハイしていた頃の幼いわたし。

とても無邪気で天真爛漫で活発な笑顔…。

その写真の中の幼いわたしは
自信のエネルギーに満ち溢れていた。

両親によって
命を授かった「天真爛漫なわたし」は、
皮肉なことに、
両親によってこの天真爛漫さを奪われ

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【毒親連載小説 #10】母とわたし⑧

【毒親連載小説 #10】母とわたし⑧

毎日、いつ起こるか分からない
修羅場のような夫婦喧嘩。

私はこの家庭が恐ろしく、
かといってこの状況を
どうすれば良いのかも
全く分からなかった。

そして、何よりもこの苦痛を
誰にも言えないことが
また私をさらに苦しめるのだった。

あの頃のわたしは、
自分ではこの両親のことを
どうすることもできず、
ただ黙って泣くことしかできず、
それでも、
この家に居続けなくてはならない…。

この現状を

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