【毒親連載小説#54】オーストラリア編 2〜中庸への道〜

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初めはさえないおじさん
だと思っていたけれど、
何度か会ううちに
彼の物静かで優しい雰囲気に
惹かれた。

私の9歳年上というのもあり、
なんとなく大人の包容力も
感じさせた。

何度か会って話をしながら
お互いの家を
行き来しているうちに、
私たちは自然と一緒に
暮らし始めていた。

そこから彼と半年ほど生活を
共にしていた時のことだった。

私は人生、初めての妊娠を経験した。
これもまた予想外の出来事だった。

（え？？私でも妊娠するの？）
…と思うぐらい驚きだったが
私は本能的にこの生命を
心から喜んでいた。

さらに私を驚かせたのは、
妊娠を知った彼の
リアクションだった。

（つづく）