マガジンのカバー画像

【毒親連載私小説】ほどけない糸

78
運営しているクリエイター

#小説

【毒親連載小説#77】成人後も続く毒親からの呪縛13 父の許しがたい行動④

【毒親連載小説#77】成人後も続く毒親からの呪縛13 父の許しがたい行動④

私は父には本気で
連絡したくなかったのだが、
母が泣きつくように
言ってくるので
本当に仕方なく、
形式的にだけ連絡をした。

日本に到着した時、
羽田空港の公衆電話で
私は父に手短に一言
「日本帰ったから」
と吐き捨てるように伝え
その電話をすぐに切った。

父は母と一方的に
別居をしたにも関わらず
一人暮らしで寂しくなったのか?
もしくは罪悪感を感じたのか?
私の帰国の電話を聞いてからは
いて

もっとみる
【毒親連載小説#76】成人後も続く毒親からの呪縛12 父の許しがたい行動③

【毒親連載小説#76】成人後も続く毒親からの呪縛12 父の許しがたい行動③

私はこの時、父に対して

「結局、アボジは私に何が言いたいわけ?」
「二人の問題でしょ?
 なんで私にそんなこと言うの?」
「自分がそう思うんなら、
 じゃあ勝手にすればいいんじゃないの」

ときつい口調で突き放し、
電話をすぐに切った。

そして、しばらく父とは
連絡を取らなくなった。

もっとみる
【毒親連載小説#60】オーストラリア編 8〜中庸への道〜

【毒親連載小説#60】オーストラリア編 8〜中庸への道〜

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

『自分の居場所と幸せは自分で作ろう!』
 毒親育ちの仲間募集中!

無料メルマガ
【インナースペース通信@パース】
発行中です

スマホの方はこちら
PCの方はこちら

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

私は彼が涙を流すのは
出会ってから数回しか
見たことがない。

最後の涙を見たのはこの時で、
彼は喉を詰まらせなが

もっとみる
【毒親連載小説#59】オーストラリア編 7〜中庸への道〜

【毒親連載小説#59】オーストラリア編 7〜中庸への道〜

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

『自分の居場所は自分で作ろう!』
 毒親育ちの仲間募集中!

無料メルマガ
【インナースペース通信@パース】
発行中です

スマホの方はこちら
PCの方はこちら

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

その時は稽留流産ではなく、
きちんと心音も確認ができて
一安心…という矢先のことだった。

まず、
雲行きが怪しくなった

もっとみる
【毒親連載小説#53】オーストラリア編 1〜中庸への道〜

【毒親連載小説#53】オーストラリア編 1〜中庸への道〜

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

毒親育ちの仲間募集中!
自分の居場所は自分で作れる!

無料メルマガ
【インナースペース@パース】
発行中です。

スマホの方はこちら
PCの方はこちら

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

今でこそよく耳にする
「引き寄せの法則」

何十年前の私は
この概念すら知らなかった。

しかし、こうして
今までのことを振り返

もっとみる
【毒親連載小説#49】中国渡航編2-3〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#49】中国渡航編2-3〜リベンジへの道〜

私はとある中国人の男の子と
インターネットを通じて知り合った。

「男の子」と表現するのは、
当時、初めて彼の写真を見たとき、
まだあどけなさの残る大学生だったからだ。

彼は私の11歳年下で、
初めは中国語を勉強する目的で
チャットをしていた。

次第に仲が良くなり、
そのうち、チャットではなく、
直接、電話をするようになった。

彼は私の下手な中国語も
笑ったりすることなく
受け入れてくれて、

もっとみる
【毒親連載小説#47】中国渡航編2-1〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#47】中国渡航編2-1〜リベンジへの道〜

私は、
中国で初めて就職をしたり
旦那と出会ったりなど、
中国との縁がとても深い。

政治的な面やモラルの面では
賛否両論あるのだろうが、
私の人生の中で中国という国は、
私が初めて海外に飛び出した時に
受け止めてくれた場所であり、
精神的に支えてくれた
恩人ならぬ「恩国」。

