マガジンのカバー画像

おすすめの本一覧

1,323
「誰かにおすすめしたい!」と思った本をまとめています。ジャンル不問。
運営しているクリエイター

#小学館

著…松永正訓『運命の子トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』

著…松永正訓『運命の子トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』

 小児外科医として染色体異常の子どもやその家族と伴走してきた著者の葛藤が伝わってくる本。

 染色体異常を持つ子どもは、残念ながらお母さんのお腹の中にいるうちに命を落としてしまうことが多いです。

 また、無事に生まれてこられたとしても、長く生きられないことがほとんど。

 「ダウン症」と呼ばれる21トリソミーの子どもは医学の発展によって長く生きられる世の中になってきましたが、この本に登場する13

もっとみる
著…幸村しゅう『私のカレーを食べてください』

著…幸村しゅう『私のカレーを食べてください』

 決して幸福とは呼べない生い立ちの主人公。

 彼女はある日、とても印象深いカレーと出会います。

 それはごく平凡なカレーだったのですが、主人公の心に強烈なインパクトをもって深く刻み込まれました。

 人生を変えるほどに。

 これは、主人公が理想の味を追い求めてカレー作りに夢中になっていく…という小説です。

 ひたすらカレーが出てくるので、読んでいるとモーレツにカレーを食べたくなります。

もっとみる
まんが…藤子・F・不二雄 発行…株式会社小学館『人生を変える『ドラえもん』セレクション おとなになるのび太たちへ』

まんが…藤子・F・不二雄 発行…株式会社小学館『人生を変える『ドラえもん』セレクション おとなになるのび太たちへ』

 10名の著名人たちが『ドラえもん』の作品の中から特に思い入れのある作品を選び、それにまつわるご自身のエピソードやこれから大人になる若者たちへのメッセージをまとめた本。

 たとえば『アスレチックハウス』、『あやとり世界』、『さようなら、ドラえもん』といった作品が載っています。

 わたしは特に、『サンタメール』という作品に菅田将暉さんが寄せた、

 といった言葉にグッときました。

 もしかした

もっとみる
原作…エドゥアルド・ウスペンスキー 訳…こじまひろこ 文…やまちかずひろ『チェブラーシカ』

原作…エドゥアルド・ウスペンスキー 訳…こじまひろこ 文…やまちかずひろ『チェブラーシカ』

 大人の心をもキュンとさせてくれる、優しい色彩の絵本。

 ※注意
 以下の文は、結末まで明かすネタバレを含みます。
 未読の方はご注意ください。

 わたしは今まであちこちでチェブラーシカを見かける度、「愛らしいなぁ。どんなキャラクターなんだろう?」と思い続けてきたので、この絵本によってどんな子なのか知ることが出来て嬉しいです。

 ちなみに、チェブラーシカの名前って「転びやすい」という意味なん

もっとみる
作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…岸田登美子『ブルー・ストーン』

作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…岸田登美子『ブルー・ストーン』

 「帰りたい、あの場所に…」

 そう願うたびに砕けて、どんどん小さくなっていく青い石を描いた絵本。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 青い石は、もともとは一つの大きな石でした。

 しかし、人によって半分に割られ、その半分だけが元の場所から運び去られてしまいました。

 人の手でどんなに綺麗な形に加工され、どんなに多くの人たちに愛されても、青い石は故郷

もっとみる
著…戸練ミナ『重ね煮レシピ100』

著…戸練ミナ『重ね煮レシピ100』

 作り置きを前提としたレシピ本。

 作りたてを食べたいけれど毎日調理するのは時間的にも体力的にも辛い。

 でも惣菜を買うのではなく自分で作ったものを食べたい。

 そんな働く身にぴったりな本です。

 「重ね煮」だと結構日持ちするんですね!

