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【毒親連載小説 #28】気づけない父のモラハラ 3

それはこうだった。

ある時、母が台所で
料理をしていた時のこと。

父は私たちの前でわざと母に
聞こえるか聞こえないかの声で

「おいお前、また
 パチンコにでも行ってるんじゃないか?」
「またそんなにお酒ばっかり飲んでいるのか?」
「あれ、そのお酒いつ買ったの?」

こう、チクッと一瞬、
針を刺すかのような嫌味や皮肉。

また、他にも食事中などに
母がなにか発言をするたびに、
揚げ足を取る発言。

そして、私たち子供に向かって
ニヤニヤと笑いながら
「(母が)また変なこと言ってるよ」
と言わんばかりに嘲笑する。

他にも母が買った
新しい服を見つけた父は

「あれ、お前、これいつ買ったの?」
「これは見たことない服だなぁ~」
「こんなに洋服、買うお金持ってるんだね~」
「おまえ、ずいぶんお金持ってるんだねぇ~」

…と気味の悪い笑顔を浮かべて
私たちの方をチラッと見る。

私はそんな陰湿な父の言動に
いつも引っかかりを感じていた。

でも、ほんの一瞬だけ顔を出す
その捉えどころのない言動に
私は違和感を覚えながらも
やり過ごしてきたのだが、
私はこれを
「気づけないモラハラ」だと
両親の元を離れたことで
やっと気がつくことができた。

私はこのように
身体的暴力、面前DV、
精神的コントロールをしてくる
毒親の元で育った。

(ただ「親」であるということだけで、
 なんで暴力を受け続け、
 暴言を吐かれ続け、
 お金も奪われなきゃならないの??

 なんで、「親」であるということだけで、
 私の将来の可能性まで
 奪われなきゃならないの??

 人としてこんな理不尽なことを
 され続けているのに
 「親」ということだけで私はなんで
 ただ黙ってこの親を受け入れながら、
 親がやってきた数々の暴挙を
 許さなきゃいけないわけ??)

私の腹の底の底では、
この両親の理不尽さで
はらわたが煮えくり返り、
正直なことを言えば、
両親に対する「なんで??」
という気持ちが拭い去れない。

実際に私はたくさんの
カウンセリングを受け続けてきた。

それにも関わらず、
これを書きながらまだ、
悔し涙が流れ続けているのが
その大きな証拠だ。

(つづく)

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