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遺品整理に関して

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#エッセイ

「身内の介護」と「身内の片付け」、根っこは同じみたい。誰かを頼ろう。

「身内の介護」と「身内の片付け」、根っこは同じみたい。誰かを頼ろう。

先日の記事にコメントを頂き、その中で本をご紹介いただいたので、ちょっと興味が出て拝読してみました。

ご紹介いただいたのは介護問題の本。それも、「自分で介護するのではなく誰かの力を借りて行う(自分はなるべく手も金も時間もかけない)」というスタイルの介護。

端的に言うと、
「親の介護に関しては誰しも『子供である自分が完璧にこなさねばならない』という呪いにかかっているが、絶対に誰か第三者(公的機関な

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片付け相談2【不幸の手紙】

片付け相談2【不幸の手紙】

捨てづらいものの中に、「不幸の手紙」っていうのがありました。

…という話を今回しようと思ったんですが、そもそも今どきのお若い方って「不幸の手紙」をご存じない可能性もある…!?💦

簡単に言うと、「この手紙を受け取った人は、同じ文面の手紙をいますぐ5人に送りましょう。さもなければあなたに不幸が訪れます」というもの。

昔は本当に無駄なことしてましたよね~。これ、わざわざ有料の葉書で送ってるんです

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「オタクの逝き方」は最高の教科書

「オタクの逝き方」は最高の教科書

「オタクの逝き方」

「全オタクはこれを読むべし!」というレベルの充実した内容なのにおそらく表紙絵のせいで手に取ってもらえない! 残念過ぎる!!
ただしこの表紙絵からも察せられる通り、どちらかと言えば男性オタク向けの内容となっております。
しかしながらとても内容が充実していて、自分の死後に残される嫁(=推しキャラのグッズ)のことを少しでも思う心があるのなら、ぜひ元気ないまの内にこそ読んでいただきた

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片付け屋の呟き~生前整理できる人はそれだけで幸せだな、と思った

片付け屋の呟き~生前整理できる人はそれだけで幸せだな、と思った

また大きなお仕事が入りそう。

というのも、ご高齢のお客様宅で、奥様がついに施設に入所なさったらしいのです。今まで掃除をしてくれていた奥様が認知症になり、掃除が行き届かなくなったために私が雇われていただけに、「来るべき時が来たか…」という感じ。
奥様はご高齢ということもあり、残念ながらもう、ご自宅に戻ることはないのでしょう。ご主人さまもそれを承知していらっしゃるから、「次回以降、家じゅうのモノ(=

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オタクの生前整理【番外編】生前整理してよかったこと

オタクの生前整理【番外編】生前整理してよかったこと

オタクが義実家の生前整理をしたお話です。シリーズは「こちら」からお読みいただけます。

■生前整理は大変だった、けどそれだけじゃないシリーズ全般通して「辛かったこと」ばかり書いてしまった気がします。これで生前整理をする人が少なくなってしまったら本末転倒、意味がないですね、反省です。
なので、今回は「よかったこと」について熱く語りたいと思います。
ただ、「きれいになった」などの当たり前のことに関して

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オタクの生前整理【番外編】:伝えなきゃ伝わらない

オタクの生前整理【番外編】:伝えなきゃ伝わらない

オタクの生前整理【リターンズ】というシリーズで、リフォームに伴う義実家の片付けに着手した話を連載しておりましたが、そのシリーズから漏れた小話を追記していきたいと思います。

■義父の形見の腕時計がどれだか分からない私と主人が結婚して、もう10年以上。それ以前からも、主人は就職して長らく住んでいた義実家を離れて生活しています。季節ごとの帰省は欠かさず行っていますし、法事などもきちんとこなす義実家。今

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オタクの生前整理【リターンズ】6日目:ペットの始末はどうする?

オタクの生前整理【リターンズ】6日目:ペットの始末はどうする?

