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【毒親連載小説#60】オーストラリア編 8〜中庸への道〜

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私は彼が涙を流すのは
出会ってから数回しか
見たことがない。

最後の涙を見たのはこの時で、
彼は喉を詰まらせながら
そう慰めの言葉をかけてくれた。

あれはきっと、
自分自身にかけていた言葉でも
あったのだろう…。

私たちはずっと
二人の子供を強く望んでいた。

私自身、今までであれば、
毒親育ちだったので
結婚なんてありえない。
子供なんてありえない。

そう思っていたのだが、
旦那という存在と出会い、
愛する人との子供であれば
生んでみたい。

そう思うようになっていた。

また、
出産のタイムリミットも
迫っていた私は
行動を起こすしかなかった。

私は排卵日を調べるために
腕が青くなるまで何十回も
血液検査をした。

また今までの食生活を
見直すこともした。

調べてみると、
私は体を冷やす食べ物しか
摂っていなかったことを
この時に初めて知った。

私はあれだけ大好きだった
お酒もコーヒーも、タバコも
一切を絶った。

とにかく本気でやらないと
もう後はないと思った。

私はとにかく
後悔したくなかった。

そんな強い想い届いたのか。

私たちはこの深い悲しみも越え、
2017年に大切な命を授かった。

夫婦の協力により、
困難を乗り越え授かった
大切な生命…。

私の妊娠生活は
幸せそのものだった。

お腹がだんだんと大きくなり、
胎動を感じるたびに、
子供とのつながりをより実感できた。

この大切な生命を
体で感じながら過ごした
十月十日。

それは本当に
かけがえのない日々だった。

やっと私にも
幸せがやって来たのだ。

そう強く信じていた。

(つづく)

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