30の時に私が就職したのは
外資系企業のとある
コールセンターだった。

時代はリーマンショック
真っ只中。

一度は決

もっとみる
【毒親連載小説#45】中国渡航編 1-5〜起死回生の道〜

【毒親連載小説#45】中国渡航編 1-5〜起死回生の道〜

この頃、時代は2002年。

私はやっと親から逃れ、
自分の道を進んでいるかの
ように思っていた。

そんな矢先に私はなんと、
SARSの渦中に見舞われた。

私は突然、平穏な世界から
恐怖の奈落に突き落とされた。

今はコロナが世界中で
猛威をふるっているわけだが、
当時のSARSもまた
原因不明のものとして
中国では大騒ぎになっていた。

私の勤めていた学校も
突然、閉鎖された。

私は社員寮

もっとみる
【毒親連載小説#43】中国渡航編 1-3〜起死回生の道〜

【毒親連載小説#43】中国渡航編 1-3〜起死回生の道〜

あの時、
私は授業の準備をするために
事務所で教案を書いていたと思う。

その時、とある人物が突然
私たちの事務所にやってきた。

彼は脱北者だった。

なぜ、彼がここにきたかというと
私が当時勤めていた外国語学校は
田舎町では最も有名な場所で
地元のローカルテレビではいつも
この学校のCMが流れていた。

私は当時「外教(外国語教師)」
として撮影され、
このCMに出演していたのだが
このCMを

もっとみる
【毒親連載小説#40】韓国留学編 2〜原点回帰の道〜

【毒親連載小説#40】韓国留学編 2〜原点回帰の道〜

絶望、挫折…そして無力感。

祖国への希望と明るい未来は
見事に粉々にされた私は、
敗北感に完全に打ちのめされ
帰国した。

その後、
日本にしばらく滞在し、
体調もどうにか回復したのだが、
私の心は絶望と諦めの渦中にいて
この気持ちとどう折り合いを
つければよいのか?
全く分からずにいた。

「時間は薬」とは
よく言ったものだ。

時間の経過と共に、
祖国への想いは
すっかり冷めきっていた。

もっとみる
【毒親連載小説 #12】母とわたし⑩

【毒親連載小説 #12】母とわたし⑩

両親の夫婦喧嘩が
日常的に行われると同時に、
母の酒量もどんどんと増え、
完全にお酒に呑まれることが増えた。

ある時は母は完全に目が据わり、
取り憑かれたように激しく怒鳴り続け、
わけのわからないことをわめき続けていた。

そして、突然、
吐き気をもよおしたのか
倒れこむかのようにトイレに駆け込み、
トイレで呻きながら吐き続ける。

吐き続けているあいだ、
ずっと聞こえてくる母の不気味な呻き声。

もっとみる
【毒親連載小説 #10】母とわたし⑧

【毒親連載小説 #10】母とわたし⑧

毎日、いつ起こるか分からない
修羅場のような夫婦喧嘩。

私はこの家庭が恐ろしく、
かといってこの状況を
どうすれば良いのかも
全く分からなかった。

そして、何よりもこの苦痛を
誰にも言えないことが
また私をさらに苦しめるのだった。

あの頃のわたしは、
自分ではこの両親のことを
どうすることもできず、
ただ黙って泣くことしかできず、
それでも、
この家に居続けなくてはならない…。

この現状を

もっとみる
【毒親連載小説 #1】今、オーストラリアで想うこと

【毒親連載小説 #1】今、オーストラリアで想うこと

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

毒親育ちのあなたへ
自分の居場所は自分で作る!
無料メルマガ
【インナースペース@パース】
発行します!

スマホの方はこちら
PCの方はこちら

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

オーストラリアの
西側に位置する都市・パース。

自然と都市が調和したこの土地で
今、私は旦那と娘と3人、
とても平凡だけれども
人生で

もっとみる