見出し画像

【毒親連載小説 #24】父とわたし 5

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

毒親育ちのあなたへ
自分の居場所は自分で作れる!

無料メルマガ
【インナースペース@パース】
発行中です。

スマホの方はこちら
PCの方はこちら

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

何よりもこの事実を認めた瞬間
私という人間はたった数万円の
お金も払ってもらえぬ
価値のない人間であることを
認めるような気がした。

もし、それを認めてしまったら、
私の自尊心は粉々に砕け散る…。

そう思いずっと目を背けてきた。

こんなどうしようもない
両親の元で育ったが、
私は学校で問題児でもなかったし、
小学校の時は成績は常にトップだった。

高校の時も大学の推薦入試に
声をかけてもらえたので、
素行もそれなりによかったと思う。

また、
兄弟の中で誰よりも早く
アルバイトをしてきて
両親に経済的な負担を
かけまいとずっと頑張ってきた。

そうだ。
私はずっとずっと頑張り続けてきた。

両親から受ける
暴力に心が砕けても、
ずっと耐え続けてきたし、
私はずっと頑張ってきた。

そして、
誰にもこの苦しみを言わず
たくさん我慢もしてきた。

でも、
その私の頑張りや我慢は、
一度として親の心に
届くことはなかった…。

私はそんな両親と接するたびに、
虚しさや寂しさ、悔しさを心に
募らせてきた。

娘の将来を左右する大事な進路。

そのために勇気を出して伝えた
たった一度のお願い。

でも、父にとっては、
それがたとえ娘であったとしても、
お金が優先の人間だった。

これが親かと思うと、
あの頃のわたしは胸が
ひきちぎれそうだった。

それでも、
こんな父にひざまづき
受験料を乞わねばならなかった
あの瞬間、私が本来持っていた
はずであろう誇り高い自尊心は
ズタズタにされた。

そして自分の経済力のなさに
自分を殺してしまいたいほどの
気分になった。

さらに追い討ちをかけるかのように
私の心を粉々にしたのは、
のちに私がこの大学に合格した後の
ことだった。

(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?