オタクが「義実家」を片付ける実録です。
コレクションとか趣味とかお持ちの方々は、自分と自分の周囲のことをちょっとでも考えてもらえればいいなと思い、したためています。

■亡くなった義父の世話していた金魚がいた義実家には亡父の飼っていた金魚が2匹いました。わりと動物は好きな方ですが金魚にはとんと興味のない私。「まぁ、そこにいるな」くらいの感覚でした。興味がないから視界に入ってなかったんですよね。

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生前整理だけはしておいてほしいと思う、その理由

生前整理だけはしておいてほしいと思う、その理由

幸いにも私はまだ遭遇していないのですが…

上記のツイート、葬儀の現場だけでなく、遺品整理の現場でもこういう輩が現れるのだそうです。
たいそうな品を集めていた人であれば、周辺の人もそれを知っている可能性があり、死後に、さも「約束していた」という感じで家に入ってきて、勝手に品々を漁っていくのだとか。まさに「死人に口なし」ですよね。

先日読んだ「時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死

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人生100年時代、「早めの片付け」の必要性

人生100年時代、「早めの片付け」の必要性

ちょっと前まで「人生80年」だったのが、すでに「人生100年」時代に突入していますよね。医学の進歩すごいんですけども、こうなると考えないといけないのが、「80歳からさらに20年、どうやって生きていくのか」ということ。

一般的な人々の人生設計って、何となく、
「30歳で家を建てる→30年間でローンを払い終え、60歳で定年退職。余生を満喫し、80歳まで生きて死ぬ」というのがモデルケースだったような。

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人任せにしてはいけない

人任せにしてはいけない

コロナ騒動でお家の片付けを進めている人が多いようです。
理由はどうあれ、「片付け」「整理整頓」に目を向けていただけるのはありがたいことですね。これを機にぜひ家の中をスッキリさせていただきたいです。

ところで私は今回の外出自粛を機に、一斉に捨てたモノがあります。
今までも悩み続けていたものですが、このタイミングで「えいやっ!」と。

それは、長年溜めていた「手紙」です。
わざわざ取っておいたほどで

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【読書感想】「時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし」

noteで匿名にしている&仕事募集をしていないのは、公にできない四方山話を自由に吐き出したかったからなのですが、それでも書くのをためらっていたのが、数年前に起きた身内の孤独死のことでした。

■身内の孤独死のこととある年のこと。
仕事から帰ってきたら、固定電話に留守電が入っていました。どうせセールスの電話か何かだろうと何気なく再生ボタンをおしたところ、
「東京警視庁の〇〇と申します。佐藤太郎(仮名

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死ぬとお金がかかります。9. 遺品整理も大変なのだ。

死ぬとお金がかかります。9. 遺品整理も大変なのだ。

ウチの父はある朝突然、何の準備もなくぽっくり逝ったので、すべてのモノがそのまま遺された。
実家に、心臓手術した母が独りになってしまったので、都内のマンションを引き払って私が帰ることにした。そのためにも、部屋を空けなければならず、とりあえず、押し入れの中身を片っ端から出して要る要らない判別して要らないモノを処分。
ずーっと部屋に出しっぱなして積み上げてた客用ふとんをなんとか押し入れにしまえるようにな

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死ぬとお金がかかります。1. 老いた親との別れ方。

死ぬとお金がかかります。1. 老いた親との別れ方。

2017年初夏のある朝、父がぽっくり逝きました。
享年74。
本人も家族も、何の準備もしていなかった。
心も、お金も、お墓も全部。

年老いていく両親に、そろそろ考えておかないとなー……とは思いつつ。
『親が亡くなった時に読む本』だの『いざというときの手続き』みたいなハウツー本も、本屋で横目に見るだけでけっきょく購入には至らず。
人が死ぬと、何がどういう順序で遺族に襲いかかってくるのか。「死亡届

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これが遺品になるなんて

これが遺品になるなんて

人は二度死ぬ。

一度は生命が失われたとき。もう一度は忘れられたときだ。そんな話はよく聞く。

遺品は、二度目の死を遅らせるものなのだろう。死んだ人が使っていたものは、記憶のトリガーになる。だから、捨ててしまうとその人が失われてしまうような気持ちになるのかもしれない。

幼いときに母を亡くした私は「遺品」を認識していなかった。人が死んだら、すべてが自然と消えてしまうものだと思っていた。もちろん、母

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