 わたしはこの調理法そのものを初めて知りました。

 野菜をランダムに鍋に入れるのではなく、例えばミルフィーユみたいに綺麗な層になるように重ねて、野菜の

もっとみる
著…柏井壽『鴨川食堂』

著…柏井壽『鴨川食堂』

 もう一度食べたい、懐かしい味。

 でも、食べたくても、もう食べられない。

 作ってくれた人が亡くなっていたり、お店が無くなっていたりするから。

 レシピが分からないので、自分で作ったり、誰かに作ってもらうということは出来ない。

 食べたのは大分昔だから、どんな味だったのかという記憶も曖昧。

 お店の名前も思い出せない。

 一緒に食べた人の名前すら思い出せない。

 …でも、どうしても

もっとみる
作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…宝迫典子『君のいる場所』

作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…宝迫典子『君のいる場所』

 という美しいメッセージから始まる絵本。

 「自分は独りぼっちだ」と絶望している人や、片想い中の方におすすめしたい一冊です。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 この絵本の登場人物は2人。

 2人とも、孤独を抱えています。

 ただひたすら寂しいのです。

 世の中は沢山の人や物で溢れているのに…。

 そんな2人が出会います。

 ほんの束の間。

もっとみる
作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…宝迫典子『地下鉄』

作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…宝迫典子『地下鉄』

 この絵本の主人公は、十五歳の盲目の少女。

 この子の目がなぜ見えなくなったのかは、この絵本の中では明かされません。

 こう書かれているだけ。

 …と。

 病気?

 それとも事故で?

 と想像しながら読んでいくと、不思議なことに気づかされます。

 この子が地下鉄の階段を下りて、地下鉄に乗って、地下鉄を下りて、階段を上って…、という行動を妙に繰り返していることに。

 ※注意
 以下

もっとみる
著…垣谷美雨『後悔病棟』

著…垣谷美雨『後悔病棟』

 病気になると、これまでの人生を振り返らずにはいられませんよね?

 …それが不治の病ならば尚更。

 この小説の舞台は入院病棟。

 ここには、不思議な聴診器が存在します。

 患者の胸に当てるだけで、心の声が聴こえてくるのです。

 あの時ああしていたら…。

 あの時ああしなければ…。

 こんなはずでは無かった…。

 …と。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを

もっとみる
著…森見登美彦『ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集』

著…森見登美彦『ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集』

 小説家:森見登美彦氏と他の小説家、漫画家、監督、脚本・演出家たちとの対談集。

 ●執筆スタイルの違い
 ●実在のモデルを必要とするかしないか
 ●作品に方言を取り入れるか
 ●登場人物に対する憧れ

 などなど、何かを表現する人たちそれぞれの意見が読めて興味深い本です。

 なんと、今の森見さんと過去の森見さんが対談するというページもあります。

 なんてユニークな発想力!

 また、森見さん

もっとみる
著…安次嶺隆幸『将棋を指す子が伸びる理由』

著…安次嶺隆幸『将棋を指す子が伸びる理由』

 将棋を子どもの教育に活かそうという本。

 将棋は両者が「お願いします」と挨拶を交わして始まります。

 敗者は「負けました」と認めます。

 対局を振り返る検討会(感想戦)が終わったら、両者が「ありがとうございました」と敬意を示して終わります。

 この礼儀正しさって、とても素晴らしいですよね。

 将棋は挨拶無しには成り立ちませんから、挨拶の大切さを子どもに実感してもらうのにもうってつけです

もっとみる
著…芦沢央『雨利終活写真館』

著…芦沢央『雨利終活写真館』

 前向きな終活の小説。

 読むと、自分らしい遺影を撮りたくなります。

 この小説の舞台は、人生のしまい支度を手伝ってくれる写真館。

 遺影の撮影前に必ずカウンセリングタイムを設けることで、お客様にとって自分らしい服、ポーズ、背景などを選べます。

 中でも、主人公のおばあちゃんが撮った遺影が興味深いです。

 赤を基調としたギンガムチェックのシャツに赤いスカーフを合わせるという個性的なファッ

もっとみる
原作…青山剛昌『名探偵コナンの探究ファイル 小学生のうちに知っておきたい世界のこと』

原作…青山剛昌『名探偵コナンの探究ファイル 小学生のうちに知っておきたい世界のこと』

 ●南極の氷の下には何があるの?
 ●世界で最も多く読まれている本は?
 ●「暗号資産」って何?

 といった様々な疑問とそのヒントについて、子ども向けに分かりやすく教えてくれる本。

 わたしは大人ですが、この本の表紙を見て「あっ、コナンくんだ! 面白そう」とまんまと釣られてこの本を手に取りました。

 残念ながら、青山剛昌先生による漫画そのものは載っていません。

 ちらちらとコナンくんは出て

もっとみる